今週の予想

今週は、5月はスピード調整の可能性も考えておくこと

 先週は、ゴールデンウイーク中に、ダウ工業株30種平均は地銀株の信用不安が再燃し、5月1日(月)から4日(木)までの4日続落で合計▲969ドルの3万3,127ドルまで下げていましたが、週末は堅調な4月雇用統計やアップルの好決算を受け、+546ドルの3万3,674ドルと反発し、シカゴ日経先物は2万9,100円となっていました。

 雇用統計がしっかりし、企業業績も堅調なことから、9月の利上げも一部、織り込む動きとなり、日米金利差拡大期待でドル高・円安となりました。いったん円高に動いていた為替も基本的に円安基調は変わらず、日本株にとってはサポート要因となります。

 柴田罫線でみてみると、2021年9月14日の3万795円を高値とし、2022年3月9日の2万4,681円を安値とする三角保ち合い(A)を完全に上放れしており、NY株高、円安基調が続けば、2021年11月16日の2万9,960円を目指す形となります(柴田罫線 日経平均チャートを参照)。

 目先は5月2日の2万9,278円の高値を更新する過程で過熱感も漂っており、5月にスピード調整を入れる可能性があります。

 このまますんなりと3万円大台を回復するというより、また大きなもみあいがあってという場面も考えておいた方がよいかもしれません。

今週の指標:日経平均株価

 先週は、ゴールデンウイーク後半に、NYダウが4日続落で1,000ドル近く下げたものの、週末5日(金)は、+546ドルと半分強戻していることで、2万9,000円前後の下値固めのあと上を目指す動きが期待されます。チャートは完全に上放れしており、スピード調整のあと2021年11月16日の2万9,960円を目指す方向にあります。

先週の動き

 米国市場がハイテク株の好決算を受けて大幅上昇し(4月27日にNYダウは+524ドル)、これを受けて日経平均株価は4月28日(金)に+398円の2万8,856円と8カ月ぶりの高値水準となり、2021年9月14日の高値3万795円を上値の基点とし、2022年3月9日の2万4,681円を下値の基点とする三角保ち合い(A)を完全に上放れし、2021年9月14日の3万795円を目指す形となりました。

 この流れの中で、連休の谷間の5月1日(月)、2日(火)は大幅な円安進行もあり、ハイテク株中心に買われ、5月2日(火)は2万9,278円まで上昇し、終値は+34円の2万9,157円と2万9,000円台にのせて引けました。

 連休中の米株式は、前週末のファースト・リパブリック・バンクの倒産を受け、地方銀行の連鎖倒産への懸念から金融不安が再燃し、4日(木)までは、4日続落となって▲286ドルの3万3,127ドルで引けました。

 しかし、週末の米国市場では、4月雇用統計が堅調でアップルの好決算もあり、NYダウは5日ぶりに+546ドルの3万3,674ドルと大幅反発となりました。シカゴの日経先物は、前日は2万8,625円まで下げていましたが、この日は2万9,100円でした。

今週の指標:NYダウ(ダウ工業株30種平均)

 今週は、先週末の流れを受け継ぎ、堅調な動きが想定されます。金融不安は払拭(ふっしょく)されていませんが、徐々に落ち着きをみせているようにみえます。経済指標では、米4月CPI(消費者物価指数)や米4月PPI(卸売物価指数)などインフレに関する指標の発表がありますので上下どちらに動くのか結果をみてから動くことになります。

先週の動き

 4月27日(木)にSNS最大手メタの決算を受け、地銀株の下落もいったん下げ止まったことで、+524ドルの急反発となり、週末28日(金)も+272ドルと続伸し、3万4,098ドルと3万4,000ドル台を回復。

 しかし、先週始めの5月1日(月)にザラ場で3万4,257ドルまで上昇したところで、前週末のファースト・リパブリック・バンクの倒産が重しとなり、下落に転じ▲46ドルと反落。2日(火)は▲367ドル、3日(水)▲270ドル、4日(木)▲286ドルの3万3,127ドルと4日続落となりました。

 地銀株の連鎖倒産懸念で信用不安が拭えませんが、週末5日(金)は、堅調な4月雇用統計やアップルの好決算を受けて、NYダウは+546ドルの3万3,674ドルと5日ぶりの大幅反発となりました。

今週の指標:ドル/円

 今週は、今後のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利上げが停止され、逆に利下げになるという可能性も出ていますので、大きく上昇する要因が無くなったようにも思われます。 

 また、米地銀破綻の影響もあることから、不安要素が広がっていることで、135円を超えたとしても、ここからは上値を抑えられることも考えられます。ただし、日本銀行の金融緩和継続による日米金利差拡大が続くため、今週はレンジ相場になる可能性があります。

先週の動き

 前週(4月24~28日)の動きは、133円台前半~136円の間の動きとなりました。この中で27日(木)までは、133円台前半から134円台半ばまでの約1円ほどの値動きでしたが、28日(金)には、インテル株の上昇など主要企業の好決算や3月個人消費の上昇で5月2~3日のFOMCでの0.25%の利上げ見通しが高まり、ドルが買われて+2.37円の136.29円まで急騰しました。

 この流れの中で、先週の1日(月)は、ドルがさらに買われ、137.53円まで買われました。

 2日(火)は、137.76円まで買われたあと、地銀の経営不安でNYダウが続落すると、ドルが売られ▲0.94円の136.53円となりました。3日(水)は、FOMCの結果を受けて、NYダウが3日続落し、ドルが売られて▲1.94円の134.60円まで下げました。

 4日(木)は、ドルは133.50円まで売られ終値は134.23円でした。地銀の経営悪化が伝わり金融不安の再燃でドルが売られる展開となりました。週末5日(金)は、4月雇用統計が堅調なことやアップルの好決算を受け、9月の利上げを一部、織り込む動きとなり、ドルは133.88円から135.06円まで買われて引け値は134.82円でした。

 日米金利差から円が売られる基調となっています。

先週の結果

ゴールデンウイーク中も予想に反して、米株高、円安進行受け、2万9,000円台回復

 前々週(4月24~28日)の予測では、21日(金)にザラ場で一時+120円の2万8,778円と年初来高値を更新し、終値、ザラ場ともに年初来高値を更新したことで、「5月連休前後に高値を示す」というアノマリー(経験則)が実現するかもしれないとしました。

 ここからは「利益確定売り」が出やすくなる可能性が高く、「休む相場」ともしました。もちろん、米国株式や為替に大きな動きがないことを前提にしています。

 ところが、今回は、米国株の大きな上昇とドル高・円安となったことで、日本ではハイテク株中心に買われ、予想を上回って連休始めの5月1日(月)、2日(火)に2万9,000円の大台を回復しました。

 前週の日経平均はもみあいが続きましたが、フシ目の2万8,500円を維持する底堅さをみせ、週末28日(金)には+398円の2万8,856円と大幅続伸し、年初来高値を更新しました。

 途中で米経済指標の下ブレによる景気後退懸念や米地銀ファースト・リパブリック・バンクの急落が投資家心理を悪化させましたが、マイクロソフトなどの米IT大手の堅調な決算が安心感を誘いました。

 強弱感が対立する中で一時軟化した日経平均は、週末にかけて持ち直し、日銀の決定会合で政策の現状維持が決定すると円安が加速する中、上値を追う展開となりました。

 5月の連休始まりの1日(月)、2日(火)も前週末の米国株高、円安を受けて一時2万9,278円まで上昇し、1日の終値は+266円の2万9,123円、2日(火)も+34円の2万9,157円と年初来高値を更新して引けました。

 日本がゴールデンウイーク中の米国株式は、前週末の28日(金)までは、地銀株の下落が一服し、主要企業の好決算、3月個人消費の伸びを受け、過度の景気後退懸念が和らいだことで、NYダウは3万4,000ドル台を回復しました。

 しかし、5月1日(月)にザラ場での3万4,257ドルを目先のピークにして、その後、2日(火)▲367ドル、3日(水)▲270ドル、4日(木)▲286ドルと4日続落で、3万3,127ドルとなっています。シカゴの日経先物は▲505円の2万8,625円でした。

 週末5日(金)のNYダウは堅調な4月雇用統計やアップルの好決算を受け、5日ぶりに+546ドルの3万3,674ドルと大幅反発となりました。シカゴの日経先物は、前日は2万8,625円まで下げていましたが、この日は▲30円の2万9,100円となっています。