今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは135.10

 ↓下値メドは133.75円 

米インフレ:銀行破綻によるクレジットクランチで景気悪化となり、結果としてインフレを低下させる  
日本のインフレ:日本の食料品に「便乗値上げ」の指摘  
BOE:中央銀行が、経済に何が起きているか理解できていないことを認める  
スイス:SNBは6月に再利上げ、終着レートは1.75%  
ブラジル:ブラジル財務大臣が、中央銀行の政策を公に批判 

市況 

 5月11日(木曜)のドル/円は「円安」。

 24時間のレンジは133.74円から134.84円。値幅は1.10円。 

 2023年94営業日目は134.30円からスタート。東京時間夕方につけた134.84円が高値で、135円台に届かなかったのは5月4日以来1週間ぶり。

 ドル売り優勢のなか米国の銀行セクターに対する懸念でダウ平均株価が下落するとともに夜遅くに133.74円まで下げて安値をつけた。ただその後は134円台半ばまで持ち直して、終値は134.57円(前日比+0.18円)。

 ドル/円は方向を決めることに苦労している。先週発表された4月の米雇用統計は、雇用の伸びが堅調だったうえ、労働賃金は予想外に上昇した。これを受けて「6月再利上げ」の予想が広がったことがドル買い材料となった。

 10日に発表された米国の4月CPI(消費者物価指数)は、前年同月比で4.9%上昇し、市場予想(5.0%)を若干下回った。「6月利上げ見送り」の予想が盛り返したことがドル売り材料になった。

 米国では米地銀倒産や債務上限問題などの懸念材料がくすぶる。雇用統計とCPIのドルへの影響はプラマイゼロだが、米国発のリスクオフでドルの上値は限定的になっている。

 米地銀持ち株会社のパックウエスト・バンコープ(カリフォルニア州)の預金額が、約1割も流出していたことが明らかになり、同社の株価は一時20%安となった。

 Xデーが迫る米国の債務上限問題についてイエレン財務長官は「議会は債務上限を引き上げるべき、米国のデフォルトは経済金融の大惨事をもたらす」と警告する。この問題は政治が深くからんでいるためより複雑になっている。トランプ前大統領は共和党に対して、連邦政府のデフォルトを招く事態になっても譲歩しないよう強く促している。

市況チャート

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の為替ウォーキング

今日の一言

世の中は決して平等ではない。その中で唯一平等なのが時間だ

Day After Day

デットシーリングとは

 米国の債務上限問題とは、米国の連邦政府が国債を発行して調達する債務の金額が定められた上限金額に近づいたり到達したりすることで、財政赤字拡大や財政問題が懸念されることである。

 債務の上限は法律で規定されていて、その上限を超えてしまうと連邦政府は国債を新たに発行して資金を調達することができなくなる。そのため債務上限に達しそうになるたびに、米議会で法案を成立させて債務上限を引き上げてきた。

 共和党のマッカーシー下院議長は債務上限先延ばし案を提案している。この法案は、2024年3月31日までの約1年間はデフォルトを回避するのに十分な規模とされる、1兆5,000億ドルまで連邦債務上限を引き上げるというものだ。しかし、その引き換えに共和党が支持する連邦歳出の削減案を盛り込むことを条件としている。民主党やバイデン政権にとっては、簡単には受け入れられない内容である。

 バイデン大統領と共和党のマッカーシー下院議長ら議会指導部との12日の協議はキャンセルとなり来週に延期されることになった。議会が債務上限を引き上げなければ、早ければ6月1日にも米国債のデフォルト(債務不履行)に陥る恐れがある。

 2011年には、期限ぎりぎりの48時間前にようやく法案が成立したが、格付け会社が財政赤字の削減の取り組みが不十分として、米国の長期発行体格付けを「AAA」から「AA+」に引き下げため、金融市場は大混乱におちいった。今回も同様のリスクが懸念されている。バイデン大統領は公的債務に関する合衆国憲法修正第14条の発動を検討している。

今週の注目経済指標

出所:楽天証券作成

重要ブレークアウトレベル(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円)

過去10日間、過去20日間、過去60日間、過去90日間のそれぞれの高値と安値です。
複数の期間で同じ高値(安値)になっているところは、強いレジスタンス(サポート)の水準です。

出所:楽天証券作成

Winners & Losers

 主要通貨のパフォーマンスを良い順に並べています。

 2023年最初の日にどの通貨ペアを買っていたら一番儲かっていたのか?

 今年パフォーマンスが最も良い「大富豪」通貨ペアはメキシコ/円(メキシコペソ買い/円売り)。反対に最も悪い「大貧民」通貨ペアはAUD/CHF(豪ドルル買い/スイス売り)。
ドル/円は31通貨ペア中13位。