政策的な追い風と先発優位で中古車ビジネスを有望視、今後の成長エンジンに

現地コード 銘柄名
00881

中升集団

(ジョンシェン・グループ)

株価 情報種類

42.95HKD
(2/15現在)

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 BOCIは中国の大手輸入車ディーラー、中升集団について、2023年には高級ブランド車販売事業が成長を回復するとみる半面、中高級車種に関しては日系ブランドの商品サイクルを理由に、さらに縮小する可能性を指摘している。アフターサービス業務についてはゼロコロナ政策に起因する2022年下期の縮小から一転、2023年には2桁増収を回復するとの見方。また、有利な政策動向と先発者優位を理由に、今後は新車に代わり、中古車販売事業が成長のけん引役となる見通しを示した。売上成長率の減速を見込みながらも、きめ細かい内部管理に照準を合わせた新たな発展段階に入るとみて、この先の高質の成長を予想。株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 2022年にはEVへのシフトや新型コロナ感染に伴うロックダウンが、従来型の高級車市場の打撃となり、同社ではベンツ(前年比横ばい)を例外に、BMW、アウディ、レクサスなど主力ブランドの販売台数がいずれも減少した。BOCIは高級ブランドの新車販売で業界平均を上回ったとしながらも、中高級ブランドの低迷により、新車全体では前年比2%減の51万5,000台にとどまったとの見方。2023年に関しては、高級ブランドのプラス成長の回復を予想する半面、中高級ブランドの縮小が続くとみる。

 アフターサービス部門では、「Worry Free Vehicle Maintenance PLUS(養車無憂)」パッケージの2022年4-6月期の導入が寄与し、上期に業界全体をアウトパフォームしたが、ゼロコロナ政策の影響で下期には業務量が縮小。前年同期比、前期比でいずれも減収となった可能性が高い。続く2023年にはゼロコロナ終了を背景に、部門売上高が2桁成長を回復し、収益性も高水準に達するとの見方。このタイミングで、同社がコストダウンと効率化を進めるとみている。

 一方、中古車販売事業では、従来の規制を全面撤廃するという政策方針が追い風。BOCIは自動車メーカーの干渉を受けないディーラーの独立ビジネスとみなし、顧客、車両、資本など多面的な資源管理能力が競争力を決めるとの見方。2022年に全国に中古車センター8カ所を創設した同社は、モノ(車両へのアクセス性)、ヒト(顧客基盤)、場所(店舗と営業支援)の核心的要素を効率的に統合し、同業他社の先駆けとなったと指摘した。また、政策的な追い風と先発者優位により、中古車ビジネスが成長のけん引役になると予想。2023年の中古車取引については、前年を25%強上回る18万台を見込む。

 BOCIは新車販売業務の減速や利幅の縮小見通しなどを反映させる形で、2022-24年の予想純利益を16-21%減額修正。新たに66億元、81億元、91億元に設定した。現在株価は2023年予想PER(株価収益率)で11.1倍と、ヒストリカル平均の15倍を下回ると指摘。同予想PER15倍をあてはめ、目標株価を小幅に引き下げながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。