※この記事は2019年4月3日に掲載されたものです。

資産50億円超!金融機関を使い分ける【ご指名型富裕層】の投資術!

 今回は、士業の「E原E之先生」の、得意な分野ごとに取引金融機関を振り分ける投資法を紹介します。総資産は50億円超。運用資産約20億円を10年間で30億円にまで増やした、E先生の財産管理術とは?

金融機関ごとに強みを把握!最善のパートナーを選ぶ

 富裕層のもとには、ひっきりなしに金融機関の担当者からさまざまな投資提案が舞い込みます。預かり資産を他社に持っていかれないよう、必死な営業攻勢をかけてきますが、ロットが大きくて高収益が狙える提案となると、各社とも提案内容はある程度似てきます。選択肢は多いように見えて実は少ないのです。

 E先生は、まとまった資金を、超富裕層定番の「外貨建て劣後債券」や「仕組債」の類と「投資信託」で運用。ユニークな点は、金融機関ごとに最も得意な商品分野を把握し、A証券は仕組債、B金融機関は外国債券、C証券は投資信託、というように使い分けています。

 E先生は、それぞれの選択理由を、こう説明しました。「機関投資家も多く取引するような劣後債などは、金融機関が在庫を持たずに相対で市場から直接調達するから、やはり欧米のメジャープレーヤーが圧倒的に強いよね。仕組債も同じような傾向はあるけれど日系大手も強い。加えて仕組債は担当者のセンスもかなり重要かな。大手証券会社は人も多いし手広くなんでもやっているから、投資信託は国内大手で取引するのが最適だね」。

 E先生の言うとおり、金融機関ごとに強い分野には、確かに明確な差があります。E先生は、そこをしっかりと把握していたため、金融機関担当者からの営業攻勢に流されず、商品ごとに強みのある金融機関をご指名し、資産運用しているのです。

任された担当者の意欲もアップ!10年間で10億円の利益に!

 E先生の選択眼を元に、各商品に強い金融機関を具体的に見てみましょう。

【外貨建て社債、劣後債などのハイブリッド証券、事業債】
在庫をあまり持たない外資系金融機関が強い傾向。金融機関の相対取引で仕入れるため、グローバルメジャープレーヤーである外資系金融機関が独壇場
【仕組債】
発行体となって債券を組成するアレンジャーと販売側の証券会社の関係で、多少、条件に差が出ることがある。多数のアレンジャーと太いパイプを持つ国内外大手証券会社はコンペ形式でベストプライスを入手できるケースがあるため、強い傾向
【投資信託】
商品ラインナップ数でみれば国内系大手証券会社が最多。ただし、今やインターネット証券でも各社の投資信託を取り扱っているため、取扱数だけでは大手証券会社の優位性はない。商品で差別化しにくいのであれば担当者のフォローの質やセンスを重視して決めるのが◎。外資系は取扱数が少ないが、独自の外国籍投信を扱っているケースもあり、要チェック。

 E先生のシビアでロジカルな選択眼は、提案に訪れる金融機関の担当者にも一目置かれていました。信頼されて任された各社の担当者のモチベーションも高まり、とても良い信頼関係を築いていたのも印象的でした。最近では、自身で売買するインターネットを使った取引を増やすため、インターネット証券各社の強みを研究中です。

 こうしてE先生は、20億円の資産を10年間で30億円にまで、最大効率で増やすことができたのです。

真似できる!富裕層投資戦略

 E先生の投資の極意をまとめると、以下のようなものになります。

  資産運用には、商品の選択も重要ですが、パートナーとなる金融機関や担当者を選ぶところにもこだわるのがE先生の極意。市況だけでなく、インターネット証券会社の動向など、最新の業界動向もチェックし、全方位から自分の資産運用を考える視野の広さは、ぜひ見習いたいものです。