12月20日の日本株:金融政策修正で突然の急落
去る12月20日の昼、マーケットが突然大きく動きました。日本銀行の金融政策修正が報じられ、債券価格は急落(金利は上昇)、為替レートは一気に数円の円高・ドル安となり、日経平均株価は一時前日比800円を超す急落となりました。
個別銘柄においても、20日の後場は大きく下落し、終値が始値を大きく下回る「大陰線」をつけるものが続出しました。
こんな中、ある個人投資家の方は「昼間の先物の動きを見ていたら恐怖を感じ、後場の寄り付きで保有株を全部売ってしまった」と話していました。
23日も株価が下落し、日本株は軟調な動きが続いたため、保有株を全部売ってしまったことは、とりあえずは悪い方向へ転がることにはなっていません。では果たして、株価急落を懸念して保有株を全て売却するという行動は正しかったのでしょうか?
持ち株を全部売却した場合、その後のシナリオは?
株価の急落により持ち株を全部売却した場合、その後に考えられるシナリオはいくつかありますが、両極端にいえば次の二つのシナリオが考えられます。
【シナリオ1】さらに株価が下落する
もし、持ち株を全部売却した後にさらに株価の下落が続いた場合、良いタイミングで株を売ることができた、ということになります。
【シナリオ2】株価が急騰する
持ち株を全部売却した後に株価が急騰した場合、下手をすると買いなおすことができず、得ることができたはずの利益を逸することになってしまいます。
持ち株の全部売却は悪手ではないがベターとは言えない
つまり、株価が急落したときに持ち株を全部売却した場合、さらに株価が大きく下がって「ああ、売っておいてよかった」と安堵(あんど)するケースと、株価が急反発して「売らなければよかった」と後悔するケースが生じることになります。
ただ、持ち株を全部売却することで、仮にそこから株価がさらに大きく下がった場合でも追加的な損失を被ることはないので、必ずしも悪手というわけではありません。
株価がどんどん下落する中、持ち株を売らずに我慢して持ち続けた結果、大量の塩漬け株を作ってしまったり、我慢できずに安値で投げ売りしてしまう方がはるかに悪手です。
一方、株価が急反発したときは、株価上昇の恩恵を受けられないことになるので、利益をとり逃す恐れが高いという点がデメリットです。
このように、株価が突然急落したとき、持ち株を全て売却するのは悪手ではないですがベターとも言えません。では、筆者はどのように動いたのでしょうか?
株価急落時、筆者は実際どうしたか?
保有株については、一部に逆指値の売り注文をあらかじめ入れておき、25日移動平均線割れとなったら売り注文が発注され売却されるようにしていました。
また、逆指値の売り注文を入れていない保有株は、昼過ぎに株価をチェックした際に25日移動平均線を割り込んでいるものはその場で速やかに売却しました。
こうすることにより、25日移動平均線を割り込んだ保有株は売却する一方、25日移動平均線を上回っている保有株はそのまま保有継続することができます。
25日移動平均線を割り込んだ銘柄は弱い銘柄、25日移動平均線を割り込まなかった銘柄は強い銘柄といえますから、強い銘柄のみを残してその後に備えることができるのです。
もしこの後も株価が下落したら、保有株が25日移動平均線を割り込んだときにそれらを順々に売却していけばよいわけです。
もし株価が反発したら保有株の株価上昇の恩恵を受けられますし、いち早く25日移動平均線への復帰を果たした銘柄を買い直すことにより、さらなる株価上昇へ備えることができます。
このやり方が利益を極大化するわけでも、損失を極小化するわけでもありませんが、急落後株価が上下どちらに動いてもそれなりに対応でき、大きな実現損や含み損、機会損失を回避することができます。つまり、大勝ちもしないが大負けもしないということです。
株式投資で重要なのは「ギャンブルをしないこと」。うまくいけば大きな利益になるが失敗すれば大きな損失につながるような行為は避けるべきです。それよりは、どう転んでも大きな損失にならず、そこそこの成果を出せる方法を取る方が、長い目でみれば安定的に資産拡大につながるのではないかと思っています。
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