音楽配信事業の長期見通しが明確、苦戦のソーシャル部門は新たな投資に期待
現地コード | 銘柄名 |
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01698 |
騰訊音楽娯楽集団 (テンセント・ミュージック) |
株価 | 情報種類 |
31.65HKD |
株価 企業情報 チャート |
テンセント(00700)傘下の音楽配信会社、テンセント・ミュージックについて、BOCIは売り上げ成長と粗利益率の拡大という両面から、長期見通しを楽観視している。サブスクリプションビジネスの伸びと広告の増加が音楽配信サービスの増収を後押しするとの見方。また、収入構成やコンテンツコストの最適化などが部門粗利益率の改善を後押しするとみる。一方のソーシャルサービス部門は競争激化により、短期的には厳しい環境が続く見通しだが、販売費の効率的な管理と豊富な手元現金を強みに、新たなビジネスモデルへの投資を拡大させると予想。香港上場株、米上場株(TME)の目標株価をそろって上方修正し、株価の先行きに対する従来の中立見通しを強気に引き上げている。
サブスクリプション業務と広告のけん引で、音楽配信部門の売上高は今後3-5年間、力強い伸びを維持する見込み。BOCIはサブスク業務について今後3年間に前年比10%台後半の増収が続くとみる。有料会員比率の上昇とARPPU(有料ユーザー1人当たり平均収入)の増加が寄与する見通しという。うち有料会員比率はペイウォール(無料でのアクセス制限の仕組み)戦略や魅力的な優遇特典、機能面のアップグレード、効果的なマーケティングなどを背景に、2021年の14%から2025年には22%に上向くと予想。年間1,000万人超の有料会員の純増が見込めるとしている。また、ARPPUも上位カテゴリー「スーパーVIP」効果で、2023-25年に年率6%増加するとみる。広告に関してはオープンスプラッシュ広告の再成長や新たな広告フォーマットの投入、中国の政策転換を受けた「TME live」(ライブ配信サービス)と「TMELAND」(音楽メタバースサービス)上でのスポンサー広告の増加などが追い風。BOCIはこうした要因を考慮し、音楽部門の売上高が2023-25年に年率10%台半ばの伸びを確保するとみている。
従来型のソーシャルビジネス部門では短中期的に競争環境が続く見通しだが、新たなビジネス構想への投資がこれを相殺する見込み。BOCIは2022-24年の部門売上高に関する予想をほぼ据え置きながらも、オーディオライブ配信と海外のソーシャルビジネスへの予想投資額を引き上げた。また、販売・マーケティング費をさらに絞り込み、再配置を行うとの見方。こうした要因を反映させた上で、同社全体の2025年の粗利益率と営業利益率に関する予想を34%、20%に設定した(2021年実績は30%、12%)。非GAAPベースの純利益は2021-25年に年率平均15%増加するとみている。
また、音楽ビジネスの長期成長見通しなどのほか、ネット銘柄の最近の株価修復を考慮し、2023年の非GAAPのPER(株価収益率)20倍とEPADS(平均希薄化後EPS(1株当たり利益))0.46米ドルをベースに目標株価を大きく引き上げた。レーティング面の潜在リスク要因としては、国内ソーシャルストリーミング市場の競争や政策動向、収益化の遅れ、米国での上場廃止などの可能性を挙げている。
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