2023年7月の保有額:20万1,245円
7月は株価が微増、為替は上下に動く展開となりました。日銀(日本銀行)の*YCC修正当日は、ハイボラティリティ(株価の変動割合が大きい状態)となり、悲喜こもごもの展開に。
保有投資信託の7月の運用益÷前月末残高の月間騰落率は+3.69%、連載開始からのトータルリターンは+36.59%です。eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)の前月比は+1.68%、同期間のトータル+20.80%でしたので、前月・通算のどちらも上回っています。
米国CPI(消費者物価指数)とPPI(生産者物価指数)の差は現在、過去最高水準となっています。過去のケースを見ると、乖離(かいり)幅が拡大した後は株価が上昇する傾向にあります。
また、S&P500(S&P500種指数)は5カ月連続で上昇となりました。2000年以降、これが起こった1年後には、平均10%上昇し、勝率も11勝1敗と高勝率となっています。
さらに、インフレ率がピークから5%以上下落した時は、S&P500は3カ月後・6カ月後・1年後のいずれも、ほぼ上昇しています。
以上を総合して考慮すると、季節特性(シーズナリティ)では8~9月は軟調な傾向ですが、10月~来年春にかけては株価上昇が期待できると考えます。
*YCC…イールドカーブ・コントロール。イールドカーブ(利回り曲線)をコントロールする、という意味で、日本語では「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」という。長期および短期の金利を操作し、景気を意図的に刺激するための、国家的な金融施策を指す。日銀総裁に植田和男氏が就任してから、日銀が国債購入額を変動させ、10年国債利回りの目標値を柔軟に変更し始めたため、昨今、金融市場での指標や話題の一つになっている。
2023年7月時点の、エリア別ポートフォリオを解説!
7月は主に全世界株に投資する投資信託を購入。また、日本の鉄鋼株が底打ちし始めた感があったので、鉄鋼株メインの投資信託を買いました。中国株も底打ちし始めたので、今後は米国株一本足打法より、全世界株が無難かなと考えています。当連載のポートフォリオを、世界株指数と比較すると、米国・日本・インドの保有比率が高く、来年まで基本的にこのまま行く予定です。
国別としては、経済低迷を打開しようと、経済政策・金融政策に力を入れ始めたと報道ベースでは見受けられる中国が反発しています。2022年はグローバル投資家にとってはネガティブなニュースが多かったのですが、2023年後半は意外なアウトパフォーム(収益率が上回る)の可能性もあるので注視します。
2023年7月時点の、タイプ別ポートフォリオを解説!
これまではレバレッジ型投資信託の保有割合が高めでしたが、8~9月は株価が軟調な傾向となっているので、無難にレバレッジ型→スタンダードタイプへとスイッチングしました。ただし、*「押し目待ちに押し目なし」という展開になる可能性もあるので、現金に戻すのではなく、株式投信でほぼフルインベストメントの状態をキープしています。また、日本の鉄鋼関連バリュー投信を新たに購入しました。業績予想を見ると、保守的で悪い想定を盛り込んでいる感があり、上方修正されるのではないかとの可能性を想定しています。
*「押し目待ちに押し目なし」…押し目=上昇中の相場や株価の一時的な下落を狙って買いを入れること。ただし、押し目の機会を待っていても、下落せずなかなか、買いを入れるチャンスがないという意味の投資格言。
2023年7月の保有投資信託~騰落率ベスト10
2023年7月1~31日までに、新たに購入した投資信託のうち、*騰落率ランキングをご紹介します。NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)は、国債や社債以外の株式、投資信託、ETF(上場投資信託)、REIT(リート:不動産投資信託)など、全て購入できるので、[つみたてNISA]で購入できるもの、[iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)]で購入できるものに、それぞれマークを付けています。ご参考ください!
*騰落率:投資信託が、一定期間内にどれだけ値上がり・値下がりしたかを知るために、価格の変化率を計算したもの。
1位:iFreeレバレッジ ATMX+
騰落率:34.44%
どんなファンド?:日々の値動きがFactSet ATMX+指数の2倍程度のレバレッジ投信で、為替ヘッジがあります。
組み入れ上位銘柄は、リ・オート(中国新興EVメーカーの「御三家」の一つ)、バイドゥ(中国で最大の検索エンジンを提供するIT大手)、ネットイース(オンラインサービスを提供するIT企業。ゲームでは中国第2位のシェア)、NIO(中国の新興EVメーカーの「御三家」の一つ)、JD.com(中国EC市場シェア2位のWebサービス会社)、シャオミ(スマホメーカーとして創業、現在は総合家電メーカー)、テンセント(中国テクノロジー企業)、アリババ、Trip.com(米国の企業を中国が買収し、ホテルや航空券の予約サービスを行う企業)、メイチュアン(「食と生活」に関するサービスをスマホアプリ上で提供する新興IT企業)です。
まつのすけコメント:中国の政権によるIT企業への締め付けが、ついに終了するという観測が浮上しているからか、中国のテック企業の株価が大きく上昇しました。経済停滞の打開が重要な課題として浮上しており、また金融政策の方向性は引き締めではなく、むしろ緩和方向なのも追い風です。
2位:iFreeNEXT ATMX+
騰落率:14.37%
どんなファンド?:「ATMX+インデックス・マザーファンド」を通じて、香港の株式(DR[預託証券]を含む)に投資し、投資成果を「FactSet ATMX+指数(円ベース)」の動きに連動させることを目指して運用するインデックス投信です。為替ヘッジはないので、円安になると基準価額の上昇に寄与し、円高だと逆になります。組み入れ銘柄は1位のレバレッジ型投信と同様です。
まつのすけコメント:レバレッジなしのATMX+連動投信も高パフォーマンスでした。ただし、為替は円高となり、その分がマイナスとなっています。日銀のYCC修正後は一時的に円高になったものの、その後円安になっており、今後に注目です。
騰落率:9.67%
どんなファンド?:日々の基準価額の値動きがNASDAQ-100指数(米ドルベース)の2倍程度となることを目指している投資信託です。為替ヘッジがあり、為替の影響は受けません。
組み入れ上位銘柄は、マイクロソフト、アップル、Amazon.com、エヌビディア(半導体大手)、メタプラットフォームズ(Facebook・Instagram・Threadsなど)、アルファベット(Google・YouTubeなど)、ブロードコム、ペプシコです。
まつのすけコメント:情報技術のテクノロジー企業を中心とした100銘柄に分散投資できます。為替ヘッジありなので、円高になった場合はなしの投信よりプラスです。8~9月のテクノロジー企業は、軟調になる年も目立ち、今年も上昇一服となる可能性はありますが、来年春にかけては上昇を期待できると考えています。
騰落率:9.04%
どんなファンド?:日々の基準価額の値動きがNYSE FANG+指数(米ドルベース)の2倍程度となるように運用を行う投資信託です。為替ヘッジありです。組み入れ銘柄は、アップル、Amazon.com、メタプラットフォームズ、アルファベット、ネットフリックス、エヌビディア、テスラ、マイクロソフト、AMD(半導体大手)、スノーフレイク(データクラウドなど)です。
まつのすけコメント:NYSE FANG+指数は10銘柄に等金額で投資するのが特徴のインデックスで、数十銘柄に分散投資するのが多い投資信託としては、ユニークなタイプです。メガテックへの集中投資が可能です。
騰落率:7.70%
どんなファンド?:日々の基準価額の値動きがS&P500(米ドルベース)の2倍程度となることを目指している投資信託です。為替ヘッジ付きとなり、有名な株価指数であるS&P500の値動きに対して、日々2倍となるのが基本です。ドル/円の変動は無関係となります。
まつのすけコメント:組み入れ上位銘柄は、アップル、マイクロソフト、Amazon.com、エヌビディア、アルファベット、テスラ、メタプラットフォームズ、バークシャー・ハサウェイ(投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェットが会長兼CEOを務める機関投資家)、ユナイテッドヘルス・グループ(ヘルスケア製品や医療保険サービスの大手)です。米国を代表する企業に分散投資でき、NASDAQ-100よりも幅広い業種をカバーしています。
6位以下はリストのみ
6位:ベトナム・ロータス・ファンド(ロータス)
7位:Tracers グローバル2倍株(地球コンプリート)
8位:DIAMベトナム株式ファンド(ベトナムでフォー)
9位:ベトナム成長株インカムファンド
10位:イーストスプリング・ジャパン中小型厳選バリュー株ファンド
まつのすけ、今月の注目銘柄!
銘柄名 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
どんなファンド?:MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)の動きに連動するインデックス投信です。為替ヘッジはなく、円安になると好影響、円高は悪影響となります。
注目ポイント!:世界中の企業に幅広く分散投資でき、人気を博しています。資産運用はこの投資信託1本のみという個人投資家もいらっしゃいます。今年は米国の時価総額が高いメガテックが絶好調だったので、米国株指数と比較すると見劣りしていました。
ただ、足元では中国株が底打ちし始めており、パフォーマンスが良い日本株やインド株も組み入れられていますので、今年後半に注目です。組み入れ上位銘柄は、アップル、マイクロソフト、Amazon.com、エヌビディア、テスラ、アルファベット、メタプラットフォームズ、台湾セミコンダクター、ユナイテッドヘルス・グループです。
まつのすけ、今月のがっかり
7月27日・28日の日銀金融政策決定会合では、YCCの修正があるか否かで大きな注目を集めました。個人的には修正はないと考えていましたが、実際には修正があり、大外しとなったのが残念です。ただし、株価は一時的に大きく下落したものの、切り返して堅調だったので、それはよかったです。
2024年半ばからは日本もいよいよ正式な利上げ・マイナス金利の解除があり、政策金利は▲0.1%→±0%→+0.25%と向かう可能性があるので、今後も日銀の金融政策決定会合には要注意です。
7月のポイ活実績:6万1,876ポイント
7月は楽天証券で296ポイント、楽天銀行ハッピープログラムの楽天証券お取引分で286ポイントを獲得しました。合計582円相当というのは、着実にうれしい還元となります。
証券取引で楽天ポイント還元を受けられるのが、楽天グループのネット証券ならではのメリットです。
また、日・月曜日は楽天ペイの日で、オンライン決済が最大3%還元でした。このような企画を利用すると効率的に楽天ポイントを得られます。
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