国内旅行好調で4-6月期に業績急拡大、アウトバウンドの鈍さが懸念材料
現地コード | 銘柄名 |
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09961 |
携程集団 (トリップ・ドットコム) |
株価 | 情報種類 |
304.00HKD |
株価 企業情報 チャート |
オンライン旅行会社、トリップ・ドットコムの2023年4-6月期決算は市場予想を上回った。力強い繰り越し需要や、交通および宿泊予約ビジネスの全面的な復調が寄与した。BOCIは夏休みや連休効果で旅行需要が旺盛な7-9月期も勢いが続くとみる。半面、市場が懸念するのはさまざまな制約を受けたアウトバウンドの回復の遅れ。アウトバウンドへの依存度を考えれば、7-9月期、10-12月期業績に影響する可能性がある。それでも、卓越したコンテンツとコスト管理能力を備えた同社は、業界全体をアウトパフォームする見込み。現在株価に割高感はないとみて、株価の先行きに強気見通しを継続している。
4-6月期は売上高が予想を上回った。売上高は前年同期比180%増の112億元で、コロナ前の2019年同期比では29%増。純利益は6億4,800万元と、市場予想を下回ったが、公正価値の変動(23億5,100万元)を除外した非GAAPベースでは34億元と、市場予想を上回った。コロナ前の19年同期の13億元を大きく超え、四半期別で過去最高を記録している。
4-6月期業績をけん引したのは、国内旅行ビジネスの好調。宿泊予約(2019年同期比60%増)と国内航空券予約(推定同50%増)の伸びが寄与した。夏休みや連休の効果で、7-9月期もこの勢いが続く見込み。同期には利益率を度外視し、市場シェアの拡大を優先させる戦略を取ったが、それでも全体の利益率への影響は限定的となる可能性が高い。
一方、アウトバウンドは短期的に制約を受ける見込み。中国民用航空局(CAAC)は7月下旬、「出国便は年末までにコロナ前の6割まで回復する可能性がある」と発表したが、これは大方の予想を下回る。同社は輸送キャパ面の制約が下期のアウトバウンドの重しとなる可能性に言及しているが、BOCIもこの発表内容は期待外れとの見解。アウトバウンドがコロナ前に復帰するまでには、予想外に時間がかかる可能性を指摘している。
10-12月期には季節要因もあり、売上高と純利益が前四半期を下回る可能性がある。また、景気の減速やアウトバウンドの鈍さを考慮すれば、2024年の増収率は前年比10%台前半となる可能性があり、これは市場予想を下回る。ただ、BOCIは2024年予想PER(株価収益率)18倍に相当する現在株価は、引き続き魅力的な水準にあるとの見方だ。
4-6月期、7-9月期の旺盛な旅行需要やGMV(流通総額)の拡大に伴う今後の営業レバレッジ効果、予想以上のコスト管理実績を反映させる形で、BOCIは2023-25年の非GAAPの予想EPS(1株当たり利益)を33%、10%、4%増額修正、SOTP(サムオブザパーツ)方式に基づく目標株価を引き上げた。修正後の最新目標は2023年と2024年の非GAAP予想PERで25倍、22倍に当たる数字となる。
レーティング面の潜在リスク要因としては、アウトバウンドを中心とする旅行需要の鈍化や、予想外のアウトバウンド関連政策の引き締め、一段の競争激化、シェア拡大に向けたコスト増などの可能性を挙げている。
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