2023年1-3月期の売上高は過去最高、今後の収益性改善に期待
現地コード | 銘柄名 |
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01880 |
中国旅遊集団中免 (チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティーフリー) |
株価 | 情報種類 |
173.50HKD |
株価 企業情報 チャート |
中国の免税店大手、中国旅遊集団中免の2023年1-3月期の売上高は過去最高の208億元に達した。前年同期比では24%増。ただ、純利益は同10%減の23億元にとどまり、市場を落胆させる数字だった。同期の好材料の一つは、海南省海口市の「海口国際免税城」が採算ラインに乗せたこと。これがその他の懸念材料を和らげる結果ともなった。BOCIはこの先の観光市場の回復が追い風になるとみて、営業レバレッジ面のプラス効果や商品構成の改善を理由に、2023年通期の採算性が1-3月期を上回ると予想。株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
1-3月期の売上高は前年同期実績の高さにもかかわらず、24%の伸びを示したが、純利益は10%減少した。粗利益は5%増の54億6,000万元に達したものの、粗利益率が4.8ポイント低下。前四半期比では7.2ポイント改善したとはいえ、市場コンセンサス予想に届かなかった。さらに、販売費は40%増の20億元と、BOCIの予想を大幅に上回る水準。経営陣によれば、コンセッション料の減免措置の終了やサプライヤーからの調達払戻金の遅れが影響したためで、こうした要因を除けば、1-3月期の純利益は前四半期比で横ばいだったという。
同社は今後の粗利益率の改善に向け、適切な商品供給の確保や、高級品・腕時計の売上貢献の拡大を目指す方針。一方、小売価格の値引き率は縮小傾向にあり、BOCIは2023年通期の粗利益率の改善を見込む。また、国際線の利用状況がいまだ低迷する中、仮にコンセッション契約の条件をめぐる再交渉が可能であれば、純利益率も上向くとみている。
一方、1-3月期決算の明るいポイントとなったのは、「海口国際免税城」が早々に損益分岐点に到達し、会社側の予想を上回るペースを示したこと。BOCIは富裕層に対する海南省のピーアールにつながると同時に、海南省三亜市での同社ビジネスに対する見通しの改善にもつながると指摘している。三亜市での業務に関しても、海口市と同様の結果が期待できるという。
BOCIは予想以上に鈍い小売売上高の回復ペースを理由に、2023-25年の予想EPS(1株当たり利益)を2-4%減額修正した。それでも、同社株価の先行きに対して強気。2024年予想PER(株価収益率)30倍をあてはめて目標株価を引き下げながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。
レーティング面の潜在リスク要因としては、空港利用客数や消費力が予想を下回る可能性や、海南省の免税ビジネスに関する規制強化の可能性、市場競争の激化、空港経営事業者と交わしたコンセッション契約の見直しの可能性を挙げている。
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