横ばい相場が続く日経平均株価

 日経平均株価は2021年以降横ばい相場が続いています。2022年に入ってからは、多少の上振れ、下振れはあるものの、2万8,500円近辺になると頭打ちとなり、逆に2万6,000円割れになると反発する、という動きがずっと続いています。

日経平均株価の推移(2022年1月4日~2023年4月12日の日足)

トウシル編集チーム作成

  個別銘柄は日経平均と全く同じ動きとはなりませんが、やはり日経平均が上昇しないと個別銘柄も上がりにくいですし、日経平均が下落しないと下がりにくい傾向にはあります。

 個人投資家の中にはこの横ばい相場を得意とする人と苦手とする人がいます。筆者は横ばい相場が苦手なのですが、なぜ苦手なのか、そして苦手な人と得意な人で何が違うのかを知ることにより、横ばい相場で成果が出やすい立ち回り方が見えてきます。

 なお、横ばい相場は「保ち合い相場」とか「ボックス相場」とも呼ばれます。意味するところは同じで、比較的狭い範囲で株価が上下動を繰り返していて、株価の動きに方向感がない状況を言います。

横ばい相場で成果が出る立ち回り方(1)逆張り

 横ばい相場で成果が出る立ち回り方として有効なのが、逆張りで売買することです。横ばい相場が続いている限り、株価に上限や下限があるため、横ばい相場の下限の水準に株価が到達したら買い、上限の水準に到達したら売ることにより、「安く買って高く売る」ことができます。

 横ばい相場の下限の水準では、日経平均や多くの個別銘柄は25日移動平均線を割り込んでいるため、順張り(株価が上昇トレンドのときのみ保有し下降トレンドのときは保有しない)の考え方だと下降トレンドだから買うのを控える、という形になります。

 そして株価が反発して25日移動平均線を超えてから買うことになるのですが、横ばい相場ではこのタイミングで買うのは遅すぎるのです。

 なぜなら25日移動平均線を超えた後、株価が上昇を続けることなく頭打ちになり、下落に転じてしまうからです。

 ですから、日経平均が25日移動平均線割れにあるとしても、横ばい相場の下限でできるだけ安く買うことを心掛けるのがポイントとなります。

 通常、順張りの投資家は移動平均線割れでは買いませんので、普段と異なる行動を取らないと成果が出ないのです。

横ばい相場で成果が出る立ち回り方(2)早めの利食い

 横ばい相場では早めの利食いもポイントとなります。

 株式投資で大きな利益を得る秘訣(ひけつ)は、「すぐに利食わずにできるだけ粘って利益を大きく伸ばす」ことです。ところが横ばい相場では、これが通用しないのです。

 特に順張り志向の個人投資家であれば、移動平均線を超えている限りは売らずに保有を続け、利益を伸ばそうとしますが、逆にその行動が利益を失わせてしまいます。

 なぜなら、上で解説したとおり、日経平均が25日移動平均線を上回っても程なく株価が頭打ちになり、下落に転じてしまうからです。

 イメージとしてはこのような感じです。

〇25日移動平均線:1,000円
〇25日移動平均線を割り込んでいた株価が1,020円まで上昇して25日移動平均線を超えたので新規に買い
〇その後株価は1,200円まで上昇
〇しかしそこから下落に転じ、株価は980円まで下落して25日移動平均線を割り込んだため損切り

 このように、株価が上昇しているとき、粘って利益を伸ばそうとすると逆に利益がなくなってしまったり、損切りの憂き目にあってしまうのです。

 ではどうすればよいかといえば、上記のイメージでいえば、できるだけ1,200円に近いところで売るように心がけます。

 もちろんピンポイントで高値を予想するのは無理ですから、日経平均が横ばい相場の上限に近づいたら上昇途中であっても売るとか、大きめの陰線をつけたら25日移動平均線割れを待たずに売る、といったように、含み益がなくなってしまう前に売るようにします。

横ばい相場に慣れてしまうと大相場に乗れなくなる?

 横ばい相場では個別株投資であっても、日経平均が横ばい相場の下限に近づいたら買い、上限に近づいたら売るという逆張り気味の行動が利益につながります。

 逆に、移動平均線を超えたら買って割り込んだら売る、という順張りの行動をしていると、「高く買って安く売る」ことになってしまい、利益を得ることが難しくなります。

 しかし注意したいのが、いつかは横ばい相場が終わり、上か下かに大きく動くことになるという点です。

 横ばい相場の立ち回りに慣れてしまうと、大相場にうまく乗ることができません。大相場は、早期の利食いをするのではなく、できるだけ持ち続けて利益を大きく伸ばすことが大きな利益に結び付くからです。

 つまり、横ばい相場で成果が出る方法は、株価が大きく上昇する大相場では利益を伸ばすことができないのです。

 そして厄介なことに、横ばい相場がいつ終了し、大相場になるかを事前にピンポイントで予測することはできません。

 ではどうすればよいのでしょうか? 買った株が上昇して含み益が生じた場合、例えば半分は早期に利食いしてしっかりと利益を確保する一方、もう半分は移動平均線を超えている限り保有を続け、大相場に発展した場合に利益を伸ばせるようにする、という方法が考えられます。

 これが正解というわけではありませんが、折衷案として筆者が考える一案です。 

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