2023年通期の売上見通しを下方修正、下期の新規事業開発が注目ポイントに

現地コード 銘柄名
01177

中国生物製薬

(シノ・バイオファーマ)

株価 情報種類

3.42HKD
(7/13現在)

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 中国の総合医薬品メーカー、中国生物製薬はこのほど、ビジネス情報をアップデートし、2023年12月通期の売り上げ見通しを「前年比2桁増」から「1桁台後半の伸び」に下方修正した。コロナ規制解除後の1-3月期の感染急増によるもので、BOCIは2023年上期と下期について、それぞれ前年同期比2.4%、12.7%の増収を予想し、通期では前年比7.3%増を見込む。一方、コスト管理と効率化に向けた同社の努力を理由に、売上高販管費率は低下するとみているが、その半面、英バイオ医薬品会社F-スター・セラピューティクスの買収に伴う研究開発費の増大が2023年通期の利益率に影響するとの見方。予想売上高より、予想純利益を大幅に減額修正した。12カ月目標株価を引き下げながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 同社は2023年の増収見通しを2桁から1桁台後半に下方修正したが、これは1-3月期のコロナ感染の急増による混乱が、特に抗がん剤事業に響いたため。主力製品アンロチニブの販売が悪化したという。ただ、経営陣は4-6月期には潜在需要が解放され、上期にプラス成長を確保するとの見方。通期の売上高に関して以下の見通しを示している。◇アンロチニブの売上高が前年の約40億元から増える、◇肝臓病薬「天晴甘美」の売上高が前年の約25億元から30億元に増える、◇2023年5月に承認された「億立舒(Yilishu)」の売上高が3億-4億元に達する、◇ベバシズマブ、リツキシマブ、アダリムマブのバイオシミラーの売上高は計2億-3億元、◇ジェネリック薬2種の売上高が5億元に上る。

 一方、BD(ビジネス・デベロップメント:新事業の開発)の分野では、上期中に以下の三つの案件をめぐって契約を完了した。◇江蘇普莱医薬生物技術からのライセンス導入となる「PL-5」(2025年に発売予定でピーク売上高は推定20億元)、◇山東博安生物技術(06955)からの導入となるデノスマブのバイオシミラー「博優倍(Boyoubei)」(ピーク売上高は推定8億-10億元)、◇杭州鴻運華寧生物医薬からの導入となる「GMA106」(GIPR/GLP-1R)。経営陣は下期に、さらに二つの契約の締結を見込む。外科手術や後期治療用の製品など、オンコロジー(腫瘍・がん)以外の領域に焦点を当てるという。

 BOCIはアンロチニブ、「億立舒」、バイオシミラーに関する収入見通しの下方修正を受け、2023-25年の予想売上高を引き下げた。また、通期の売上高販管費比率を小幅に引き上げる半面、英F-スターの買収や創薬分野へのシフトに伴う研究開発費の増大を予想。DCF(ディスカウントキャッシュフロー)方式をベースとする目標株価を引き下げた上で、株価の先行きに対して強気見通しを据え置いた。

 レーティング面の潜在リスク要因としてはジェネリック薬のパイプライン(製品候補群)の立ち上げの遅れや、医薬品の集中調達制度に起因するジェネリックの価格下落、主力製品分野での競争激化などの可能性を挙げている。