EV化の波を受けライフスタイルサービス事業者に転身へ、ロードマップ策定
現地コード | 銘柄名 |
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00881 |
中升集団 (ジョンシェン・グループ) |
株価 | 情報種類 |
29.50HKD |
株価 企業情報 チャート |
中国の自動車ディーラー大手、中升集団はこのほど開催したIRイベントで、業界のEV(電気自動車)化の波を受けたビジネス形態のシフトに向け、ロードマップを示した。BOCIは強力なブランド育成力や膨大な顧客基盤、循環型のシナジーを活用し、中古車販売業務とアフターセールス業務の長期成長に向けた準備を整えたと評価している。ただ半面、「自動車ライフスタイルサービス・プロバイダー」としての同社の長期投資価値はまだ、広範には認知されていないとし、2023年予想PER(株価収益率)12倍をベースに目標株価を引き下げた。株価の先行きに対しては強気見通しを継続している。
新車販売業務は、国内市場全体の不振を受けて低調。主力のメルセデスベンツ、BMW、アウディの小売販売台数は前年同期比3-8%増と健闘したが、レクサスが1-4月に30%近く減少。BOCIはその結果、新車全体で1-5月に1桁減少したとみる。半面、中古車販売は5月に過去最高を記録しており、通期目標の18万台は達成可能としている。
一方、長期成長に向けた焦点はサービス分野のブランド育成と新車販売以外のビジネスにある。同社の顧客基盤は国内最大規模(利用者総数765万人、アクティブユーザー354万人)。30を超える集中サービスセンターと複数のデジタルツールを活用して、ブランドの浸透と顧客基盤の拡大を進める。BOCIは同社の革新的かつ効率的な事業構造を理由に、中古車、アフターセールス事業の成長潜在力で他社を上回ると評価している。
中国で急速に存在感を増すEVの場合、メンテナンス需要は限定的だが、同社はボディの修復やスプレーサービスなどの新たなニーズの先行きを楽観視している。BOCIは自前の集中ボディスプレー工場(CBS)の設立がアフターセールス事業の変革のカギになるとの見方。CBS業務では江蘇省南京市で、BYD(01211)や長城汽車(02333)などの国内有力メーカーと提携したことに注目している。また、スプレーサービス(粗利益率50-60%)のウエートの拡大は同社全体の利益率の改善につながる見通しという。
中古車販売事業も成長余力が大きい。経営陣は中長期的に、中古車対新車の販売比率を1.0(2022年は0.3)に引き上げる計画。中古車市場が2025年に1兆1,000億元規模を超えると予想。長期的に、中古車事業が最大の利益成長エンジンとなる見通しを示している。
BOCIは新車販売台数の減少を反映し、2023-24年の予想売上高を4-5%下方修正。マージンの回復の遅れを理由に、予想純利益を約10%引き下げ、73億元、82億元に設定した。また、目標株価の算出基準を2023年予想PER15倍から同12倍に下方修正し、目標株価を引き下げた。ただ、EV化の流れの中、自社が扱う主力ブランドがたとえ苦戦しても、ビジネスの変革や成長戦略の実行力において、同社ははるかに同業他社の先をいくとの見方。新エネルギー車時代において、同社は新エネ車サービスプロバイダーとしてのリーディングポジションを確保するとみている。
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