皆さま、こんにちは!

 2月5日は中国の「元宵節」(旧暦1月15日)、新年最初の満月を祝う祭りで、各家庭でお団子のような伝統スイーツを食べる習慣があります。これをもってようやく春節が終わったことになります。

 上海の豫園では毎年ランタン祭りが開催され、人気の中央広場にはその年の干支(えと)を表した巨大なランタン・オブジェが飾られ、夜には華やかなライトアップを楽しめます。多くの観光客や市民が期間限定のランタンを一目見ようと、豫園名所である「九曲橋」に行列をつくり、大混雑します。とにかくにぎやかな季節と言えます。

上げ下げを繰り返しながらも上昇トレンドに乗った米国市場!

<直近3カ月のS&P500指数の推移>

出所:楽天証券ウェブサイトより

 2023年1月の米国株式市場は2022年12月の軟調相場から回復し、上げ下げを繰り返しながら上昇基調に転じました。月間ではS&P500種指数が6.18%高、ダウ工業株30種平均が2.83%高、ナスダック総合指数が10.68%高と、米国主要3指数がそろって大幅反発しました。

 S&P500は1月としては2019年以来の大幅高、ナスダックは2022年7月以来の上昇率となりました。

 個別では、1月25日引け後にテスラ(TSLA)が第4四半期決算を発表し、売上高・営業利益ともに過去最高を記録し、翌26日に株価は前日比10.96%高と急伸しました。同じように1月27日の市場では、予想を上回る決算を発表したアメリカン・エキスプレス(AXP)が10.54%高、ビザ(V)が2.99%高となりました。

 GAFA銘柄では、予想を上回る決算や自社株買いを発表したメタ・プラットフォームズ(META)が2月2日に23%高と急伸した一方、アップル(AAPL)アルファベット(GOOGL)アマゾン・ドット・コム(AMZN)は予想を下回る決算やガイダンスなどが嫌気され、そろって大幅安となりました。

 マクロ環境に関しては、1月31日に注目の米国10-12月期雇用コスト指数が発表され、前月の1.2%から1.0%に低下し、市場予想の1.1%も下回りました。

 2月1日に開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)結果公表では、利上げ幅が市場予想通りに0.25%に縮小され、その直後のパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の記者会見にて「インフレのペースはスローダウンしている」との認識が示されました。

 引き続き米国市場の企業決算、インフレ状況や利上げ施策に注目しましょう!

中国の「春節経済」は再び世界の注目をあつめる!

<直近3カ月の香港ハンセン指数の推移>

出所:楽天証券ウェブサイトより

 2023年1月の香港株式市場は、2022年12月の上昇基調を維持。主要指数である香港ハンセン指数の1月末終値は2万1,842.33ポイント、騰落率は10.4%高。また、上海総合指数の1月末終値は3,255.67ポイント、騰落率は5.4%高でした。

 中国市場全体において、1月初旬に各主要都市での感染ピークが終わり、4年ぶりに復活する「春節経済」への期待が相場の下支えとなりました。

 中国本土での2023年新型コロナウイルス第1波感染拡大が旧正月休暇以前に終わり、その後に第2波が旧正月休暇後に発生すると世界から懸念されたものの、2月5日現在、都市から地方への大規模な感染拡大はとくに起きていないようです。一部報道によれば、主要都市における全人口の80%以上が1月中旬までに新型コロナに感染し、すでに「集団免疫」を形成したもようです。

 旧正月休暇の7日間において、上海の各観光スポットを訪れた客数は1,000万人を突破、関連売上高は166.40億元(約3,200億円)まで膨れ上がりました。「上海ディズニーリゾート」や「上海博物館」、「東方明珠塔」、「豫園」といった人気観光スポットは入場1時間以上待ちと、大混雑でした。

 従来、世界的な「ショッピングシーズン」といえば欧米のクリスマスシーズンですね。中国の「春節経済」が世界から注目を集め始めたのは、2010年を過ぎたころからです。実は「春節経済」自体はその前から用語としてあったものの、当時の消費水準は世界全体から見れば限定的な規模であったため、「春節経済」の影響は基本的に中国国内に限られていました。

 しかし、中国は今やGDP(国内総生産)世界第2位となり、1人当たりGDPも1万2,000ドル超となっています。一般家庭においても、春節時に購入する商品は高級商品にまで広がり、海外旅行における消費額も世界第1位と発展してきました。世界のショッピングシーズンは、すでに「クリスマス+春節」の構造となっています。

 これからの「春節経済」がどこまで世界経済に寄与していくか、引き続き注目していきましょう!

2023年1月の個人投資家に人気だった外国株式銘柄は!?

2023年1月 米国株式買付金額ランキング

順位 ティッカー 銘柄名 最低購入金額(円) 関連するテーマ
1 TSLA テスラ 25,077 電気自動車
2 NVDA エヌビディア 27,852 半導体大手
3 SOXS Direxion デイリー 半導体株 ベア 3倍 ETF 2,647 レバレッジETF、半導体
4 SOXL Direxion デイリー 半導体株 ブル 3倍 ETF 2,231 レバレッジETF、半導体
5 NFLX ネットフリックス 48,299 動画配信サービス
6 META メタ・プラットフォームズ 24,622 SNS
7 AAPL アップル 20,394 スマホ、PC
8 VTI バンガード・トータル・ストック・マーケットETF 27,428 ETF、米国株式
9 FM iシェアーズ MSCI フロンティア・セレクトEM ETF 3,447 ETF、新興諸国
10 CRWD クラウドストライク 14,990 ソフトウェア(SaaS)
※楽天証券内買付金額ベース。2023年1月1日~1月31日、国内約定日ベース。

2023年1月 米株積立設定件数ランキング

順位 ティッカー 銘柄名 最低購入金額(円) 関連するテーマ
1 VTI バンガード・トータル・ストック・マーケットETF 27,428 ETF、米国株式
2 SPYD SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF 5,610 ETF、高配当株式
3 VYM バンガード・米国高配当株式ETF 14,550 ETF、高配当株式
4 HDV iシェアーズ コア米国高配当株 ETF 13,789 ETF、高配当株式
5 VT バンガード・トータル・ワールド・ストックETF 12,341 全世界、無料ETF
6 VOO バンガード・S&P 500 ETF 50,023 ETF、S&P500
7 EPI ウィズダムツリー インド株収益ファンド 4,232 インド、無料ETF
8 VIG バンガード・米国増配株式ETF 20,723 増配、ETF
9 KO コカ・コーラ 7,896 飲料大手、個別銘柄
10 SOXL Direxion デイリー 半導体株 ブル 3倍 ETF 2,231 レバレッジETF、半導体
※楽天証券内米株積立設定件数ベース。2023年1月31日時点。
※株価は2023年2月3日の終値、最低購入金額は1米ドル=132円で試算。
※最低購入金額は手数料を考慮しておりません。

 楽天証券における2023年1月の米国株式買付金額ランキングでトップとなったのは、電気自動車大手「テスラ」です。昨年は2カ月にわたる上海市ロックダウンによる中国生産工場の一時閉鎖や、マスクCEOによるTwitter買収などの影響から、株価もさえず厳しい1年となった一方、こうした諸問題を乗り越えた濃厚な1年ともいえるかもしれません。

 1月25日マーケット後に発表された第4四半期決算では、総売上高が前年同期比37%増の243億ドル、営業利益は同49%増の39億ドル、いずれも四半期として過去最高を達成しました。

 2022年度通期で見ると、総売上高は前年比51%増の814億6,200万ドル。地域別の売上高では、米国の405億5,300万ドル(全体の49.8%)に続き、中国が181億4,500万ドル(全体の22.3%)。納車台数は前年比40%増の131万台、生産台数も同47%増の137万台といずれも過去最高、順調にスケールアップしている姿が印象的でした。

 同じく、1月の米株積立設定件数でトップとなったのは、米国上場銘柄全体への分散投資ができる「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)」です。比較的銘柄選定が苦手の初心者の方にもおすすめです。インカムゲイン(配当収入)を重視する場合も、高配当銘柄への連動投資機能をそなえたETF(上場投資信託)が魅力的かもしれません。

 一定の金額を定期的に買付できる米株積立を利用すれば、平均購入単価を抑えられます。一方で、こうした「ドルコスト平均法」は、「短期間で大きな利益を狙いたい」場合には不向きです。「長期的に」「じっくり」積み立てしたい方は、ぜひ参考にしていただきたいところです。

2023年1月 中国株式買付者数ランキング

順位 ティッカー 銘柄名 最低購入金額(円) 関連するテーマ
1 9988 阿里巴巴集団控股(アリババ・グループ・ホールディング) 180,370 ネット通販最大手
2 0700 騰訊控股(テンセント・ホールディングス) 654,500 インターネットサービス大手
3 2800 トラッカー・ファンド・オブ・ホンコン 185,130 ETF、ハンセン指数
4 2836 iシェアーズS&P BSEセンセックス・インディア ETF 111,452 ETF、BSE SENSEX指数
5 3988 中国銀行(バンク・オブ・チャイナ) 50,660 金融(銀行)
6 3087 Xtrackers FTSE Vietnam Swap UCITS ETF (Xトラッカーズ・FTSE ベトナム・スワップ UCITS ETF) 36,618 ETF、FTSE ベトナム
7 2801 iシェアーズ・コアMSCIチャイナETF 77,384 ETF、MSCI中国
8 1211 比亜迪(BYD) 2,165,800 自動車・電池メーカー
9 1398 中国工商銀行 (インダストリアル・アンド・コマーシャル・バンク) 69,360 商業銀行最大手
10 1810 小米集団(シャオミ) 45,832 スマホ大手・IoT家電
※楽天証券内買付者数ベース。2023年1月1日~1月31日、国内約定日ベース。
※株価は2023年2月3日の終値、最低購入金額は1香港ドル=17円で試算。
※最低購入金額は手数料を考慮しておりません。

 楽天証券における中国株式買付者数ランキングでトップとなったのは、ネット通販最大手「アリババ・グループ・ホールディング(9988)」でした。「独身の日(11月11日)」セールを国内の一大商戦へと発展させ、いまや海外でもよく取り上げられています。

 同社はタオバオやTmallといったECプラットフォームのみならず、オンライン食料品サービスのTモールスーパーや、旅行予約プラットフォームFliggy、ハイテク食料品スーパーのフーマー(盒馬鮮生)、物流部門ツァイニャオ・ネットワーク(菜鳥網絡)など、多面的なサービスを展開しています。

 余談ですが、アリババ創業者のジャック・マー(馬雲)氏は、2019年9月の会長退任後、引退生活を満喫しているといわれています。ソフトバンクグループ会長の孫正義氏とは21年間にわたる協力パートナーだったこともあり、2022年の半年近くは東京に滞在していたとも報道されています。

 中国版テスラと呼ばれる電気自動車最大手「比亜迪(1211)」は8位にランクイン。2022年12月本決算の純利益は前年比5.3倍から5.6倍となる160億から170億元に達するとの見通しで、新エネルギー車の販売台数では世界首位になったとも報道されています。

 1月31日には、日本市場で個人向け電気SUV(スポーツ多目的車)「ATTO 3(アットスリー)」の販売を開始(希望小売価格は440万円)。今後の販売動向に注目が集まります。

 中国でも「卯年は跳ねる」という相場格言があり、2023年は昨年を上回るパフォーマンスが期待されています。その期待通りに推移していくのか、引き続き注目が集まります。