有力ティーショップチェーン、今後の業界集約局面でシェア拡大へ
現地コード | 銘柄名 |
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02150 |
奈雪的茶 (ナユキ・ホールディングス) |
株価 | 情報種類 |
3.93HKD |
株価 企業情報 チャート |
中国のティーショップ市場について、BOCIはこれまでの急成長期を過ぎ、今後は集約化局面に移行するとみている。大手企業の優位が徐々に鮮明となり、収益力も高まるとの見方。「奈雪の茶」チェーンを展開する奈雪的茶の現在株価の低バリュエーションを指摘し、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。国内ティーショップ市場における主導的地位を指摘し、スケールメリットの拡大やブランドの構築、イノベーションへの取り組みなどが、同社の市場シェアの拡大を後押しするとみている。
BOCIはコロナ後の「正常」な成長局面を迎えた国内ティーショップ市場で、今後は強力なビジネスノウハウやバックエンドインフラ、力強いキャッシュポジション、資金調達能力を備えた大手への集約化が進むとみる。まずは「規模」が競争優位のカギを握るとの見方。その点で、大都市の直営モデルと中小都市のフランチャイズモデルという二重のエンジンを持つ同社が店舗網の拡大を加速させ、市場シェアを伸ばすとみる。
1店舗当たりの売上高は2024年以降、着実に上向く見込み。ここ2-3年はコロナ禍やストアフォーマット(商品構成・価格構成など)の調整で、「奈雪の茶」店舗の平均売上高は縮小し、景気減速を考慮すれば、年内の回復も不透明。ただ、BOCIは製品構成の最適化による客単価の上昇などを理由に、楽観見通しを維持している。安定的な需要増を支える要因は、店舗外ビジネスの開拓や店舗ロケーションの入念な選定、ブランドエクイティの強化、商品イノベーションなど。また、一時的に消費の低迷と競争激化が響いたとしても、製品構成の付加価値化を背景に今後数年にわたって客単価が上向くと予想。サプライチェーンの強化や製品イノベーションの継続に期待するとしている。
同社はコロナ流行時にストアフォーマットの調整とコスト構造の最適化に取り組んでおり、その効果がコロナ後の「正常化」局面で発揮される見込み。BOCIはサプライチェーンの強化とマーケティング精度の向上を受け、直営店舗の粗利益率が段階的に改善するとみる。また、労働生産性の向上やデジタル化、業態のアップグレードが、店舗のオペレーションの簡素化につながる可能性を指摘。スケールメリットの拡大や競争環境の改善、マクロ経済の回復を追い風に、同社の収益性がさらに改善するとみる。
BOCIは2023年通期の黒字転換を見込み、予想EPS(1株当たり利益)を0.067元(前年は1株損失0.269元)に設定した。2024年、2025年のEPSに関しては、前年比274%増、84%増を予想。米スターバックスや中国の外食大手ヤム・チャイナ(09987)とほぼ同水準に当たる2024年予想PER(株価収益率)20倍をベースに、目標株価を据え置いた。
レーティング面の潜在リスク要因としては、マクロ経済と消費心理の低迷や競争激化、店舗網拡大ペースの下振れ、食の安全問題、フランチャイズモデルの不成功などの可能性を挙げている。
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