今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは141.20

 ↓下値メドは139.60 

生活の豊かさ:GDPと経済的な幸福を同一視する時代は終わった。効率化により生活水準が向上した経済では、投資が減少しGDPが低下する
WFH:多国籍企業の約半数が、数年以内にオフィススペースを半減する計画
WFH:英国では44%が在宅勤務
米経済:ハードランディングは不可避、FRBは来年、大幅かつ急速な利下げに追い込まれる
豪:RBAは8月に追加利上げを検討  

市況

 FOMC(米連邦公開市場委員会)は今回7月の会合で、政策金利を0.25%引き上げて5.25%~5.50%とすることを決定したが、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は、年内にもう1回の利上げの可能性については明言を避けた。

 7月26日(水曜)のドル/円は、前日比「円高」。24時間の値幅は1.27円。 

 2023年148営業日目は140.98円からスタート。高値は3日連続切り下がり中で、この日は東京時間昼前につけた141.19円で止まる。 海外市場では140円半ばでの取引が続いた。

 FOMCはこの日、0.25%の利上げを実施して政策金利を5.25-5.50%に引き上げた。ただしパウエルFRB議長が今後の利上げについて慎重な考えを示したことで、利上げは今回で打ち止めとの観測が広がるなかで、明け方に安値139.92円まで円高に動いた。

 先週末、日銀にまつわる観測記事で円安に動いた分をほぼ消す動きとなったが、ECB(欧州中央銀行)と日銀の会合が控えていることで一方的な円高に進むこともなく、終値は140円台に戻して、140.24円(前日比▲0.70円)。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

レジスタンス:
141.19円(07/26)
141.73円(07/25)
141.83円(07/24)

サポート:
140.05円(200時間移動平均)
139.92円(07/26)
139.74円(07/21)
139.11円(07/20)

 今夜(27日)はECB、金曜日には日銀が政策金利を発表する。ECBは、6月の理事会で0.25%の利上げを決定した。これはECBにとって8会合連続の利上げでリファイナンス金利は3.75%から4.00%に、デポ金利は3.25%から3.50%に引き上げられた。デポ金利は22年ぶりの高水準となった。

 ECBは、成長予想を引き下げる一方で、2024年のコアインフレの見通しを3.0%に大幅に上方修正した。インフレ高止まりを理由に、ECBは9月まで利上げを継続して、デポ金利の終着レートは4.00%まで高くなるとマーケットは予想している。

 ECBは今回に続き次回9月も利上げを行う考えだ。しかし、金融引き締めの影響で欧州の景気見通しは急速に悪化している。銀行の貸し出し基準は引き上げられ、企業の融資需要も低迷。ECBのタカ派からも今後の利上げに消極的な意見が出始めている。

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の為替ウォーキング

今日の一言

「私は天才ではない。ただ人より長く一つのことと付き合ってきただけです。」-アインシュタイン

Pamela

 FRBには慣性の法則が働いている。2年前のFOMCは、インフレが一過性でないことが明らかになった後も「一過性」モードから抜け出せなかった。そして現在は「より高く、より長く」モードから抜け出せずにいる。「今後の利上げについては、経済指標の結果を踏まえて判断する」とパウエルFRB議長が述べているように、FRBは金融政策の判断を経済データに極端に依存するようになった。

 経済サイクルの初期においてこれは良い戦略であるが、サイクル後期には過ちを犯しやすい悪い戦略となる。経済データは、常に過去を振り返るものであり、現在との時間差の発生が必ず起こる。将来を見据える金融政策との相性が非常に悪いのだ。

 FRBは過去に、利上げ開始を急ぎすぎてインフレ目標達成に何度も失敗したという苦い経験がある。それで利上げをためらっているうちに、インフレが目標値の4倍の8.0%まで暴騰するのを許してしまった。

 ところが、今のFRBは「1970年代の過ちを繰り返してはいけない」と口にする。その当時、FRBが利上げを早めに終了したせいで、インフレが再発するのを許してしまった。このときのトラウマで、FRBは利下げに踏み出す勇気がないのだ。

 日銀もまた、過去の声明にとらわれている。10年前に政府と日銀が合意した、「2%の物価安定目標」をできるだけ早期に実現することを目指すという共同声明のせいで、日銀は緩和政策から抜け出すことができずにいる。東京都区部の物価が1981年以来約42年ぶりの上昇を記録しても、まだ「ためらわず一段の緩和を行う」と繰り返す。

 日銀の緩和政策に対する圧力は高まっている。企業経営者や学識者による政策提言団体である令和臨調は、日銀が2%物価目標を早期実現ではなく長期的な目標に切り替えることで、異次元緩和政策を修正するべきとした。提言にはさらに、金利機能の回復と国債市場の正常化、市場との対話の強化なども盛り込まれた。しかし、共同宣言そのものが、日銀の独立性を脅かしているとの指摘もある。

今週の注目経済指標

今日の注目テクニカルレベル

出所:楽天証券作成

ヒートマップ分析(円ベース、ドルベース)

出所:楽天証券作成
出所:楽天証券作成