物色対象が成長株から割安株へシフト

 足元の日本株は、相変わらず「二極化相場」が続いています。株価が力強く上昇する銘柄もある半面、全く上昇しなかったり下げ続ける銘柄もあります。

 最近は、成長株はあまり上昇しない一方、PER(株価収益率)が低かったり配当利回りが高い、いわゆる割安株に強い動きのものが目立ちます。

 この大きな要因は、金利上昇により将来の貨幣価値が低下し、成長株の高いPERが否定されるためです。実際、2020年秋ごろの成長株が乱舞していた時期は、PERが100倍を超える銘柄もゴロゴロ存在していましたが、今ではほとんど見当たらなくなりました。

 一方、成長株に逆風が吹く中、株価が割安であることや、高い配当利回りが期待できるという点に改めて注目が集まったことが、割安株に資金がシフトしている理由といえます。

高配当利回り銘柄の株価上昇が目立つ

 最近目立つのが、高配当利回り銘柄の株価上昇です。配当金の増額発表により配当利回りがアップし、株価も大きく上昇する銘柄があります。

 足元では配当利回りが5%を超える銘柄もかなり多く、4%台なら500銘柄以上はザラにあります。

 また、高配当利回り銘柄は、PERもかなり低いことが多く、配当金の面からも、利益の面からも、割安な状況が見直されて評価されているようです。

 ただし、高配当利回り銘柄であればどれも株価は上昇しているというわけではなく、横ばい気味に推移しているものや、株価が下落を続けているものもあります。

値下がりしている高配当利回り銘柄には要注意

 配当利回りの高い銘柄へ投資する際は、単に「配当利回りの高さ」だけで投資銘柄を決めないようにしましょう。

 筆者はまず何を見るかと言えば、「株価の動き」です。株価が下落を続けているような銘柄には手を出さないようにします。

 もし足元の配当利回りが4%と高いものの、株価が下がり続けている銘柄があったとします。これを見て、皆さんはどのように感じますか?

「株価が下がって配当利回りが4%になった!これはお買い得だ!」と感じますか?

 それとも「株価が下がっている。これは業績悪化を織り込んでいるのでは?」と感じますか?

 仮に、マーケット全体が暴落して、ほぼ全ての銘柄の株価が大きく下がっているようなケースであれば、株価が下がって配当利回りが高まっている銘柄には魅力を感じます。

 しかし、足元のように、株価が上昇している銘柄も数多くある中で、株価が下がり続けているというのであれば、配当利回りうんぬんよりも、業績悪化で配当金も減額されるのではないか?という疑念を持つべきです。

 もし足元で配当利回り4%だとしても、今後配当金が半分に減らされたら配当利回りは2%になってしまいますし、それにより株価がさらに大きく下がってしまうかもしれないからです。

よほど安く買えていない限りはキャピタルゲイン狙いの方が安全か

 筆者も、現時点で高配当利回り銘柄をいくつか保有しています。ただ、それは高配当利回りだから買った、というよりは、PERが低く業績が好調で、かつ株価が上昇トレンドだから買ったというのが理由です。

 したがって、たとえ高配当利回りであっても、株価が下降トレンドになったら売却するつもりです。

 例えば「〇〇ショック」のような、業績がよかろうが配当金が多かろうが、十把一絡げに株価が大きく売り込まれ、8%とか10%という、その銘柄にとっては通常あり得ないような、異常なほどの配当利回りであれば、株価のトレンドにかかわらずそのまま保有を続けるというのも一案です。

 しかし、確かに足元では業績や高配当が評価されて株価が上がっているものの、それは長期間続くとは限らない、という状況であれば、株価が下降トレンドになったらいったん売却するのが安全だと思っています。

 もし株価が下がっても保有を続けた結果、業績も悪化、配当金も減額、となれば目も当てられませんから。

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