ファイナンスリースの中国最大手、優れた資産の質や競争力を高評価

現地コード 銘柄名
03360

遠東宏信

(ファーイースト・ホライゾン)

株価 情報種類

7.03HKD
(2/6現在)

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 遠東宏信は中国最大の独立系ファイナンスリース会社。コロナ禍や不動産不況で中国経済が減速した2020年以降を含め、過去10年間にわたって資産と利益を拡大してきた実績を持つ。利子収益資産と利益は2019-21年に年平均12.8%、12.7%増加し、2022年上期には前年同期比8.7%増、10.5%増。BOCIはその後のゼロコロナ終了と経済成長重視の政策方針を受け、2023年にはそれぞれ前年比10.4%増、10.6%増、2024年にはさらに14.8%増、14.3%増に加速するとみている。また、2023年の平均ROE(株主資本利益率)は14.1%に達し、BOCIがカバーするH株主要銀行銘柄の11.6%を上回るとの見方。2023年予想PBR(株価純資産倍率)で0.54倍という現在株価の低バリュエーションを指摘した上で、株価の先行きに対して強気見通しを付与し、同社株のカバレッジを開始した。

 同社は過去3年間保持してきた優れた資産の質を、2023-24年も維持する見込み。2022年上期の不良債権比率は1.06%と、商業銀行セクターの1.67%を下回る水準だったが、2023年、2024年には1.03%、1.01%へさらに改善する可能性が高い。

 純金利マージン(NIM)も2015年以降、一貫して上向き、商業銀行セクターを上回る水準にある。今後は安定的な資産利回りと資金調達コストの低下を背景に、さらに上向く見込み。BOCIは2023年、2024年のNIMについて、2022年を0.15ポイント、0.2ポイント上回る4.65%、4.7%を予想している。

 主要子会社を見ると、機器オペレーションサービス大手のHorizon Construction Development(宏信建発)の純利益は2023年、2024年に前年比23%、22%増加し、純利益全体の14.5%、15.5%を占める見込み。一方、医療機関経営大手のHorizon Healthcare(宏信健康)に関しては前年比15%、16%の増益を予想。利益構成比は両年ともに2.1%で推移するとみている。

 同社にとっては中国ファイナンスリース業界の集約化も、引き続き追い風となる。規制強化を背景に、国内のファイナンスリース会社の数は2019年末の1万2,182社から減少傾向を示し、2021年末には1万1,917社、2022年6月末には1万1,603社。この先さらに集約化が進み、強い競争力を持つマーケットリーダーの同社がシェアを拡大する可能性が高い。

 同社の現在株価は2023年予想PBR0.54倍と、ほぼ主要銀行銘柄の平均値並みとなっている。BOCIは優れた資産の質や収益成長力、高ROE を理由に、過小評価されている可能性を指摘。過去10年間の平均PBRを5%上回る「2023年予想PBR0.88倍」をあてはめ、目標株価を設定した。レーティング面の潜在リスク要因としては、国内経済の大幅な減速に伴う利子収益資産の増加ペースの減速や不良債権リスクを挙げている。