豪華自社食品やカタログギフト名産品で大満足の食品系の優待株!

 株主優待で届くものの中でも、食品メーカーの自社食品・飲料品、カタログギフトの特産品ほど、もらって「うれしい!」と感じる優待は少ないでしょう。

 買物券や食事券、金券も確かにありがたいですが、外出しないと使えなかったり、買物券・食事券以上の金額を出費することになったりするのも事実。

 その点、自社食品優待やカタログギフト優待なら、自宅に居ながらにして余分な出費もせずに楽しめます。

 9月優待ではないですが、全優待株の中でも1、2を争う人気のリース会社・オリックス(8591)のふるさと優待などが典型例でしょう。

 残念ながら、オリックスの優待は来年2024年3月末で廃止されてしまいますが、3月末に100株以上保有で一律、全国津々浦々の特産品から1点選べるカタログギフト優待は優待投資家から大絶賛でした。

 そこで、楽天証券の「株主優待検索」の優待内容「食品・飲料品」「名産・特産品」にチェックを入れて、9月優待から該当銘柄を抽出。

 検索にヒットした110銘柄の中から、お歳暮感覚(届くのが12月以降のことが多い)で自社食品・カタログ特産品が贈呈される9月優待株を厳選しました。

年2回カタログから食品も選べるベネッセHD(9783)の優待が満足度大!

 投資家からの注目度はあまり高くないものの、教育・介護関連のベネッセホールディングス(9783) の優待は、自社グループの商品・サービスから1点選べるカタログ。

 9月末・3月末に100株以上保有で、すてきな食品や雑貨を年2回、楽しむことができます。

 2023年3月末株主に贈られたカタログ では、同社の「こどもちゃれんじ」「進研ゼミ」などの受講費の支払いにも使えるベネッセカード(クレジットカード)のベネッセポイント2,600ポイントなどの他に、

・ベネッセの保育園で毎日の食事に使用している「だしパック うまみのいっぽ」3袋セット
・香川県豊島美術館限定のお菓子「豊島のレモンフィナンシェ」
・香川県産の新鮮なレモンといちごを使用した「ベネッセハウス ジャムセット」

 など、食品や雑貨類からも選ぶことができました。

 優待獲得に必要な最低株数100株の購入に必要な資金は18万1,250円(2023年8月18日終値で計算、以下同)。比較的少額資金で年2回もバラエティ豊かなカタログ商品から選べるのはうれしい限りです。

 同社は増収増益が続いているものの、少子高齢化で成長期待に陰りが出た影響もあり、株価は2023年に入ってから2,000円の大台を割り込んでいます。

 しかし、2024年3月期の予想配当利回りは3.31%と高配当。

 年2回の優待品と高額な株主配当金を受け取りながら、下がり過ぎた株価の反発を待つのもいいでしょう。

2.大和証券グループ本社(8601)

 第2位は証券会社大手の大和証券グループ本社(8601)です。

 優待を獲得するには76万2,900円(1,000株)の高額資金が必要ですが、年2回優待で保有期間に制限もなく、投資資金さえあれば取得しやすい優待です。

 9月・3月末に1,000株保有で、2,000円相当の名産品 、雑貨、ウェブ申込の限定品の中から1点を選ぶことができます。

 名産品の代わりに「会社四季報」1冊などを選ぶことも可能です。

 そのほかに同社グループの私募REIT(リート:不動産投資信託)が運用するホテルの10%割引なども受けられます。

 同社の業績は株式市況に左右される面がありますが、2023年4月以降、好調な日本株取引の恩恵を受け、今期2024年3月期は大幅な増収増益に加えて増配も見込まれ、株価も堅調に推移しています。

 1,000株以上と株数の条件は高いですが、年2回もカレーやハンバーグセット、フルーツゼリーなど2,000円相当の名産品から選べるのでゴージャス気分を満喫できるはずです。

3.日本ハム(2282)

 ハム製品国内最大手の日本ハム(2282)の優待 も、もらいごたえのある自社製品優待です。

 9月末は500株以上・投資金額219万8,000円の高額資金が必要になりますが、3年未満の保有でも自社商品5,000円相当が贈呈されます。

 5,000円相当ともなると、 「鎌倉ハム富岡商会」の熟成布巻ロースハム600gと特選ロースハム380gのセットやお肉セット、産地直送野菜セットなど、選べる商品の豪華さも格段にアップします。

 さらに保有期間3年以上5年未満で7,500円相当、5年以上で1万円相当に増額されます。

 一方、3月末株主は100株保有でも3,000円相当の自社製品がもらえます。

 具体的には同社で人気の ハムギフト「本格派シリーズ」(特選ロースハム380g、焼き豚150gの2本セット)や「レトルト商品セット」(レストラン仕様カレー170g×4袋入り×6個)などから1点選択になります。

 投資金額は約220万円と値が張りますが、頑張って日本ハム株500株を保有できれば、年間2回、5,000円相当の豪勢なハム製品、肉製品が1点選べるので、非常に優雅なお肉ライフを過ごせるでしょう。

 同社は業績が安定した食肉メーカーということもあって、株価は2018年以降、5年近く3,000円台後半から高値5,000円前後でほぼ横ばい推移しています。

 2024年3月期の予想配当利回りは2.55%です。

4.ハウス食品グループ本社(2810)

「バーモントカレー」などカレーを中心にした食品メーカー・ハウス食品グループ本社(2810)

 9月・3月末に100株を半年以上保有していると、グループ製品詰め合わせ1,000円相当などから選択できます。

 半年の継続保有が必要ですが、2023年3月末株主に贈呈された実績 では、「バーモントカレー」やチューブ式の「生にんにく」など製品詰め合わせ5点か、レトルト製品セット、寄付の三つから選べました。

 保有株数が200株(投資金額60万8,200円)以上になると、贈呈される商品が2,000円相当に増額され、コースも製品詰め合わせ、スパイスセットなど計7コースから選択可能となり、ぐっとお得感が増します。

 製品詰め合わせセット1,000円相当に子会社の壱番屋(7630)運営の「カレーハウスCoCo壱番屋」で使えるグループ食事券1,000円分という組み合わせも選択可能です。

 同社はレトルトカレーなど加工食品の値上げ効果で、今期2024年3月期は大幅な増収増益を見込んでいます。

 8月に発表した同第1四半期決算は予想に反して経常減益となり株価が3,000円前後まで急落したこともあって、株価には割安感もあります。

 予想配当利回りは1.51%と低いですが、非常に安定した財務力を背景に今後は増配や自社株買いなど株主還元策の積極化に期待できそうです。

5.日清食品HD(2897)

「カップヌードル」「チキンラーメン」で知られる日清食品ホールディングス(2897)

 株主優待も非常に豪華で、同社のキャラクター「ひよこちゃん」がプリントされたかわいい段ボール箱に自社商品がたくさん詰まった優待が贈られてきたときの満足感は、食品系優待でもNo.1クラスです。

 ただし、同社は好業績が続いて株価が右肩上がりで上昇しているため、100株保有するだけでも121万6,500円もの高額資金が必要になります。

 ある意味「高嶺の花」的な優待になってしまいましたが、楽天証券の単位未満株サービス「かぶミニ」を使って、1株単位でこつこつ買い増し、優待権利が取得できる100株到達をじっくり目指すのもいいでしょう。

 100株保有の場合 、3月末のみ3,000円相当の自社商品詰め合わせが贈呈されます。

 9月末にも優待をもらうためには300株(投資金額364万9,500円)の保有が必要で、9月・3月末の年2回、3,500円相当の自社商品詰め合わせがもらえます。

 日清食品HDの業績は、米国をはじめとした海外売上の伸びが貢献して毎年大幅な増収増益が続き、株主配当も毎年増配されています。

 値上げ効果で業績躍進が続く2023年以降は何度も上場来高値を更新し、ついに100株取得にも120万円以上の投資資金が必要になりました。

 優待目的で同社の株をすでに長期保有している投資家は、豪華な優待や予想利回り1.32%の株主配当に加えて、ほぼ全員が大きな値上がり益を獲得できたといえます。

 ただし、現状は株価が上がり過ぎているため、高値つかみの危険性も。いったん株価が調整するのを待って購入したほうがいいかもしれません。

値上げ浸透で業績好転の優待食品メーカーは株価も上昇中!

 9月優待株の中で食品メーカーを探すと、数多くの企業が保有期間の制限などのない自社商品優待を行っています。

 どの優待もかなりの数量の自社商品が贈られてくるので、食費の節約に役立ちますし、なにより毎年、食品やお菓子が直接贈られてくるのはお中元のようでとてもうれしいことです。

 2023年から2024年にかけて、多くの食品メーカーは商品を値上げすることで原材料費高騰の価格転嫁に成功し、業績が大きく好転しています。

 物価高が進む今、「インフレに強い」ことも優待制度のある食品メーカー株に投資するメリットといえるでしょう。

 食品関連の自社商品優待は、家計節約という意味でも、株価上昇という意味でも頼もしい投資対象といえるのです。

 

自社食品やお菓子が満載の優待品が魅力の9月優待株はたくさんある!

銘柄名 購入金額
(100株)
配当利回り
(2024年3月期の予想値)
優待内容
ダイショ―(2816) 14万200円 1.28% 焼肉のたれや鍋スープをつくる食品メーカー。9月・3月末に100株保有で、1,000円相当の自社製品詰め合わせを贈呈。中身はスープやタレなど、どれも使い勝手のいいものばかり。同社は名店監修の鍋スープや東アジアなど海外販売が好調で今期2024年3月期は大幅な増収増益予想。株価も右肩上がりで上昇中。
名糖産業(2207) 16万3,800円 1.59% チョコレート、バームクーヘンなどが主力の中堅菓子メーカー。9月末に100株保有で1,500円相当の自社グループ商品。200株以上保有の場合、3月末にも2,000円相当の商品が贈呈される。中身は「アルファベットチョコレート」や「果汁30%蒟蒻ゼリー」など。食材高騰を値上げでカバーし業績は安定的に推移しており、株価は1,600~1,700円台で横ばい。
ブルボン(2208) 21万5,200円 1.25% 「ルマンド」「アルフォート」ブランドのビスケットやチョコレートが有名な菓子メーカー大手。9月末に100株を半年以上保有すると、菓子・飲料など1,000円相当の自社商品詰め合わせが贈呈される。原料高を再値上げや生産合理化で克服し、2024年3月期は大幅増益予想。毎年、1円ずつ株主配当を引き上げて増配を続けているのも好感度大。
丸大食品(2288) 16万6,400円
※株主優待は200株から
1.2% 「燻製屋」ブランドのソーセージやパックのハム・ベーコンを販売する食肉大手。9月末に200株(投資金額33万2,800円)以上保有で一律に3,000円相当の自社商品贈呈。2021年度の実績は同社最高級ブランド「煌彩」のロースハム。前2023年3月期は巨額赤字を計上も、今期2024年3月期は8月4日に同第1四半期の大幅黒字転換を発表。通期業績の上振れ期待から株価も上昇中。
紀文食品(2933) 10万7,100円
※株主優待は300株から
1.59% かまぼこやはんぺんなど練り物、総菜関連の食品メーカー。9月末に300株(投資金額32万1,300円)以上保有で同社商品詰め合わせ3,000円相当を贈呈。1,000株以上保有すると5,000円相当の詰め合わせ、おせち商品詰め合わせからの選択制になる。米国など海外で「糖質0g麺」など糖質制限食の売上が好調で、今期2024年3月期は大幅増益予想。1円増配の1株当たり17円配当を予定。株価も底打ち反転中。
※最低購入金額は2023年8月18日の終値で計算。