今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは135.45

 ↓下値メドは133.75円 

日本経済:輸出減と個人消費後退にダブルパンチで日本の製造業に悲観見通し
原油:インドの原油需要が過去20年間で最大。ロシアから大量輸入 
ローン地獄:米国の自己破産件数が過去最高に 
米経済:パウエルFRB議長「ソフトランディングの可能性まだある」
BOE:利上げサイクル終了へ  

市況

 5月10日(水曜)のドル/円は「円高」。

 24時間のレンジは134.11円から135.47円。値幅は1.36円。 

 2023年93営業日目は135.18円からスタート。東京時間夕方に135.47円まで上昇して、5月3日以来の高値をつけたが、その後は米4月CPI(消費者物価指数)の発表待ちとなった。

 注目の米CPIは事前予想とほぼ同じ結果だったが、上振れするとの期待に反して、前年比ではやや下落した。ドル/円は指標発表後に135円台を下抜けると、未明には134.11円まで下落した。終値は134.38円(前日比▲0.85円)。

 ドル/円は、先週の米雇用統計の発表後からのドルの上昇分の全て吐き出した。

 4月の米雇用統計では、平均労働賃金が予想外に上昇していたことで、FRBの6月「再利上げ」の確率が高まったことがドル買い材料となった。しかし、この日はCPIが若干弱かったことで、逆にFRB「利上げ見送り」の見方が強まったことがドル売り材料となった。

 米国では米地銀倒産や債務上限問題などの懸念材料がくすぶる。イエレン財務長官が「米国が債務不履行となった場合、金融市場は災難に見舞われる」と警告しているが、米国の債務上限問題を巡る民主党と共和党の溝は深く、合意の糸口は見えていない。

 雇用統計とCPIを合わせるとドルの影響はプラマイゼロだが、全体ではドルのマイナス材料の方が多い。重要な米経済指標発表をやり過ごしたあとはドルベア派が勢いづく可能性がある。

レジスタンス:
135.47円(05/10)
135.36円(05/09)
135.45円(200時間移動平均)

サポート:
134.11円(05/10)
133.88円(05/05)
133.49円(05/04)

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成
出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の為替ウォーキング

今日の一言

真に恐れるべきは有能な敵ではなく無能な味方である

Iris

 5月10日に発表された米国の4月CPIは、前年同月比で4.9%上昇し、市場予想(5.0%)を下回った。インフレ圧力がやや緩和したことを示し、FRB(米連邦準備制度理事会)が利上げを休止する可能性が高まったとの見方が広がった。中古車価格の上昇が続き、これがCPIの下落を食い止めているのだが、世界最大の中古車再販業者であるマンハイム社のデータによると中古車価格はすでに下落に転じており、これは数ヵ月後のCPIに反映されるとのことだ。

 一方、日本ではインフレが止まらない。2022年は25,000品目もの値上げがあったが、2023年は前年を上回るペースで値上げが続いている。主要食品メーカーが4月までに値上げを決めた食品は2万品目を超えた。このペースが止まらなければ、秋にも3万品目を超える可能性がある。

 企業は、原材料価格や物流費の高騰、円安で値上げは仕方ないと消費者を言いくるめている。実際はどうか。原油価格はウクライナ戦争前の水準までさがっている。EU(欧州連合)は4月、割安な価格のウクライナ産穀物が、EU農家に痛手を与えているとして、ウクライナ小麦や大麦の流入制限に踏み切った。

 植田和銀総裁は、4月の日銀会合後の記者会見で、インフレ見通しについて以下のように述べた。「金融政策の引き締めが遅れて2%を超えるインフレ率が持続するリスクより、拙速な引き締めで2%の物価安定目標を実現できなくなるリスクの方が大きいと考えている。」

 思い出してほしい。パウエルFRB議長も2年前の2021年6月の議会証言で、「インフレ要因は時間とともに後退するだろう」、「FRBは予防的に利上げすることはない」と述べていた。その結果、今どうなっているか?銀行が倒産して景気後退が囁かれる状況でもなお、中央銀行は利上げを止められないでいるのだ。

今週の注目経済指標

出所:楽天証券作成

今日の重要ブレークアウトレベル(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円)

 過去10日間、過去20日間、過去60日間、過去90日間のそれぞれの高値と安値です。

 複数の期間で同じ高値(安値)になっているところは、強いレジスタンス(サポート)の水準です。

出所:楽天証券作成

ヒートマップ分析(ユーロベース、豪ドルベース)

 2023年の通貨の強さのランキングチャート。