今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは149.30

 ↓下値メドは148.70 

EV車:英国でEV車の供給が購入需要を上回る状態。一部で大幅値引きも
米中関係:トランプ氏大統領の再選がリスク
米利上げ終了:ボストン連銀総裁「これ以上の利上げは必要ない。適度な引締め状態に到達した」 
欧利上げ終了:シュナーベルECB理事「政策金利はより高くから、長く高くへ」
メキシコ利下げ:メキシコ中銀、12月に0.5%利下げか

市況

 円安が止まらない。今週のドル/円は149.08円まで上昇して11カ月ぶりの高値(円の安値)を更新中だ。ただ、この動きは円安というよりもドル高である。FRB(米連邦準備制度理事会)の「長く、高く」政策が背景にあることは確かだが、9月末のドル需要が加速させている部分もある。月末フローが終了したところで調整のドル売り(円買い)が起きる可能性もある。

 2023年192営業日目のドル/円は、前日比「円安」。

 9月26日(火曜)は148.81円でオープン。東京時間昼前にやや下げて148.70円をつけたあと、夕方に149.19円まで上昇して11カ月ぶりの高値を更新した。その後は介入警戒感と金利差を意識したドル買い需要に挟まれてレンジ内の取引となり、終値は149.09円(前日比+0.20円)。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

レジスタンス:
149.19円(09/26)
148.96円(09/25)
148.42円(09/22)

サポート:
148.70円(09/26)
148.24円(09/25)
147.70円(200時間移動平均)

 米国の10年債利回りは、16年ぶりとなる4.56%まで上昇した。5.00%台も時間の問題だ。高金利という逆風のなかでも、米国経済は堅調だ。周りを見回すと、対抗馬だった欧州経済はインフレが高止まりするなかで失速し始め、ECB(欧州中央銀行)の利上げはFRB(米連邦準備制度理事会)についていけなくなった。

 2008年以降、リーマンショック後の世界経済で圧倒的な力を誇っていた中国は、深刻な不動産危機で大ダメージを負い今年の経済成長は米国の経済成長を下回りそうだ。米国例外主義、ドルの一人勝ちだ。

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の為替ウォーキング

今日の一言

「百里を行く者は九十を半(なか)ばとす。」(戦国策)

Stayin' Alive

 インフレ期待とは、物価の行方を人びとがどう見るかの予想だ。「インフレ期待が安定」しているときは、物価の上昇が続かないと予想する人が多く、物価上昇の抑制効果がある。しかし、「インフレ期待が不安定」になると、物価の上昇が続くと考える人が多くなり、買い占めや売り惜しみ、あるいは賃上げ要求といった行動が発生しやすく、現実の物価を押し上げ加速させることになる。

 中央銀行の仕事は、金利を調節することによってインフレ期待を安定させ、物価高との悪循環を防ぐことだ。まさに今、FRB(米連邦準備制度理事会)やECB(欧州中央銀行)が行っていることである。

 FRBは1年間で述べ5%を超える利上げを続けることで、ようやくインフレ率をピーク時の半分まで下げることはできた。それでも、依然としてFRBの目標値2%より高い水準にとどまっている。ここままインフレと利上げのデッドヒートが続けば、いずれかの時点で経済が耐えられなくなり、深刻な景気後退が発生するリスクが高まる。

 FRBは6月のFOMCでは利上げを見送ったが、パウエルFRB議長は、利上げペースを緩めたのであって、利上げサイクルの終了ではないと強調している。FRBが利上げを続けるのは、今を逃してしまうとインフレ期待が暴走してしまうからだ。RBA(豪準備銀行)やカナダ中銀は、インフレが再燃して再利上げに追い込まれている。

世界の中央銀行にとって、インフレ期待の定着は悪夢でしかない。しかし、日銀は何十年もの間、そうなることを望んできたのだ。

日銀は逆にインフレ期待を刺激することに集中している。円安を煽って輸入インフレに火をつけ、日本人に物価上昇を長く経験させることで、インフレ期待を形成させようとしてきた。
そして、ついに日銀はインフレの離陸に成功した。日本の消費者のインフレ期待は急激に上昇している。

今週の注目経済指標

出所:楽天証券作成

今日の重要ブレークアウトレベル

出所:楽天証券作成

コーンチャート分析(ドル/円、ユーロ/円)

出所:楽天証券作成