ウラン価格が福島第一原発事故以来の高水準に、業績への悪影響は局地的か
現地コード | 銘柄名 |
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01164 |
中廣核礦業 (CGNマイニング) |
株価 | 情報種類 |
1.27HKD |
株価 企業情報 チャート |
供給サイドの混乱を背景に、ウラン価格が力強い上昇傾向を示している。スポット価格は月初来17%上昇し、2011年の福島第一原発事故以来初めて、1ポンド=約70米ドルに達した。ただ、BOCIによれば、中国広核電集団傘下のウラン商社である中廣核礦業は今のところ、ウランスポット価格の急騰による逆風に直面しているわけではなく、引き続きウラン市場の活況による恩恵銘柄。2024-25年の利益見通しを12-14%増額修正した上で、目標株価を引き上げ、株価の先行きに強気見通しを継続している。
ウランのスポット価格が1ポンド=20米ドルから40米ドルに回復するまでには5年かかったが(2016-21年)、50米ドルから70米ドルへの上昇に要した期間はわずか3四半期。地政学的な混乱や供給減を招く突発事態を受け、先行きへの警戒感が高まったことが影響した。直近では、アゼルバイジャンによる隣国アルメニアとの係争地ナゴルノ・カラバフへの攻撃が発生。カザフスタンのウラン輸出の西回り代替ルートに支障を来たしたことも供給リスクとなった。
ただ、中廣核礦業はウランのスポット価格の高騰に対して、相対的に弾力性が高いというのがBOCIの見方だ。スポット価格は現時点ですでに、親会社向け販売価格の固定部分(40%)の1ポンド=61.78米ドルを上回る水準にあり、この先、連結決算である程度の損失を被ることは避けられそうにない。ただ、それ以外の合弁会社・関連会社レベルでは、スポット価格の上昇に対して非常に柔軟性が高く、BOCIはスポット価格が影響するのは全体の6割程度となる見通しを示している。
一方、トレーディング部門では、ウラン価格の急騰は短期的に、需給双方のマッチングを難しくする可能性がある。そうなれば、同社のトレーディング収入が減少し、短期的には実現収益(下落)と在庫積み増し(高騰)というミスマッチによる損失が発生する可能性がある。こうした中で、BOCIは向こう2-3年のスポット取引活動の鈍化を予想。2023-25年の予想売上高を23-39%減額修正した。
BOCIはウラン価格の高騰(2024年に69米ドル、2025年に73米ドルを予想)を見込み、同社の2024-25年の予想純利益を12-14%減額修正した。SOTP(サムオブザパーツ)方式にも続き、目標株価を引き上げながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。新たな目標株価は2024年予想PER(株価収益率)で11倍の水準となる。フォワードカーブを見る限り、2024-25年の平均販売価格の上昇による収益見通しの上方修正もあり得るという。
レーティングの見直しにつながる潜在リスク要因としては、合弁会社・関連会社で予想外の生産、供給関連の混乱が生じる可能性、予想以上の生産コストの増大、予期せぬ原発事故の可能性などを挙げている。
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