今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは134.95

 ↓下値メドは133.75円 

インフレ:為替レートよりも、便乗値上げやマージン上乗せがインフレの原因
EV車:インフラビジネスに600億ドルの商機
米インフレ:米国の実質賃金が22カ月連続で下落
米景気後退:企業収益の減少ペース、リセッションを示唆
FRB:利上げによって何を達成するのかについての明確な説明がない

市況

 4月20日(木曜)のドル/円は「円高」。
 1日のレンジは134.01円から134.97円。値幅は0.96円。 

 2023年79営業日目は134.69円からスタート。東京時間昼前に134.97円まで上昇して高値をつけたが、135円手前で失速。その後しばらく134円台後半の取引を続けたが、結局前日の高値(135.13円)には届かなかった。

 NY市場に入ると、発表された一連の米指標が米景気減速を示唆する内容であったため、ドル売りが強まった。夜遅くには134.01円まで押し戻された。終値は134.24円(前日比▲0.45円)。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

レジスタンス:
134.97円(04/20)
135.13円(04/19)
136.99円(03/10)

サポート:
134.01円(04/20)
133.95円(04/19)
133.85円(04/18)

 マーケットは、 FRB高官の発言や米指標に混乱している。ウォラーFRB理事は「金利をさらに引き上げる必要がある」と主張するが、ウィリアムズ・NY連銀総裁は、インフレが下落した場合FRB(米連邦準備制度理事会)は「利下げする必要」があるとの考えを示している。しかしこの日のウィリアムズ総裁は「インフレは高すぎる」とも発言している。

 CPI(消費者物価指数)、小売売上高、ISM景気指数を見て「米経済は弱すぎる」とドルを売り、ミシガン大学消費者態度指数のインフレ期待率を見て「米経済は強すぎる」とドルを買った。この日発表されたフィラデルフィア連銀製造業景気指数はNY連銀景況指数とは反対に弱く、新規失業保険申請件数は増加したため、再びドルが売られた。

 米指標の内容が相反しているので、135円を超えて買い進めることにためらう一方で、132円以下まで売り込む興味もない。来週の日銀会合、そしてFOMC(米連邦公開市場委員会)会合で金融政策の方向がよりはっきりわかるまではレンジ相場が続きそうだ。

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の為替ウォーキング

今日の一言

資産形成に影響するのは、才能よりも幸運であることが証明される

What A Feeling

 米国は,2007年からの15年間で、2回の利上げサイクルと2回の利下げサイクルを経験してきた。FRBは、利下げサイクルの時にマーケットを驚かせる傾向が多くあったが、今回の利上げサイクルでは、2回もサプライズを起こしている。1回目は2022年6月で、市場予想の0.50%に対して0.75%のタカ派利上げ、もうひとつは7月に市場予想1.00%に対して0.75%のハト派利上げをしたことだ。

 FOMC(米連邦公開市場委員会)は3月21、22日の会合において、予想通り0.25%の利上げを行った。米国の金融システム不安が懸念されるなかで、今回の決定は市場に一定の安心感を与えた。銀行システムが利上げに耐える体力があることをFOMCが保証すると同時に、FRBがインフレとの戦いをあきらめないことの表明でもあったからだ。

 利上げ見送りでもなく0.50%でもなく、その間をとっての0.25%にしたことで、インフレ対策と金融システムの安定を両立させる姿勢を示した。

 FOMCが新型コロナ対策として0.5パーセントの緊急利下げを実施したのが2020年3月3日だった。大規模緩和政策はその後2年間続いたが、約1年前の2022年3月の会合において、金融政策を緩和から引締め方向へ大転換した。利上げは今回で9会合連続となり、累積利上げ幅も延べで4.75%までになった。

 パウエルFRB議長は、インフレと金融システムはトレードオフ(二者択一)ではないと述べた。インフレ対策は続けることはもちろんだが、金融システムの安定にも十分配慮する姿勢を示した。

 米国のインフレは依然として高く、雇用市場は過熱している。パウエル議長が0.50%の利上げが必要だと米議会で証言していたことを考えると、0.25%という利上げ幅は「ハト派的利上げ」と言うことができる。

今週の注目経済指標

出所:楽天証券作成

今日の重要ブレークアウトレベル(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円)

出所:楽天証券作成

 過去10日間、過去20日間、過去60日間、過去90日間のそれぞれの高値と安値です。

 複数の期間で同じ高値(安値)になっているところは、強いレジスタンス(サポート)の水準となります。

ヒートマップ分析(円ベース、ドルベース)