※このインタビューは2020年3月7日に実施し、2020年3月27日に初回掲載したものです。

 今回は、人気ブログ『元証券ウーマンのお財布事情。』を運営する女性ブロガー、さぶさんにご登場いただきました。現在30代のさぶさんは5年前に結婚。その後、しばらくは浪費生活を送っていたそうですが、お子さんができたのを機に将来のためにお金を貯めようと決意。証券ウーマン時代に培った知識を生かして資産形成に取り組むようになりました。

 そして現在はご自身と同じ子育て世代に向けて、お金にまつわる、さまざまな情報を発信しています。そんなさぶさんに教育資金の貯め方からポイ活の仕方までお話を伺いました。

さぶさんのインスタグラム(sabu_1985)はこちら

夫を「洗脳」し、浪費生活から脱却

──さぶさんはブログ以外にインスタグラムで家計を公開されたりしていて、こちらも18万人以上(インタビュー当時)のフォロワーがいるんですよね。子育て世代の女性にファンが多いとのことです。今日はそんなさぶさんにお金にまつわるお話をたっぷりお伺いしたいと思います。
 まずお聞きしますが、かつてはお金に無頓着で、かなりの浪費家だったらしいですね。

 はい、結婚して子供ができるまではお金を貯めようという意識が全くなかったんです。フルタイム共働きでそれなりに収入はあったかもしれませんが、ほぼすべて使い切っていました(笑)。

──何に使っていたんですか。

 2人とも食べたり飲んだりするのが好きで、週に3、4日は飲み歩いていました。あと、私は洋服が大好きでたくさん買っていましたし、夫は夫でゴルフ、サッカー、スノボーと遊びまくってましたね。

──お子さんができて、そんな生活を改めようと思ったのですか。

 さすがに将来が不安になってきたんです。こんな生活を送っていたら、まともな教育を受けさせられないんじゃないかと。

 それとその頃、貯金がないにもかかわらず、マイホームを購入したんです。フルローンですから、その支払いも大きかったんです。

──まずは何から始めたのですか。

 私は──その頃はもう他の業種に転職していましたが──証券会社に勤めていたこともあって、お金には関心があったし、どうすれば貯められるかなど、ある程度の知識はありました。

 でも、夫は違ったんです。子供ができてもそれまで通りの生活をしていたし。だから、夫の意識を変えるところから始めました。

──自分はお金を貯めたいのにパートナーが意識をあらためてくれないという悩みをもつ女性は少なくないと思います。どうやって意識を変えようとしたのですか。

 単に「節約しろ」とか「お金を貯めろ」といってもたぶん聞く耳をもってもらえないと思いました。だから、今、貯めておかないと将来大変なことになるかもしれないという話をしました。

 10年後、20年後の日本経済も分からないから私たちの収入もどうなるか分からないんだよ、とか、子供の教育費って信じられないくらいかかるんだよ、とか。できるだけ具体的な根拠を示して説得するようにしました。

──危機感をあおって洗脳した、というところでしょうか。

 そうですね。(笑)

証券会社に入社した時、総合職数百人のうち、女性はたった8人。「この金融商品を自分の祖父母に勧められるか」ということを大切にして、新卒1年目で預かり資産5億円を達成したそうです。

目標は高く。教育資金は子供1人につき1,000万円 

──具体的にはどんな節約・貯蓄をしたのですか。

 それまでは夫婦のお財布が別々で、お互いいくら使っているか知らないような状態だったんです。まず、それを1つにして、お小遣い制を導入しました。

──お小遣いはいくらだったのですか。

 月3万円です。私も夫も。

──1回ゴルフに行ったらほとんど残らないですね。

 そうですね。だから、安くプレーできる方法を探したり、いろいろ工夫するようになったようです。

──他に取り入れたことはありますか。

 飲みに行く回数を減らしました。すっぱりやめようかなとも思いましたが、あまり極端なことをしても長続きしないと思い、回数を減らすことにしました。

 あと、2人で外食するときの金額の上限も決めました。昼は2人で1,400円以内、夜は2,800円以内。これだけでも出費はかなり減りました。

──生活を改めて、貯金はできましたか。

 最初の1年で200万円くらい貯まりました。やればできるんだなと思いました。

──ちなみに、何年でいくら貯めようとか、そういう目標を立てたのですか。

 はい。あくまでも教育資金としてですが、2,000万円貯めるのが目標です。

 子供1人1,000万円で、2人で2,000万円。そのときは第1子が生まれたばかりでしたが、すぐに2人目をつくる予定だったので、2人を想定して。実際、2年後に第2子ができました。

──今は児童手当があるので、それも計算に入れてよいのではないですか。

 はい。児童手当は0歳から中学卒業まで支給されますが、その総額が1人200万円ほどになります。だから、実際には1人につき1,000万円から200万円引いた、800万円貯めようと。

──1年で200万円貯めたのですから、余裕で達成できそうですね。

 そうなんですが、教育資金だけじゃなく、将来のための蓄えというか、老後資金というか、そういうものも残しておかなければならない。だから、簡単に貯められるとは思っていませんでした。

──となると、いかに運用するかも大事になってくる、ということでしょうか。

 はい。

──証券会社でのご経験が役立ったのではないですか。

 でも、どう運用するかけっこう悩みました。というのも教育資金の場合、絶対に減らすことはできません。将来、必要なときに元本が半分になっていたら、大学に行かせることすら、難しくなるかもしれませんし。

 増やしたいのはやまやまだけど、リスクは取れない、じゃあ、どうしようという感じでした。

上の子は学資保険、下の子は外貨建て終身保険に加入

──なるほど。悩んだ末、どうされたのですか。

 まず学資保険に加入しました。学資保険は「保険」なので、預貯金のように「年利〇%」というかたちで利率を表すことはできません。一般には「返戻率」という数字を用います。

 ただ、ちょっとわかりにくいので、どのくらいの利回りがあるのかをざっくりいうと、当時は1%くらいありました。運用商品としては魅力のある数字とはいえませんが、銀行に預けておくよりははるかにいいですから、加入することにしました。

──それに「保険」としてのよさがありますよね。

 はい、それが大きいんです。学資保険には親が死亡したとき保険料の支払いが免除されるというメリットがあります。

 万が一、私たちが亡くなって保険料が払えなくなっても、将来、子供には満額支払われるわけです。この魅力は捨てがたいかなと。

──どのくらいのプランに加入したのですか。

 月々の支払いが1万円弱、満期保険金200万円というプランです。先ほど児童手当を除くと1人800万円貯めるのが目標と話しましたが、そのうちの200万円を学資保険でまかなうということです。

──なるほど。下のお子さんも学資保険に入ったのですか。

 いえ、下の子は入っていません。というのも下の子が生まれたときはマイナス金利になっていて、貯蓄商品としての魅力が薄れてしまったんです。

──代わりに何か入ったのですか。

 はい、外貨建て終身保険に入りました。最近は、学資保険の代わりに外貨建て終身保険を選ぶ人がけっこう多いんです。

 これも「貯蓄」と「保険」の両方を満たす商品で、米ドルなど外貨で運用されるため、円建てのものより利回りがよく、人気があります。お子さんを予定されている方は、一度調べてみるといいかもしれません。

──商品性など、メリット・デメリットがあるので、調べるときはよくチェックしてみましょう。
 とはいえ、何となく学資保険に入る人が多いのではないかと思いますが、きちんと世の中の動きを見て、その時代に合った商品を選択することが大事と言えそうです。
 では、次回は、さぶさんが多く保有されている債券についてお伺いします。

教育資金は「インフレに勝てる金利を確保しつつ、いかに減らさないか」を重視するスタンス。必要なポイントを押さえつつも頑張りすぎない投資・運用をしています。

※このインタビューは2020年3月7日に実施し、2020年3月27日に初回掲載したものです。

>>【中編】低リスクで人気!社債の魅力
>>【後編】年間20万円ゲットの「ポイ活」術

▼さぶさんの書籍が発売決定!

元証券ウーマンの資産運用の話 お金が増える「ゆる投資」デビュー(2021年10月01日頃発売)

さぶさんのお金のヒストリー

プライベート お金のトピック 購入した銘柄
2016 ・第一子(女の子)誕生
・マイホーム購入
教育貯金を始める(目標は一人1,000万円)  
2017 ・インスタグラムを始める
・第二子(男の子)誕生
・育休中に貯金と教育資金の仕組みづくり
  ↓
1年間で貯蓄に成功、脱浪費家を果たす

・確定拠出年金の見直し
超積極型・外国株メインのポートフォリオに
・A社社債購入
 ★教育資金
・国内株式投資を始める
 ★家計運用費
・確定拠出年金で外国株に投資
・ポイント積立投資を始める(ひふみプラス、楽天・全米株式インデックス・ファンド)
 
2018 ・ブログを始める
・職場復帰
・引き続き貯蓄も順調
・ポイ活を始める。生活費を浮かせることに成功
・ブログ収入が入り始める
・B社社債購入
 ★教育資金
 2019 ・お料理や時短術、節約術などのインスタ投稿も人気に ・引き続き貯蓄も順調
・ポイ活で生活費を浮かせた分で米国株投資を始める
 ・A社社債追加購入
 ★教育資金
2020   ・車のローンを完済!
・1月、1カ月の貯蓄率44%を達成
 

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