※この記事は2021年8月9日に掲載されたものです。
みなさん、こんにちは。
富裕層の方々が大きく資産をふくらませるには、やはり株式投資(起業などによる事業への投資を含む)が必要ということを、過去にも連載・億の世界を覗いてみよう!富裕層に学ぶ「財産の築き方」で述べましたが、成功した方はそれなりにリスクを取ってきた方です。
その投資手法も考え方もさまざまですが、どの方もしっかりした考え方や自分なりの投資哲学、投資のルールを持っていました。そして、お人柄もユニークな方が多いようです。
そのような方々が普段どのような生活をされているのか、成功してリタイアした後は何をされているのか、興味をお持ちの読者の皆さまも多いかと思います。
そこで今回も、私が実際に担当してきた富裕層の方にスポットを当て、これまでとは別の角度からその素顔を紹介してみたいと思います。
超富裕層のセカンドライフ1:ハワイと日本で悠々自適生活
まずお一人目は、一代で築いた会社を57歳で大手金融グループに売却し、手にした多額の資産(現金で30億円)を元に、ハワイと日本を往復しながら悠々自適のセカンドライフを送るK様です。
元々は会社員として就職をしましたが、30歳半ばで不動産仲介業をイチから起こし、不動産管理業、保険事業と順調に拡大し、上場こそしませんでしたが社員数100名ほどの会社に成長し、最終的には大阪を代表するオフィスビルに本社を構えるに至っていました。
ただK様は事業をお子様に引き継ぐお考えは元々なかったようで、社員として入社はしていたものの、役職に取り立てるといった特別扱いもせず、K様は60歳までには事業オーナーとしての区切りをつけてセカンドライフをゆっくり過ごしたい希望をお持ちでした。
そんなK様は大の海好きです。会社の売却がまとまり、経営の引継ぎを終えるとさっそくハワイに旅立たれました。目的はハワイの不動産購入です。現地のエージェントを通して実際に足を運び、1億5,000万円相当ほどの物件を購入されていました。
日本では大阪の一等地のタワーマンションにご夫婦二人で住んでおり、普段はマンション併設のジムで軽く汗を流したり、親しい友人と夕食を楽しんだりしておられます。決して派手な生活ではありませんが、好きなことには余裕を持って楽しむ、そんなスタンスが紳士的です。
リタイア後の仕事は、会社の売却代金を元に建てた賃貸マンションの運営管理です。専用の資産管理会社を立ち上げ、借入でさらにレバレッジをかけ、ご自身で選りすぐった土地を購入してはマンションを建て、現在は自社ブランドで20棟ほど保有していています。
ここ数年の不動産価格上昇の流れもあって、マンションのポートフォリオも随時見直しており、最近は仕入れに苦労するとのコメントもありましたが、本業と趣味を兼ねての不動産投資運用なのでそこは余裕を持ってポートフォリオを維持、十分な賃料収入のキャッシュフローを確保しています。
こだわりのロゴがマンションに映えていますので、見かけるたびに私もうれしくなります。
自宅から歩いて10分ほどのオフィスには健康のため毎日徒歩で通い、月に1~2週間はハワイか沖縄滞在を楽しんでいるK様。奥様とゴルフを楽しむ夫婦仲むつまじいK様は、コロナ禍では旅行の頻度が減ってしまったことが残念とのことですが、あわてず余裕を持って今日も、ラグジュアリーなセカンドライフを送っておられます。
超富裕層のセカンドライフ2:生活はいたって質素でも、資産200億円超を運用
お二人目は世界を股に掛ける国際分散投資家のM様です。
実はM様については、その個人投資家のレベルを超えた資産運用について過去のコラムで紹介したことがあります。元々、家業の販売業を継いだM様は、役員就任時にはすでに上場企業となっており、40歳ほどで東証1部上場企業の社長となりました。
その後、インターネットやメディアを活用して事業はさらに拡大、今でも多くの方の記憶にある有名なテレビコマーシャルもそのころ、流れていました。そして、M様が45歳くらいの頃に別の上場企業に会社を売却。M様創業家は経営から身を引くことになり、そこからざっと200億円相当以上の資産を運用管理する投資家に転身されました。
そんなM様の日常はどのようなものなのでしょうか。
実はこれほどの資産をお持ちでも、M様の生活はいたって質素です。
大阪の中心地から離れた郊外に、昔からの日本家屋の一軒家を構えておられますが、移動は基本、電車です。身に着けられるものは品よく手入れがよくされていますが、特にハイブランドに身を固めるといったこともありません。近所のラーメン屋やお好み焼き屋さんで私もお昼をごちそうになったこともあります。
お酒も飲まず、ゴルフもされないM様ですが、資産運用になると、さすが元上場企業の経営者です。その行動力や決断力で、世界の名だたる金融機関と取引を持ち、有力な人脈を築き、ビジネスとしての資産運用をとてもシビアに行っています。
まず、M様のビジネスの拠点はシンガポールです。世界的な分散投資を行うためにその資産の大半を米ドルで保有し、世界の金融機関からの情報が集まるシンガポールを中心に活動します。
その主な取引先はスイスや米国のプライベートバンクです。日本とは違い、彼らは基本的に一任勘定契約です。投資哲学や運用方針もそれぞれチームやファンドマネジャーごとに差がありますので、M氏は常に複数の契約に分散させ、3カ月ごとのパフォーマンスをみて契約を見直していきます。
そのために3カ月ごとに欧米を回り、マネジャーとの打ち合わせ旅行を行います。投資先こそ、私たちになじみのある個別銘柄の株式やETF(上場投資信託)、外国籍の投資信託ですが、お客さまと金融機関の付き合い方が日本とはまったく違い、彼らはセールス担当者という、よきビジネスパートナーといった感じでした。
また、不動産投資では、英国を中心とした欧州でポートフォリオを組んでおられました。地震が少なく、古い建物を大切にずっと使う欧州の不動産は長期投資に適しているそうです。海外不動産といえば私たちにはハワイやシンガポール、ニュージーランドなどになじみがありますが、M様はまた違う視点で投資用不動産を見ておられました。
一方で、M様は幅広い人脈を生かして飲食店などのビジネスにも進出していました。こちらはやはり成長著しいアジアで行っていました。お店にも現地視察で行きますからM様は本当に多忙です。日本にいる間はもっぱら世界から送られてくる運用データなどの分析に充てられていました。
このように紹介しますと仕事一色に見えますが、M様は非常に歴史や芸術にも造詣が深い文化人でもありました。おっしゃるには、海外の金融機関の方もさまざまな歴史や芸術といった分野に詳しく、話し好きでもあるので、世界を回るたびに投資以外でも新鮮で興味深い話を聞けて、自然に知識が増えていくそうです。
莫大(ばくだい)なファミリーの資産を守っていかねばならない重責を日々負いながらも、旺盛な知識欲と行動力で資産運用を行うM様は、今後も堅実な国際分散投資を続けていかれるのでしょう。
超富裕層のセカンドライフ番外編:皆が憧れるエグゼクティブの城で超リッチ生活
3人目はまだリタイアはしていませんが、30代前半で財を成し、驚がくの生活を送る若き実業家のS様をご紹介します。
S様のご実家は商売をされていますが、S様は20代の頃にいわゆるフリーターで稼いだ資金を元に海外を旅したりインターネット事業に興味を持って勉強したりして過ごしておられました。その後、ウェブ制作会社を立ち上げた後、ネットや紙媒体での広告事業で大成功を収めました。
驚くべきはその生活ぶりです。縁あってお会いした際は自宅に訪問したのですが、厳重なセキュリティーに守られたタワーマンションのエントランスをくぐり抜けてエレベーターを乗り換え、格調高いホテルの中のようなたたずまいの玄関にようやくたどり着きました。
すると出迎えてくれたS様は、しわ一つない洗い立ての真っ白なワイシャツに一目で高級と分かる鮮やかなブルーのスーツ、きれいに整えられた短髪は豊かなゴールド色、端正な長身から発せられる凛としたオーラに圧倒されたことを覚えています。
それだけではありません。玄関に入るや、まず目に飛び込んできたのは、6畳はあろうかと思う広い空間に敷き詰められた、つやつやに輝く白い大理石の床、わずかにのぞいていた横のシューズルームには壁3面にわたって飾られた革靴たち、そして何よりも驚いたのは某有名ハイブランドの海外本店の玄関扉を再現した、リビングに通じる巨大な重厚な観音開きの黒い木製の扉でした。3メートルほどの高い天井までそびえ立つ重厚な扉は圧巻です。
磨き上げられたゴールドの大きな取っ手で重い扉を開くと、そこに広がるのは、30畳は優に超すであろう、白で統一された極上のリビング空間です。天井は折り上げられさらに高くなっており、壁一面は全面ガラスでこの上ない眺望が広がり、横には大理石とシルバーを基調にした特注のキッチンが来客を迎えるようにありました。まるで高級ホテルのバーのような造りです。
ソファーやダイニングテーブルもあらゆるものがオーナーのこだわりで、すっきりシンプルながらも、厳かでまとまりのある高級感を主張しており、まさにエグゼクティブの城といった雰囲気でした。聞けば、あえて最上階の一つ下を選ぶのが最も快適だそうです。
今のような不動産価格高騰前の新築時に2億円ほどで購入した部屋に、1年で1億円以上かけて、完全改装してから入居したそうです。
また、夜の社交界であるお店では知らない人はいないほど有名だそうですが、夜型の生活にもかかわらず、午前中に人と会う際には完ぺきな身だしなみで迎えるS様に、成功者たる方のお人柄に触れた思いでした。
ビジネスで表舞台に立つことはないので、素性が知られる方ではないですが、このような方は、ゆくゆくはシンガポールなどのアジアに渡り、若くしてリタイアしたり、新たにグローバルなビジネスを起こしたりするのでしょうか。
共通するのは「強いこだわり」
いかがでしたでしょうか。今回は文字量制限の都合で3人の成功者をご紹介しましたが、共通して感じることは、身に着けるモノやご自身が関わるあらゆるモノに強いこだわりと意志を感じる、ということです。
ぶれない資産運用への考え方というものを過去にご紹介しましたが、生き方そのものに、その方の人生哲学といったものが通じている気がしています。
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