2022年10-12月期決算は予想通り、グローバル化戦略を継続へ

現地コード 銘柄名
09999

網易

(ネットイース)

株価 情報種類

133.60HKD
(2/24現在)

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 オンラインゲーム大手、ネットイースの2022年10-12月期の売上高は254億元と、BOCIの予想および市場コンセンサス予想と合致した。オンラインゲーム部門の売上高は前期比、前年同期比ともに1%増の175億元。モバイルゲームが低迷する半面、季節要因などからPCゲームが堅調だった。一過性の損益を除外した場合の粗利益率は前期比ほぼ横ばい。BOCIは同社が今後も、マルチジャンル・マルチ端末型の自社開発ゲームを主力としたグローバル化戦略を維持すると予想。短期的には旗艦ゲームタイトルのパフォーマンスと新規ゲームのリリースが業績を左右するとの見通しを示した。2023-24年の予想売上高と予想純利益をほぼ据え置き、目標株価を上方修正。同社の香港上場株、米株双方の株価の先行きに対し、強気見通しを継続している。 

 BOCIは中国国内のゲーム規制の緩和や、当局による「版号」(ゲーム認可番号)の交付状況とは関係なく、同社がグローバル化戦略にリソースを投下するとみる。短期的には主力ゲームの運営状況と新規ゲームのリリースが支援材料になるとの見方。各ジャンルの旗艦タイトルの寿命を延ばすという点で同社の能力を高く評価し、「逆水寒(Justice)モバイル」を筆頭とする新規タイトルのラインアップと2023年のパフォーマンスに対しても楽観見通しを示した。2023年7-9月以降のゲーム事業の好調を見込み、2023-24年のオンラインゲーム収入見通しと同社全体の予想売上高を据え置いている。

 2022年10-12月期の売上高は前年同期比4%増の254億元と、BOCIおよび市場の予想通りの水準だった。オンラインゲーム収入の175億元も予想の範囲内。モバイルゲームは前期比、前年同期比2%減の116億元だったが、PCゲームが前期比8%増、前年同期比7%増の59億元と健闘した。ほかにオンライン教育部門「有道」が前期比4%の増収と、プラス成長を維持した。一方、粗利益率はライセンス許諾ゲームに絡むロイヤリティ一費用の影響で52.2%だったが、この一過性要因を除けば、市場予想の55.2%を上回り、前期並みを維持したもよう。営業利益率は前期を2ポイント下回る17.5%だった。同社は2021年に発表した30億米ドルの自社株買いを2023年1月に完了。今後は市場環境を見ながら、50億米ドル規模の自社株買いを行う予定となっている。

 BOCIはSOTP(サムオブザパーツ)方式に基づく同社の米上場株、香港株の目標株価を小幅に引き上げた。2023年予想PER(株価収益率)18.0倍との基準を据え置いた上で、為替変動要因などを反映させ、希薄化後の予想EPS(1株当たり利益)を上方修正したため。さらに「有道」やクラウド音楽事業、直近のネットキャッシュなどを反映させた。一方、レーティング面の潜在リスク要因としては、マクロ経済の回復が遅れる可能性や、配信認可・コンテンツ検閲といった規制強化の可能性、投資や提携の不調の可能性、ADR(米預託証券)の上場廃止リスクなどを挙げている。