2023年に2桁増収達成へ、mRNAワクチン承認などが焦点に
現地コード | 銘柄名 |
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01093 |
石薬集団 (CSPCファーマスーティカル) |
株価 | 情報種類 |
8.56HKD |
株価 企業情報 チャート |
中国の医薬品メーカー石薬集団は抗がん剤「克艾力」の値下げによる影響にもかかわらず、2023年に2桁増収を達成するとの見通しを示し、ジェネリック薬の販売に特化した新たな小売部門を設立する意向も示している。新型コロナウイルス用のmRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンに関しては、関連データを国家薬品監督管理局・医薬品審査センター(CDE)に提出済み。4回目のブースター接種への需要減から、BOCIはこのワクチン「SYS6006」を同社の収益見通しに含めていないが、承認されればmRNAプラットフォームの検証と新たな収入源の獲得につながるとの見方。2022-24年の売り上げ見通しを微調整し、DCF(ディスカウントキャッシュフロー)方式に基づく12カ月目標株価を小幅に引き上げた。現在株価は2023年、2024年の予想PER(株価収益率)で14倍、12倍の水準。BOCIは同社株価の先行きに強気見通しを継続している。
2022年版の「国家医療保険償還医薬品リスト」(NRDL)では、同社の主力製品「恩必普(NBP)」のカプセル剤は価格据え置き、注射液は16%の値下げの対象となった。これはBOCIの予想通り。デュベリシブ(PI3Ki)は今回、NRDLへの収載が見送られた。一方、2月には米コーバス・ファーマシューティカルズに対し、抗体薬物複合体「SYS6002(Nectin-4)」のライセンスを供与。契約一時金750万米ドルと、最大1億3,000万米ドルの開発・規制マイルストーン(進捗段階に応じた支払金)、最大5億5,500万米ドルの販売マイルストーンの支払いを受ける運びとなった。2022年の7月の「SYSA1801(Claudin 18.2 ADC)」、2021年8月の「NBL-015(Claudin 18.2 mAb)」に続き、3つ目の新薬候補が海外提携先にライセンスアウトされたことになる。
新型コロナ用のmRNAワクチン「SYS6006」に関しては2022年12月、治験フェーズ3向けに被験者4,000人の登録を完了。これで被験者数は計6,000人となった。当局によれば、中国国内の新型コロナワクチン接種率は初回のみが93.0%で、フルセットが90.6%。接種間隔を満たした高齢者人口(60歳以上)ではフルセットが96.6%で、ブースターが92.3%。ただ、2022年12月に感染爆発が起きた後には、政府当局のコロナ対策の焦点はワクチン接種より重症患者への対応に移っており、4回目のブースター接種への需要は後退した。BOCIは需要の弱さから、「SYS6006」の潜在収入を業績見通しに織り込んでいないが、mRNAプラットフォームの検証という点で注目している。
BOCIは2022-24年の売り上げ見通しを微調整。目標株価の算出基準を半年先にずらし、DCF方式に基づく目標株価を小幅に引き上げた(WACC=加重平均資本コストと永久成長率に関して、それぞれ10.2%、2.5%を想定)。株価の先行きに対し、強気見通しを継続している。一方、レーティング面の潜在リスク要因としては、新製品の出足が予想以上に鈍い可能性や、薬価引き下げ、研究開発の失敗などの可能性を挙げている。
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