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著者の窪田真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「日本株「買い場」米金利上昇の不安は続く」
米長期金利低下を受けて日経平均急反発
先週(10月10~13日)の日経平均株価は、1週間で1,321円上昇して3万2,315円となりました。先々週(10月2~6日)の急落を、1週間で取り返す急反発となりました。先々週の急落・先週の急反発の要因は以下の通りです。
【1】先々週(10月2~6日)の急落要因
日本株のファンダメンタルズ(日本の景気・企業業績)は良好ですが、米長期金利の上昇に歯止めがかからないこと、FRB(米連邦準備制度理事会)がさらなる利上げを示唆していたことから世界的にリスクオフ(株などリスク資産の組み入れを減らすこと)が広がり、日経平均先物に外国人投資家と見られる売りが増えました。
【2】先週(10月10~13日)の急反発要因
FRB高官よりこれ以上の利上げは必要なくなったとハト派発言が出たことで、さらなる利上げ懸念が低下し、米長期金利が低下しました。これを好感して日経平均先物に買い戻しが広がりました。
ただし、イスラム組織ハマスとイスラエルの衝突が起こり、原油先物が上昇した不安を受けて、13日の日経平均は前日比178円安と反落しました。
日経平均週足:2023年1月4日~10月13日
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日本株のファンダメンタルズ(景気・企業業績)は良好で、日本株は割安、長期投資で「買い場」の判断は変わりません。
短期の日経平均について、テクニカル分析の視点からコメントします。上の週足チャートを見ると、日経平均は目先、3万3,200円辺りをレジスタンス(上値抵抗線)、3万1,800円をサポート(下値支持線)とするボックス推移が予想されます。レジスタンスより上は二番天井をつけて打ち返されたものの、サポートより下は二番底をつけて急反発した形です。
ファンダメンタルズについていえば、日本の景気・企業業績が良好であることが下値を支え、米金利上昇への不安が上値を抑えている形です。
日経平均の先行きを決めるカギは、米景気および米国株の動きです。米ナスダック総合指数の動きを合わせてご覧ください。
日経平均・米ナスダック総合指数の動き比較:2021年末~2023年10月13日
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2023年に入り、米景気ソフトランディングの期待から米国株は上昇してきましたが、8月以降、米長期(10年)金利が4%を超えて上昇が続いていることを嫌気して、売られてきました。
先週は、米長期金利が低下したことからナスダックも反発しました。当面、長期金利の動きに神経質な展開となりそうです。
米長期金利の上昇が止まるか、正念場
米国も日本も景気が良好であることが、株にとってプラス材料です。一方、米長期(10年)金利の上昇が続いていることが不安材料です。先週は、FRB高官から利上げ停止を示唆する発言が出たことを受けて低下しましたが、これで長期金利上昇が止まるかどうかは不透明です。
米長期金利(10年)と短期金利(FF金利)推移:2021年末~2023年10月13日
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そろそろ米長期金利はピークアウトするという期待はありますが、先行きを慎重に見ていく必要があります。中東情勢緊迫化で、原油先物が反発した影響も注視されます。中東情勢を背景に原油先物がこのままどんどん上昇していく可能性は低いと思っていますが、決め打ちはできないので、しばらく事態の推移を見守りたいと思います。
WTI原油先物(期近)推移
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詳しい説明は割愛しますが、米長期金利上昇により、米国株はイールドスプレッドで見て、割高になってきています。日本の長期金利も上昇していますが、水準が低いので、日本株はイールドスプレッドが開くと、割安と判断されます。
日本と米国のイールドスプレッド(株の益利回りと長期金利のスプレッド):2023年10月13日時点
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日本株の投資判断
結論は、いつも述べていることと同じです。日経平均は短期ショック安が続く可能性もありますが、長期的には良い買い場を迎えていると判断しています。時間分散しながら割安な日本株を買い増ししていくことが、長期的な資産形成に寄与するとの考えは変わりません。
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