昨日(2016年07月29日)の動向

日銀会合を本日に控えた米ドル/円は、早朝に誤発注と見られる売りで103円台前半まで急落した後に105円台に急反発するなど、波乱のスタートになりました。

日銀は、この日の会合において、金融緩和の強化としてETF買い入れ額を倍増して年間約6兆円にすることを決定。しかし、それを除いては「質(資産買入れ方針)」、「量(マネタリーベース)」、「金利(マイナス金利)」の、三次元の金融緩和のすべてにおいて現状を維持。ヘリコプターマネー的な政策をひそかに期待していた市場にとっては失望させられる内容であったことから、米ドル/円は105円台半ばから102円台へ急落。しかしその後103円台後半まで反発するなど乱高下の相場になりました。また、黒田総裁は会見で「財政ファイナンスの考えは全くない」との見解を示しました。

NY時間に発表された米4-6月期GDPは予想を大きく下回る弱い内容でした。さらに過去分も下方修正となって、最近盛り上がりつつあった米利上げ期待に水を差すことになりました。これがドル売り・円買いにさらに勢いをつけて、米ドル/円は、102円台を通り抜けると、101.97円まで大幅下落。終値は102.074円(前日比-3.247円)でした。

日銀の小粒ともいえる緩和は、市場の失望を招きました。しかし、日銀は緩和をするつもりがないのではなく、まだしないだけとも考えられます。というのは、政府の経済対策が成立するのは秋の臨時国会だからです。それに合わせて日銀は次回9月の会合で、金融緩和を打ち出してくる可能性は十分にあります。日銀声明にある、「次回の日銀金融政策決定会合において、経済・物価動向や政策効果について総括的な検証を行う」とは、追加緩和をするという意味が込められたフォワードガイダンスといえるでしょう。

2016年07月29日のBID値 始値 高値 安値 終値
米ドル/円 105.269 105.529 101.972 102.074
ユーロ/円 116.611 116.845 113.881 114.084
豪ドル/円 78.981 79.468 77.419 77.584

米ドル/円 1時間チャート

米ドル/円 1時間チャート

ユーロ/円 1時間チャート

ユーロ/円 1時間チャート

豪ドル/円 1時間チャート

豪ドル/円 1時間チャート

本日(2016年08月01日)の展望

【米ドル/円】

レジスタンスは105.53円(2016年07月29日高値圏)、サポートは 100.51円(2016年07月11日安値圏)です。

  レジスタンス R1 レジスタンス R2 サポート S1 サポート S2
米ドル/円 105.53 106.75 100.51 99.90

米ドル/円 5分足チャート

米ドル/円 5分足チャート

【ユーロ/円】

ユーロ/円のレジスタンスは116.85円(2016年07月29日高値圏)、サポートは 113.27円(2016年07月12日安値圏)です。
ユーロ/ドルのレジスタンスは1.1426ドル(2016年06月24日高値圏)、サポートは 1.1052ドル(2016年07月25日安値圏)です。

  レジスタンス R1 レジスタンス R2 サポート S1 サポート S2
ユーロ/円 116.85 117.15 113.27 111.07

ユーロ/円 5分足チャート

ユーロ/円 5分足チャート

【豪ドル/円】

レジスタンスは79.74円(2016年07月25日高値圏)、サポートは 77.21円(2016年07月13日安値圏)です。

  レジスタンス R1 レジスタンス R2 サポート S1 サポート S2
豪ドル/円 79.74 80.98 77.21 75.93

豪ドル/円 5分足チャート

豪ドル/円 5分足チャート

  • 上記各5分足チャートは、当日 2016年08月01日 現在のものです。
  • コメント欄の語句について R=上値抵抗線 S=下値支持線

本日(2016年08月01日)の主な指標

注目度 発表時間 指標 予想 前回
★★ 16:55 (独) 7月製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値) 53.7 53.7
★★ 17:00 (欧) 7月製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値) 51.9 51.9
★★ 17:30 (英) 7月製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値) 49.1 49.1
★★★ 23:00 (米) 7月ISM製造業景況指数 53.0 53.2
  • 発表時間はいずれも東京時間
  • 注目度は★低~★★★高で示します