日経平均が直近高値を超える

 2023年に入り、1月中旬以降の日経平均株価は膠着(こうちゃく)状態が続いていました。2万7,500円を境に小動きが続き、少し上がって「上に向かったかな?」と思ったらすぐ2万7,500円近辺へ戻ってしまいました。逆に少し下がって「さらなる下落に警戒!」と思ったらすぐ2万7,500円近辺まで反発する、という非常に悩ましい状況でした。

 しかし3月3日に日経平均は大きく上昇、高値は2万7,961円21銭と、2月6日につけた2万7,821円22銭の直近高値を更新してきました。

 いよいよ日経平均も明確な上昇トレンドに転じるかも、と期待する一方、またいつものようにすぐに上げ止まってしまうのでは?という心配もあります。

日経平均は2年間横ばいが続いている

 日経平均は2021年2月16日に3万714円52銭、同年9月14日に3万795円78銭まで上昇していますが、2021年2月16日の高値を付けた後は2年間ずっと横ばい(厳密には緩やかに下落)の動きが続いています。

 そのため、例えば日経平均が25日移動平均線を明確に上回ったことを確認してから買うと、そこから株価が伸びずにすぐ反落して下落に転じ、損切りを余儀なくされてしまいます。

 逆に、日経平均が25日移動平均線を明確に下回ったため空売りを実行すると、株価はそこからそれほど下がらずに反発して上昇に転じ、これまた損切りを余儀なくされます。

 このように、横ばい相場で上昇トレンドになってから買ったり、下降トレンドになってから売ると、その後すぐに株価の動きが反転するため、普段から損切りをしっかり行っている人ほど、損切りによる細かな損失が積み重なってしまいます。

横ばい相場でも強い株と弱い株がある

 そのため、横ばい相場では下手に動くと損をするということから、何も買わずに様子見に徹しているという個人投資家もいるようです。

 確かにそれはそれで一つの正解だと思います。ただ、その場合、横ばい相場から明確な上昇相場に移行した際、株を良いタイミングで買い仕込むことができなくなる恐れがあります。

 今回の横ばい相場もそうですが、日経平均が横ばいで推移しているからといって、個別銘柄も同じようにみな横ばいになっているわけではありません。

 個別銘柄ごとに株価をみれば、上昇トレンドになっている強い株と下降トレンドになっている弱い株の両方があることが分かります。

 また、2月下旬以降は昨年来高値更新銘柄が100を超える日も多く、実質的には上昇相場であったといえるでしょう。

横ばいの間に買い仕込んでおけば、上昇に乗れる

 では具体的にどうすればよいのでしょうか? 筆者は日経平均が横ばいで推移していても、個別銘柄の株価のトレンドを重視します。

 投資候補銘柄のチャートを定期的にチェックし、25日移動平均線を超えてきた直後だったり、押し目をつけて25日移動平均線に株価が近づいたところで買っていきます。

 そうすれば、日経平均が横ばいの間にある程度の株を買い仕込むことができ、その後日経平均が明確な上昇に転じた時には、含み益を抱えた持ち株がある状態で上昇を迎えることができるのです。もしその後下落に転じた場合でも、利益もしくは少額の損切りで撤退することができるでしょう。

 特に横ばい相場ではこの考え方で、できるだけ安く、かつ上昇トレンドにあるときに株を買い仕込まないと、損失につながってしまいます。

 日経平均が上抜けたのを見て買い始めていては、高値づかみになってしまうのです。

 日経平均が長期間上昇トレンドとなっているときであれば多少高値づかみで買ってもそこからさらに上昇するので問題ありません。しかし、横ばい相場の時は上抜けをする前の段階から、上昇トレンドの強い銘柄をある程度買い仕込んでおくことが重要です。

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