2022年決算の下押しも2023年下期以降に回復へ、処理能力の増強などが寄与
現地コード | 銘柄名 |
---|---|
03759 |
康龍化成北京 (ファーマロン・ベイジン) |
株価 | 情報種類 |
57.40HKD |
株価 企業情報 チャート |
中国の医薬品開発業務受託(CRO)サービス大手、康龍化成が示した最新のガイダンスにより、2022年12月通期の売上高は前年比36-39%増、特別損益を除外したコア純利益は2-10%増と、市場コンセンサス予想を下回る見通しとなった。同社は続く2023年に、前年比20-30%の売り上げ成長を目指す方針。主力の研究サービス事業と臨床CRO事業が同20-30%の増収、低分子CDMO(医薬品製造開発受託)サービス事業が30%超の増収を確保し、バイオロジクス・CGT(細胞・遺伝子治療)事業はさらに高い伸びを達成する見通しという。経営陣はまた、2025年の売上高を2022年比で倍増させるとの目標を維持している。パンデミックの影響や海外のインフレ、バイオロジクス・CGTプロジェクトの遅れで利益率の低下圧力は続いているものの、BOCIは後期段階にある商用化プロジェクトの進捗(しんちょく)や、世界的な業務処理能力の拡大を理由に、2023年7-9月期の業績回復を予想。目標株価を引き下げながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
同社が示した最新の業績見通しでは、2022年通期の売上高は前年比36-39%増の101億2,000万-103億5,000万元、コア純利益は2-10%増の13億7,000万-14億7,000万元となる見込み。10-12月期のコア純利益は3億1,000万-4億1,700万元にとどまる計算となり、仮に上限を達成しても市場予想を下回ることになる。
部門別では中核ビジネスの売上高が好調を維持しつつ、新規事業の成長が加速する見込み。BOCIはまず、主力の研究サービスについて、2022年通期に前年比39.4%の増収を予想。粗利益率は45.1%へ、1.7ポイント改善するとみる。2023年に関しては同27.2%の増収を見込むという。その他部門は以下の通り。◇低分子CDMO:2022年に前年比38.2%の増収を予想。中国の紹興、英クラムリントン、米コベントリーにおける処理能力の段階的な活用に伴い、2023年に関しては31.9%の増収を予想している。◇臨床CRO:下期のパンデミックの影響で、2022年の予想増収率は28.1%。コロナ対策の大幅緩和で、2023年には25%増を見込む。◇バイオロジクス・CGT:英リバプールでの処理能力の増強と前年実績の低さから、部門別で最も速い成長ペースを示している。
BOCIはWACC(加重平均資本コスト)と永久成長率に関して、それぞれ11.6%、3.5%を想定。DCF(ディスカウントキャッシュフロー)方式に基づき、目標株価を引き下げながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。新たな目標株価は、2023年予想PER(株価収益率)で42倍相当となる。
一方、レーティング面の潜在リスク要因としては、処理能力増強計画の予想外の減速や、世界的なインフレ高進、バイオテック業界の資金調達環境の冷え込みなどの可能性を挙げている。
本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。本コンテンツの情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本コンテンツの記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。