今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは130.35

下値メドは128.05


米CPI:市場の関心度は徐々に低下。ベース効果がとても大きいため、今後下がることは確実。
米債務上限:共和党、債務上限問題を利用して、バイデン政権の大型歳出削減を要求
メキシコ中銀:中銀メンバー5名中4名が追加利上げを支持
ECB:ビルロア・フランス中銀総裁「夏までに終着レートに達する」
南ア:与党ANCが南ア中銀に対する政治介入強め、南アランドが下落

 2月1日(水曜)のドル/円は「円高」。
 1日のレンジは128.53円から130.41円。値幅は1.88円。 

 2023年23営業日目は130.03円からスタート。

 高値は東京時間夕方につけた130.41円。130円台半ばから後半は売りが並んでいる様子で、131円台は1月24日以来見ていない。NY市場では米指標が弱かったことを理由に129円台前半まで下落した。

 FOMC(米連邦公開市場委員会)はこの日、市場予想通り利上げを決定。FOMC声明では「一段の金利引き上げが適当」として利上げ継続姿勢を示したことで、一時129円台後半へ反発する場面があった。

 しかし、マーケット想定内の「タカ派姿勢」であり、FOMCが利上げ終了へ向かっていることを確認すると、ドル売りが強まり明け方には129円台を下抜けて128.53円まで円高に動いた。終値は128.93円(前日比▲1.16円)。

レジスタンス:
129.95円(200時間移動平均)
130.41円(02/01)
130.53円(01/31)
147.57円(22/11/07)

サポート:
128.53円(02/01)
128.34円(01/20)
127.75円(01/19)
127.57円(01/18)

 FOMC(米連邦公開市場委員会)は今回2月の会合で、2022年3月から数えて連続8回目となる利上げを決定した。ただし利上げ幅は、予想通り0.50%から0.25%にペースダウンした。

 振り返ると、FOMCが新型コロナ対策の緊急会合を開き、大規模緩和政策の始まりとなる、0.5パーセントの利下げを実施したのは、2020年3月3日のことだった。

 それから2年経った2022年3月の会合で、FOMCは利上げに政策を転換した。この時からインフレ対策の金融引き締め政策が始まり、現在に至っている。

 利上げを開始してから1年後の3月の利上げを最後に、FOMCは「アイドリング」状態に入ると見られていた。しかし、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長はマーケットの先走りを警戒し、この日の記者会見では、3月終了説を否定し、5月まで利上げ継続の考えを示した。

 ただ、パウエルFRB議長は、ごく初期段階ではあるが「ディスインフレ」のサインがあることを認めている。一方で、最近の米指標はリセッション確率の高まりを示しているため、 FOMCが5月まで利上げを継続することについてマーケットでは完全には信じていない。

 FRBの政策決定において、何が最も重要になるかというと、それは雇用市場だ。雇用市場で失業率が上昇し、就業者の伸びがマイナスになった場合に、FRBは利下げを含めて真剣に考え始めることになる。

 明日の米雇用統計は重要だ。1月雇用統計の詳細については「こんなに求人あるなんて…すごいな! 米雇用市場」 をご覧ください。

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の為替ウォーキング

今日の一言

幸福とは、あなたが考えることと、あなたが言うことと、あなたがすることの調和が取れている状態のことだ  - ガンジー

Can the Can

 2023年は「ボラティリティのボラティリティ」の時代だ。市場や経済のシナリオは、これまで以上に急激に変化する可能性がある。また、そうしなければいけない。

 マーケットの方向を固定(バイアス・アンカリング)することは、相場分析をしたり投資をしたりするうえで、これまで以上に害となる。不確実性が高まるマーケットでは、自分の立てた見通しに固執することなく、常に変化する状況に合わせてシナリオを柔軟に変化させる必要がある。

 新型コロナ感染拡大の最中、世界の中央銀行は一斉に利下げをした。その当時は、世界の金利が元の水準に戻るには40年以上かかると言われていた。米国の金利はすでにそれ以上に高くなっている。

 新型コロナで世界経済が停止している間にNY株式市場が史上最高値を更新することを予想したエコノミストはいなかった。ウクライナ戦争でエネルギー価格が急騰すると専門家は断言した。昨年1月の原油先物価格は81ドル、現在は76ドルだ。

 これからマーケットで起きることに関して、エコノミストと一般投資家の間に知識の差はない。「新春相場セミナー」に頼って投資するよりも、自分で考え、柔軟(フレキシブル)に対応することの方が重要だ。今日のシナリオに固執すれば、明日の損失につながる。

今週の 注目経済指標

出所:楽天証券作成

今週の注目テクニカルレベル(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円)

出所:楽天証券作成