今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは134.05円
↓下値メドは133.05円
日銀:YCC放棄で国債急落すれば、債務残高262%の日本の財政は破綻
FRB:利上げを続けるほど、その後の利下げはより急速に
米金融政策:FRBが目指すのは、持続可能なペースで米経済を減速させること
ユーロ:リセッション確率、90%から30%に低下。天然ガス価格安定と堅調な消費で
欧州経済:ユーロ各国の財政支出、エネルギー価格下落で大幅削減を実現か
市況
4月11日(火曜)のドル/円は横ばい。
1日のレンジは132.97円から133.80円。値幅は0.83円。
2023年72営業日目は133.53円からスタート。東京時間夜の初め頃につけた132.97円がこの日の安値。しかし下げは一瞬で、すぐに133円台に戻すと明け方には133.80円まで上値を伸ばした。前日の高値(133.87円)は超えられないまま、終値は133.70円(前日比+0.10円)。
この日のドル/円は再び134円台に接近するまで円安が進んだ。その理由として日銀が近い将来大幅な政策変更をする可能性が遠のいたことがある。植田日銀総裁は就任会見で、現行のYCC(イールドカーブ・コントロール)やマイナス金利などの緩和政策について「継続するのが適当」との見解を示した。
ただ、大幅なドル高にもならなかったのは、FRB(米連邦準備制度理事会)がこれまでのような積極的な利上げの見直しを検討しているからだ。ウィリアムズ・NY連銀総裁は、インフレが下落した場合FRBは「利下げする必要」があるとの見解を示した。グールズビー・シカゴ連銀総裁からは「FRBは過度に積極的な利上げに注意する必要ある」との発言があった。
今夜(日本時間明日早朝)は、FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録が公表される。メンバーの多くが利上げペースの減速を支持する一方で、インフレ圧力に対して政策金利の終着レートさらに引き上げるべきとの意見もある。
そして今夜は重要なインフレ指標である米国の消費者物価指数(CPI)の発表がある。3月は前年比で5.2%の上昇を予想(前月6.0%、前々月6.4%)。エネルギーと食料品を除いたコア指数は5.6%(前月5.5%)の予想。先月はガソリン価格の上昇が緩やかだったことがCPI(消費者物価指数)を押し下げたが、今月は新車価格や中古車価格の値上りがインフレ率に影響しそうだ。
またカナダ中銀が政策金利を発表する。政策金利は4.5%に据え置きの予想。
その他、今週は14日に3月の小売売上高、16日に4月のミシガン大学消費者信頼感指数の発表が控えている。これらの経済データはインフレや景気の強さを示すもので、先週の米雇用統計をきっかけにしたドル高にさらに弾みがつく可能性もある。
レジスタンス:
145.97円(04/11)
146.60円(22/12/16)
146.73円(22/12/15)
サポート:
144.88円(04/11)
144.35円(200時間移動平均)
143.79円(04/10)
主要指標 終値
今日の為替ウォーキング
今日の一言
ローマ教皇の素晴らしい帽子は神からではなく、神学上の恐喝を受けて金品を払っている男女から授与されたものだ
When I See You Smile
インフレ3つの波
新型コロナ以降、先進国に起きたインフレには3つの波がある。
第一の波は、耐久消費材インフレだ。新型コロナ感染流行による外出自粛や在宅勤務の普及が家具や家電などの耐久消費財の特需を生んだ。しかし耐久財インフレは一過性で終わることになる。洗濯機や冷蔵庫などは、モデルチェンジのたびに買い替えたりしないからだ。日本でも大手家電量販店の売り上げは苦戦している。
次にやってきた波は、移動制限緩和によって爆発的に起きたリベンジ消費と、サプライチェーン目詰まりによる品不足インフレだ。
そして現在起きている第三の波が、利益主導型のインフレである。原料費上昇などを言い訳にしてそれ以上の値上げを行う、いわゆる「便乗値上げ」のインフレだ。
便乗値上げは、第二の波のように需給の不均衡によって発生するのではない。食品会社など一部の企業が、利益率拡大の隠れ蓑として、「値上げはやむを得ない」という物語を消費者に信じ込ませることで引き起こすのだ。原材料や輸入価格の高騰で消費者に物価上昇が今後も続くという焦りを抱かせて需要価格弾力性を低下させる。消費者にインフレ期待を形成することで値上げをしやすくするのだ。
インフレ抑制のために先進国の中央銀行は金融政策を引き締めている。FRBはわずか1年間で4.00%以上も利上げした。(緩和政策を継続してインフレを促進する日銀は世界の中央銀行のなかでも異例だ。)
利上げは景気を冷やし、最終的には利益率主導のインフレを抑制することになるだろう。しかしそこに至るまでの副作用も大きい。利上げという手段を使うよりも、値上げを受動的に受け入れないように消費者を説得する方が害も少ないだけでなく、より効果的かもしれない。便乗値上げに対抗するためにソーシャルメディアが果たすべき役割は大きい。
今週の注目経済指標
今週の注目テクニカルレベル(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円)
コーンチャート分析(ドル/円、ユーロ/円)
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