今週の予想

今週は25日移動平均線を超えられれば、2万7,200円台を試す動きも想定

 先週は、18日(水)に日本銀行の金融政策決定会合で、金融緩和政策現状維持を発表したことで、日米金利差拡大観測からドルが買われ、円安進行となって先物主導で輸出関連株中心に買われて、一時2万6,816円の高値をつけました。

 この水準は、25日移動平均線のあるところで目先はダウ工業株30種平均の下げもあり、20日(金)は2万6,320円まで下げる場面もありましたが、引け値は2万6,553円と高値引けでした。

 さらに、引け後の米国市場で主要3指標そろって大幅上昇となり、シカゴの日経先物は+385円の2万6,915円と25日移動平均線を突破しました。

 今週は、先週末のシカゴ日経先物が25日移動平均線を超える動きとなっている上に、3月期決算企業の第3四半期決算シーズンに入るため、決算絡みの個別銘柄が活発化してくるので全体相場もサポートされて上値を試す可能性があります。先週末に日経平均株価は、25日移動平均線まで戻しているため、まず、2万7,000円を試す動きとなりそうです。

 先週は、日銀会合でリスクとみられていた長期金利の許容変動幅の再引き上げが見送られ、「金融政策の現状維持」が決定されたことで、当面の不安感が後退し、2万6,816円まで上昇しました。

 ここは25日移動平均線のあるところで、いったん上値を抑えられることも想定できますが、先週末の米国株の上昇につれてシカゴの日経先物は+385円の2万6,915円となっていることで上値を試す可能性があります。

 日経平均の日足チャートをみてみると年初の1月4日の安値2万5,661円と16日の安値2万5,748円で短期の2点底となっていますので、12月からの下落トレンドにいったん歯止めをかけた形となっています。

 トピックスは18日に+32Pの1,934Pをつけて75日線、200日線のある1,920P近辺を突破していますので、日経平均は2点底からの上昇となって、まず、200日移動平均線(2万7,200円台)を試す動きも想定されます。

 ただし、米国株がチャート上は、好転していないので、まずは、1月31日~2月1日のFOMC(米連邦公開市場委員会)の利上げに注目となります。もうしばらくは、日米ともに株式相場は荒い展開が続くことになると考えておいたほうがよいでしょう。

今週の指標:日経平均株価

 今週は、先週の18日の高値2万6,816円が当面の上値のフシと考えられるところですが、米国の先週末の株式上昇につれて、シカゴ日経先物が円安によって+385円の2万6,915円となっていることで、2万6,816円はクリアーする可能性があります。そうなると上値は2万7,000円を突破すると200日移動平均線のある2万7,200円を試すことになります。

先週の動き

 先週は、前週の13日(金)の大幅下落を受け、16日(月)は、米利上げペースの減速と日銀の大規模緩和修正の思惑で、ドル安・円高となって1ドル=127円台をつけたことで、一時▲371円の2万5,748円まで下落しました。

 そこからドルが買い戻され、円安の動きとなりました。18日(水)の日銀金融政策決定会合では「現状維持」となりましたが、予想外に円安進行となり、先物主導で上げ幅を拡大し、一時+678円の2万6,816円まで上昇しました。

 引け後の米国では、この日、景気悪化懸念で急落し、NYダウは▲613ドルとなり、これを受けて19日(木)の日経平均は、▲385円の2万6,405円と大幅反落で引けました。

 週末20日(金)は、売り先行で始まるものの、円安歩調で持ち直し、ハンセン株などアジア株の上昇がサポートとなり、後場には株価指数先物にまとまった買いが入り、上げ幅を拡大し、+148円の2万6,553円で引けました。

今週の指標:NYダウ(ダウ工業株30種平均)

 今週は、本格化する決算発表が注目となり、高インフレで値上げによる小売の販売数の減少などが懸念され、景気後退懸念が消費の面でリスクとしてくすぶります。また、今週はGDP(国内総生産)など重要な経済指標の発表が目白押しとなっていますので、経済指標の結果が株価にどう影響を与えるか注目するところです。

先週の動き

 1月16日(月)はキング牧師の生誕祭で休場でした。17日(火)は、ゴールドマンサックスの決算を嫌気し、NYダウは▲391ドルの3万3,910ドルと5日ぶりの反落となり、18日(水)は、これまでの過剰な利上げによる景気悪化が警戒され▲613ドルの3万3,296ドルと大幅続落となりました。

 さらにFRB(米連邦準備制度理事会)高官による、まだ利上げ必要のタカ派的発言が嫌気され▲252ドルの3万3,044ドルと3日続落しました。週末は、動画配信大手ネットフリックスの好決算を受け上昇。これを受けて決算発表を控えたハイテク銘柄が買われ、NYダウは+330ドルと4日ぶりに反発し、3万3,375ドルで引けました。

今週の指標:ドル/円

 先週までは、日銀の金融政策決定会合が注目され、円相場主導の動きとなっていましたが、ここを通過したことでFOMC(1月31日~2月1日)に向けての利上げが注目され、ドル/円相場の動向が気になるところです。

先週の動き

 週前半は、127円水準の円高の動きとなっていましたが、18日(水)の日銀決定会合での金融政策の現状維持で、日米金利差拡大観測でドルが買われ一時131.58円の円安へ。19日(木)は、米国の景気後退懸念でドルが売られ、一時127円台へ。しかし週末の20日(金)は、再度、日銀決定会合での現状維持から、ドルが一時130.61円まで買われ、引け値は129.56円でした。

先週の結果

先週は、日銀の金融政策決定会合で「現状維持」を受け、買い戻しで大幅上昇し、底堅い動きで引けました

 先週は、17~18日に開催される日銀金融政策決定会合が注目になるとしました。日銀会合に対する見方は、特に外資系金融機関の見方は、大規模金融政策の修正があるのではないかとの見方が多いようで、そうならば円高がさらに進んで株式市場の重荷になる可能性があるということでした。

 しかし、国内の金融機関は、現状維持の見方が多くなれば、当面、不透明感が残って方向感のない展開が想定されていました。

 結果的には、18日(水)の日銀の決定は「現状維持」でしたが、予想に反して円安が進行し、株式は先物が買われ、一時+678円の2万6,816円をつけました。前場、終値の2万6,301円から大きく上ブレしました。想定内との見方があったとはいえ、ショートカバー(買戻し)が強まり大幅上昇となりました。

 市場では、一時的な上昇であり、再び、緩和修正の思惑が出てきて不安定な動きになっていくとの見方が多いようでした。

 その後、米国市場ではインフレがピークアウトを打ったという見方は、一時的に上昇をもたらしたものの、上昇後は、これまでの過剰な利上げが景気を悪化させているという警戒感が強まり、下落に転じています。

 NYダウは、17日(火)から19日(木)までの3日間で1,000ドルを大きく超える下落となっています。

 しかし、日経平均は、18日(水)の日銀会合を受けて、+652円の2万6,791円で引けたものの、その後のNYダウの大幅下落にかかわらず、底堅い動きをしており、週末の20日(金)は、2万6,320円の安値をつけたあとは、ジリ高となり、後場には+148円の2万6,553円と2万6,500円台を回復して引けました。

 ハンセン株高などアジア株の上昇も支えとなり、後場には株価指数先物にまとまった買いが入ったのをきっかけに上げ幅を拡大しました。

 週末の米国市場は、動画配信大手ネットフリックスが前日の決算で予想を上回ったことで、今後、本格化するハイテク株全体に買いが集中し、一方、FRBのウォラー理事が、インフレ圧力が緩和している見方を示し、次回のFOMCでの上げ幅を0.25%で支持することを表明したことで、主要3指標そろって上昇し、NYダウは+330ドルの3万3,375ドルとなりました。

 シカゴ日経先物は円安進行を受けて+385円の2万6,915円となっていました。