今週の予想

今週は様子見で手を出さずに年越しを

 今週は、先週に引き続き様子見となりそうです。

 ただ、日本銀行の金融政策変更を受けて株価が急落し、10日ほどで2,000円を超す下落幅となっていることで、短期的には調整が相当進んだとみてよく、為替の動きによってはいったん底入れして来年に向けての反発局面への体制の週となるかもしれません。

 ただ、米国のFRB(米連邦準備制度理事会)では利上げペースを緩められない状況が続いており、金融引き締めの長期化が世界経済を冷え込ませる懸念が継続することになります。

 先週のチャートは、日銀の「実質増税」と岸田文雄政権の「増税」を受け、週末の23日には2万6,106円まで下げました。

 200日移動平均線(22日時点2万7,245円)や52週移動平均線(2万7,312円)を大きく割り込み、調整入りを鮮明にしています。

 目先は一服して反発があったにしても、この先10月の安値2万5,621円や3月安値の2万4,681円を模索してもおかしくありません。

 信用買い残も16日申込時点でみると、3兆3,354億円となり、3月4日の3兆3,522億円以来の高水準となっています。

 20日の日銀ショック(▲669円)で信用買い残の多くが評価損をかかえていることになっていますので、年末に信用買い残の見切り売りが出る可能性があります。今年は手を出さずに年越しが基本といえます。

今週の指標:日経平均株価

 今週も先週の流れを引き継ぎ様子見となりそうです。26日(月)の欧米各国はクリスマスで休場。イギリスや香港は27日(火)も休場となり、薄商いで個別銘柄物色相場となりそうです。

 国内も年末年始モードに入りますが、海外勢はクリスマス休暇が終わり、新年に向けて本格体制になってくるので、まず来年をみてから動くことになります。

先週の動き

 先週の予測では、2万7,000~2万8,000円のレンジ内の動きを想定。19日(月)は、▲289円の2万7,237円と2万7,500円の心理的フシ目を切りました。

 20日(火)になると後場の日銀金融政策決定会合で予想外の大規模緩和の修正を発表。変動許容幅を0.25→0.5%としました。市場では実質の0.25%の利上げとみられ、日経平均株価は一時▲820円の2万6,416円まで急落。

 21日(水)は▲298円の2万6,269円まで下げるものの、翌22日(木)は下げすぎからの+120円の2万6,507円と反発。

 しかし引け後のダウ工業株30種平均が▲348ドルの急落となったことで、週末の日経平均は一時▲401円の2万6,106円まで下落し、終値では▲272円の2万6,235円となりました。

今週の指標:NYダウ(ダウ工業株30種平均)

 本日26日(月)は、クリスマスの振り替え休日で休場。FRBの利上げ継続と、それが景気後退につながるという懸念は根強く、年末ラリーへの期待も薄まるため、年末にかけての大きな上昇は期待できそうにありません。

 1月4日にFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録公開、6日には雇用統計の発表を控え様子見が続きそうです。

先週の動き

 前週末からFRBの利上げ継続が景気を冷やし、企業業績への懸念も生まれて下落が続き、19日(月)は▲162ドルの3万2,757ドルでスタートしました。

 20日(火)は日銀のネガティブサプライズを受けたものの、NYダウは+92ドルの3万2,849ドルと5日ぶりの反発。21日(水)はナイキやフェデックスが好決算を発表したことで、企業業績の過度な警戒心が和らぎNYダウは+526ドルの3万3,376ドルと大幅続伸となりました。

 しかし22日(木)は7-9月期GDP(国内総生産)が予想を上回って好調だったことから、利上げ懸念が再燃し、一時▲803ドルまで下げて、終値は▲348ドルの3万3,027ドルと反落しました。

 週末の23日(金)は、クリスマス休暇で市場参加者が少ない中、原油高を受けてNYダウは+176ドルの3万3,203ドル、ナスダック総合指数は+21Pの1万497Pの反発でした。

今週の指標:ドル/円

 日銀は今後引き締め的な政策に転換するとの見方が広がっていますが、株式などのリスク資産から安全資産であるドルへの逃避が広がる可能性があり、ドルは下げ渋りとなりそうです。

先週の動き

 先週は、20日(火)の日銀の金融政策決定会合での長期金利の許容変動幅の拡大を受け、実質利上げとの見方から、一時1ドル=130.58円まで急落しました。

 ただ、131円以下ではドル買いが観測されており、23日には一時133.14円まで上昇し、週末は132.84円で引けました。131~134円のレンジの動きとなっています。

先週の結果

先週は、20日の日銀の緩和修正のサプライズを受け急落し下値確認へ

 先週の予測では、2万7,000~2万8,000円のレンジの中でのもみあいを想定していました。

 20日(火)の前場は+77円の2万7,315円と4日ぶりの反発となったものの、午後の日銀金融政策決定会合では事前に予想していた現状維持に反して、大規模緩和の修正を発表し、ネガティブサプライズとなりました。

 為替は急速な円高が進み、日経平均は一時▲820円の2万6,416円まで急落し、▲669円の2万6,568円で引けました。

 21日(水)には、▲298円の2万6,269円まで下げ、終値でも▲180円の2万6,387円と2万6,500円を割り込んで引けました。

 この日の引け後の米国市場では、ナイキなどの好決算を受けて、過度な警戒感が和らぎNYダウは+526ドルの3万3,376ドルと反発しました。

 これを受けて22日(木)の日経平均は、直近の5日間で1,700円強の下落となっていたことで、自律反発も加わって反発となりましたが、海外投資家がクリスマス休暇入りで買い手が少なく+120円の2万6,507円の反発で終わりました。

 しかし、引け後の米国市場では、7-9月期のGDPが予想を上回ったことで、利上げ懸念が再燃し、主要3指標そろって大幅下落となり、NYダウは一時▲803ドルの3万2,573ドルまで下げ、終値では▲348ドルの3万3,027ドルとなりました。

 週末の23日(金)は、前日の米株式が半導体企業の先行き業績の警戒感からフィラデルフィア半導体株指数が4%を超える下げとなったことで、半導体関連株が売られました。

 これを受けて日経平均では円高の影響もあり、半導体関連株が大きく売られ一時▲401円の2万6,106円まで下げました。売り一巡後の戻りも限定的で終値は▲272円の2万6,235円でした。

 週末のNYダウは、クリスマス休暇の市場関係者が多く薄商いの中で原油相場高を受け、エネルギー株が上昇しました。

 NYダウは+176ドルの3万3,203ドル、ナスダックは+21Pの1万497Pでした。シカゴ日経先物は+65円の2万6,215円となっていました。