こんにちは、株主優待好きの主婦、まる子です。毎月優待連載を読んでいただき、ありがとうございます。

 さて、今回のテーマは新NISA制度で「優待×NISA」はアリかナシか。

 既に皆さんご存じだと思いますが、新NISA制度についてもう一度確認しましょう。

 今回は優待銘柄を取得するという前提で、現行でいえば一般NISA、成長投資枠についてです。

 ポイントは制度が恒久化したことと投資枠の大幅拡充。投資枠は現行の年間120万円から240万円となり、非課税期間も無制限。最大投資枠は1,200万円となります。

「優待×NISA」銘柄は運用可能年数で判断

 このような大幅な制度改正で、新NISA枠を使っての優待投資はどのようにすべきか。

 配当や売買益が無税なのは変わらないので、継続的に配当を出している銘柄、高配当銘柄、優待に注目するなら、長期保有で優待のグレードがアップする銘柄などが人気になりそうです。

 恒久化になったことで5年、10年で優待内容がランクアップしたり、特別な体験ができたりする銘柄も選べます。年間240万円となったことで、高額な銘柄にも投資でき、幅広く選べるようになったのは良い点だと思います。

 では具体的な選び方ですが、これは運用可能年数によってかなり違いが出ると思います。

 現在20代、30代の方はこの先30年以上運用できるので、インデックスファンドなどのオールラウンダーに投資をしつつ、継続的に配当を出している、かつ、ご自身の好きな優待銘柄に投資するのが良いかと思います。

 年に1~2回、配当と共にお楽しみの優待が届くのは、「お疲れ様!」のギフトのようで、うれしいですよね。積み立てとの併用ができるので、長期でガッチリ貯めるのは積み立てで、優待部分は投資を楽しむ気持ちで臨むのが良いかもしれません。

 一方60代、70代の方は出口戦略を考えながら、高配当でクオカードなど誰でも楽しめ、誰かに差し上げても喜ばれる優待銘柄を選ぶのが良いと思います。大きく資産を増やすことが目的というより、今保有しているものから年金に足りない分を補い、なるべく「減らさない」ことが大切かと思います。

 配当重視で、優待銘柄はちょっとぜいたくができる、ご家族皆で楽しめるものが良いのではないでしょうか。

優待主婦おすすめ!NISA枠で選ぶ優待銘柄

 では、おすすめ銘柄をいくつかご紹介します。

投資を楽しむ、優待が魅力的な人気銘柄

 まずは安定の人気銘柄から。

 楽しめる優待の一つに旅行がありますが、コロナ禍もようやく出口が見え、国内外の行き来も従来通り活発になってきました。3年近く最悪の状況を乗り切った、日本航空(9201)ANAホールディングス(9202)はいかがでしょうか。

 どちらも現在は配当利回りも低く、ANAに至っては無配ですが、この状況が続くとは思えないので、制度が始まる2024年には華麗なる復活を遂げているのではと思っています。こちらの銘柄は配当というよりも航空運賃半額という優待が魅力ですね。

 外食銘柄をNISA口座で保有しているのも、楽しいです。外食銘柄はおしなべて配当利回りは低いですが、その分優待を厚く出している企業が多いように思います。全国に店舗展開をしているすかいらーくホールディングス(3197)は現在無配ですが、復配も大いにあり得ますし、何といっても優待が使いやすい。

 同様にクリエイト・レストランツ・ホールディングス(3387)も利用可能店舗が多く、最近も優待が使えるお店が増え、ますます便利になりました。400株以上ですと長期優待もあり、優待額も増えるので、楽しみも増すと思います。

 株主約84万人、既にお持ちの方も多いイオン(8267)。日本の全人口の約150人に一人は株主ってすごいですよね。お買い物のたびに割引され、半年に1度現金で還元する、ちょっとアナログな優待も珍しいです。こちらも配当はあまり高くありませんが、株数が多いと割引率も高くなり、少しずつ株数を増やして、日々の節約に貢献する、賢い優待だと思います。

NISA枠を生かした高配当銘柄

 NISA口座の目的の一つである配当が無税を生かした、高配当の優待銘柄もいくつかご紹介。

 現在ダントツに配当利回りが高くなっている商船三井(9104)日本郵船(9101)。どちらもクルーズ割引の優待を出していますが、この銘柄を新NISA枠で購入するのは考えもの。ロシアのウクライナ侵攻による物流混乱での業績好調により高配当となっていますが、長期で考えるとこんな配当利回りが続くことは考えられません。

 目先の「おいしいもの」に目を奪われてはダメですよね。ただ、短期的に配当にかかる税金を節税したい方は、枠が余っているなら現行NISAで買うのもアリだと思います。

 私のお気に入りの優待銘柄の一つ、エクセディ(7278)の優待はカタログ優待。前回は紙のカタログでしたが、SDGsの観点からWebカタログに変更となりました。優待の条件は1年以上継続保有となりますが、配当利回りも高いので優待が届くまでは配当もらいながら待つのが良いと思います。優待は年に1回ですが、配当は年に2回あるのもうれしいです。

 投資額があまり高くないスクロール(8005)は株数に応じても、長期保有でも優待ポイントが増える銘柄。下がったところでコツコツ買い集めて、株数を増しても、配当利回りが高めなので、配当での現金が増え、まさにNISA口座向きの銘柄だと思います。優待もカタログから北海道のおいしいグルメやコスメなど、幅広く選べます。

 無料宿泊券がいただけるサムティ(3244)の優待も良いですね。最近の値上がりラッシュで、何もかも上がっていますが、こちらの優待のように「優待券で無料宿泊」だと、値上がりに関係ないので、インフレに強い優待でもあります。こちらも株数が多くなると、無料宿泊券が増えるので、配当も優待も増え、お楽しみザックザク銘柄になるかもしれません。

新NISA向きの長期保有で得する優待銘柄

 長期保有すると優待額がアップする銘柄もNISA向きです。

 みずほリース(8425)の優待はクオカード3,000円分ですが、1年以上継続保有で4,000円分にランクアップ。額面1,000円のクオカードなので、どなたかにプレゼントしても喜ばれそうです。配当利回りも高めで、今のところ17期連続で増配中。NISA口座に入れておいて、後は放っておけば勝手に増配、優待アップの賢い銘柄だと思います。

 ヒューリック(3003)の優待も3年以上継続保有でカタログから選べる商品が2点となり、倍の内容。配当性向は約40%で業績連動型ですが、安定した継続配当を基本としています。優待は300株から。カタログはグルメ特化で、内容も充実。どれもおいしそうで、毎回かなり悩みます。

 最後のご紹介銘柄はKDDI(9433)。こちらも既にお持ちの方も多いかと思いますが、長期保有の期間が5年と長めなので、新NISAにはちょうど良いかと思います。優待内容が3,000円相当から5,000円相当にランクアップとなりますが、こちらの優待は自社ECサイトのカタログなので、優待廃止のリスクは少ないと見ています。

「長期・積み立て・分散」の基本は忘れずに

 ざっと見てきました新NISAでの優待投資。基本長期での運用となるので、銘柄選びは慎重にじっくり考えて、ご自身が納得できる、応援できる会社を選ぶのが一番かと思います。

 これから新NISAでの投資情報も多くなると思いますが、基本は忘れず、「長期・積み立て・分散」、そして投資を楽しむことも忘れずに。せっかく拡充された制度ですので、大いに活用し、資産を増やしながら優待を楽しんでいただきたいです。

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