今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは134.15

 ↓下値メドは133.00円 

中国経済:経済再開による中国消費拡大、期待を大幅に「下回る」 
銀行破綻:SNS時代における銀行問題の対応に、大幅なスピードアップが必要との指摘
ECB:危険なほどタカ派なECB、インフレ対策優先するあまり欧州がリセッションのおそれ
生活苦:インフレやローンの厳格化で最も苦しむのは低所得者層  
金融不安:米銀行の預金量、1週間で984億ドル減少 

市況

 4月26日(水曜)のドル/円は133円台後半で横ばい。
 1日のレンジは133.01円から133.94円。値幅は0.92円。 

 2023年83営業日目は133.81円からスタート。東京時間の夜遅くに134円台を狙いにいったが失敗、高値は133.94円まで。5営業日連続の134円台高値は実現しなかった。

 その後は、米地銀ファースト・リパブリック・バンクを巡る米金融システムに対する不安が燻るなかでドル売りが優勢になり、133.01円まで下げて安値をつけた。しかし下値も堅く133円台で踏みとどまると、再び円安に戻して終値は133.68円(前日比▲0.035円)。今夜の米1-3月GDP(国内総生産)速報値の発表や、明日の日銀会合の結果発表を控えてドル/円は動きにくい1日だった。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

レジスタンス:
133.94円(04/26)
134.00円(200時間移動平均)
134.48円(04/25)

サポート:
133.01円(04/26)
132.15円(04/14)
132.01円(04/13)

 日銀は当面、緩和政策を継続する考えだが、FOMC(米連邦公開市場委員会)は利上げを終わらせるのか、あるいは続けるのかで意見がわかれている。次回5月で「利上げ終了」というのが、現在のマーケットのメインシナリオだが、最近のFRB(米連邦準備制度理事会)高官の発言から、6月利上げの確率も徐々に高くなっているようだ。

 いずれにしてもFRBの利上げは先が見えている。あとは「長期間にわたる高金利」が、どれだけ「長期間」になるかということだ。FOMCメンバーは、少なくとも今年いっぱいは「高金利」を維持する考えだ。FOMCメンバーが予想するFF金利予想(ドットチャート)では2023年末の中心値は5.125%で、現在のFF金利の中心値は4.875%なので、FOMCは次回5月に0.25%利上げをした後(4.875%+0.25%=5.125%)、年末まで金利を据え置くという予想になる。

 しかし金利市場は異なる予想をしている。米国が深刻なリセッションに陥る前に、早ければ7月から、行き過ぎた利上げの調整を兼ねた「利下げ」サイクルが始まると見ている。利上げは、金利差拡大という意味で「ドル高」だ。そうであれば、利下げは「ドル安」になる。しかし、米国がリセッションを回避する可能性が高まるという理由で、「利下げはドル高」と考えるようになっている。

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の為替ウォーキング

今日の一言

長期投資もリスク。30年投資を続けて31年目に暴落が来たら絶望しか残らない

Every Time You Go Away

ハト派利上げかタカ派利上げか?

 米国のインフレは依然として高く、雇用市場の過熱は止まらない。FOMCメンバーが予想するFF金利予想(ドットチャート)では、2023年末の中心値は5.125%だ。現在のFF金利の中心値は4.875%なので、FOMCは次回5月に0.25%利上げをした後(4.875%+0.25%=5.125%)、年末まで金利を据え置く方向に傾いているようだ。

 米国は2007年からの15年間で、2回の利上げサイクルと2回の利下げサイクルを経験してきた。FRBは、利下げサイクルの時にマーケットを驚かせる傾向が多くあったが、今回の利上げサイクルでは、2回もサプライズを起こしている。1回目は2022年6月で、市場予想の0.50%に対して0.75%のタカ派利上げ、もうひとつは7月に市場予想1.00%に対して0.75%のハト派利上げをしたことだ。

 FOMCが新型コロナ対策として0.5パーセントの緊急利下げを実施したのが2020年3月3日だった。大規模緩和政策はその後2年間続いたが、約1年前の2022年3月の会合において、金融政策を緩和から引締め方向へ大転換した。利上げは今回で9会合連続となり、累積利上げ幅も延べで4.75%までになった。

 FOMC(米連邦公開市場委員会)は3月の会合において、予想通り0.25%の利上げを行った。米国の金融システム不安が懸念されるなかで、決定は市場に一定の安心感を与えた。銀行システムが利上げに耐える体力があることをFOMCが保証すると同時に、FRBがインフレとの戦いをあきらめないことの表明でもあったからだ。利上げ見送りでもなく0.50%でもなく、その間をとっての0.25%にしたことで、インフレ対策と金融システムの安定を両立させる姿勢を示したのだ。

 パウエルFRB議長は、インフレと金融システムはトレードオフ(二者択一)ではないと述べた。インフレ対策は続けることはもちろんだが、金融システムの安定にも十分配慮する姿勢を示した。しかし、パウエル議長がインフレ制御のためには0.50%の利上げが必要と主張していたことを考えると0.25%という利上げ幅は「ハト派的利上げ」である。

今週の注目経済指標

出所:楽天証券作成

今日の重要ブレークアウトレベル(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円)

出所:楽天証券作成

 過去10日間、過去20日間、過去60日間、過去90日間のそれぞれの高値と安値です。

 異なる期間で同じ高値(安値)になっている場合、強いレジスタンス(サポート)を示します。
 複数の期間で同じ高値(安値)になっているところは、強いレジスタンス(サポート)の水準です。

ヒートマップ分析(円ベース、ドルベース)

 2023年の通貨の強さのランキングチャート。

 現時点で一番強い通貨は「スイスフラン」。一番弱い通貨は「NZドル」。
円は、NZドルを除いて全ての主要通貨よりも弱い通貨となっています。