今週の予想

今週は、2万7,000~2万8,000円のレンジの中で2万7,500円を中心にもみあいも

 先週は、米金融政策を嫌気して、下値を探る展開となり、今週は海外投資家がクリスマス休暇に入るため薄商いの中、引き続き上値の重い展開となりそうです。

 世界的な景気後退への警戒感が高まっており、経済指標をみながらの神経質な動きとなるかもしれません。国内では先週に引き続き12月IPO(新規公開株)ラッシュとなり、個別株物色となりそうです。

 日米のチャートをみると、ダウ工業株30種平均は12月1日の3万4,595ドル、13日の高値3万4,712ドルとダブル天井となっています。

 14日時点の25日移動平均線3万3,835ドルを割り込み、11月9日以来の3万3,000ドル割れですので調整入りの可能性が高まりました。

 そうなると日経平均株価は、25日線(2万7,900円水準)をすでに切り、75日線(16日時点2万7,529円)も視野に入ってきますので、11月24日の2万8,502円を突破できず、調整入りの可能性が出てきました。

 12月の経験則に「12月のSQ前後に戻り天井を打つ」というものがあるとしましたが、そのような動きになっています。今週は、2万7,000~2万8,000円のレンジを想定します。

今週の指標:日経平均株価

 先週末は、急速な円高となっており、これまで円安を前提に輸出関連株が買われ相場の上昇を支えてきました。当面は足元の円高を織り込みながらの動きとなりそうです。

 また米景気減速懸念が強まっており、経済指標が注目となります。日経平均の目先の下限は週足の移動平均線が集中している2万7,400円水準となります。

 ただし、25日移動平均線(2万7,800円水準)を切って引けましたので注意が必要です。

先週の動き

 週半ばまでは、中国のコロナ感染拡大や抗議活動の活発化を受け、28日(月)は▲120円、29日(火)は▲134円、30日(水)は▲58円の2万7,968円と前週末から4日続落となりました。

 12月1日(木)は、前日のNYダウの利上げ幅縮小見通しから+737ドルの大幅上昇となったことで、日経平均も一時+454円の2万8,423円まで上昇し、終値は+257円の2万8,226円でした。

 しかし週末は、NYダウ安と急速な円高を受け、▲563円の2万7,662円まで下げ、終値は▲448円の2万7,777円でした。先週は2万7,800~2万8,600円のレンジを想定していましたが、下限を切って引けました。

今週の指標:NYダウ(ダウ工業株30種平均)

 日足チャートをみると12月1日の3万4,595ドル、13日の3万4,712ドルと2点天井をつけて、下値ポイントを切ってきましたので、目先、調整入りの可能性が高まりました。下値ポイントの一つである3万3,000ドル台をすでに割り込んでいます。

 FRB(米連邦準備制度理事会)が長期にわたり、金融引き締めを維持するとの思惑が売り材料となります。

 FRBのこれまでの過度な利上げにより、来年、景気後退するとの懸念が強まりつつあります。週後半はクリスマスを控えて調整が強まる可能性があります。

先週の動き

 先週12日(月)は、NY連邦準備銀行調査によるインフレ期待が低下したことを好感し、+528ドルの3万4,005ドルとなりました。13日(火)は、3万4,712ドルまで上昇するものの、上値重く+103ドルの3万4,108ドルでした。

 その後は上値重く15日(木)は、小売売上高が予想を大きく下回ったことで、景気後退懸念が強まり、一時▲950ドル下げて、終値は▲764ドルの3万3,202ドルでした。

 週末の16日(金)は12月PMI(購買担当者指数)が予想を下回ったことで、一時▲547ドルまで下げ、終値では▲281ドルの3万2,920ドルと11月9日以来の3万3,000ドル割れとなりました。

今週の指標:ドル/円

 米長期金利の低下は、ドル売り要因となりますが、金融引き締めの長期化が想定されているため、ドルは下げづらい状況が続くと予想されます。

 また、年末年始の休暇入りを控え、持続的なドル売りは縮小し、ドル/円は底堅い動きとなる可能性があります。

先週の動き

 週前半は、米長期金利の上昇を受けた、ドル買いが強まって137円台後半まで買われましたが、13日の消費者物価指数が予想を下回ったことで、135円台を割り込みました。 

 FOMC(米連邦公開市場委員会)後は引き締めの長期化を警戒して、ドル売りは縮小し、ドル買い優勢となって、15日には欧米市場ではドルは一時138円台まで買われました。

 週末の16日は、この日、発表された12月製造業PMIが予想を下回ったことで、ドル買いが縮小し、136.68円で引けました。

先週の結果

先週は、週末に想定した2万7,500~2万8,400円の下限を一時切る

 先週の予測では、日経平均は2万7,500~2万8,400円のレンジの中の動きを想定しました。

 週始めの12日(月)は、前週末の米国株式では生産者物価指数が予想を上回ったことで、利上げ長期化懸念からNYダウが▲305ドルとなっていたことで、日経平均は朝方▲166円の2万7,734円まで下げましたが、終値では▲58円の2万7,842円でした。

 その後は反発に転じ、14日(水)は前日のNYダウが11月CPI(消費者物価指数)の伸びの鈍化を受けて、利上げ長期化への懸念が後退し、一時+240円の2万8,195円まで上昇し、終値は+201円の2万8,156円と半月ぶりの2万8,000円台回復となりました。

 15日(木)は、FOMC通過で手掛かり材料に乏しく、上値は限定され▲104円の2万8,051円でした。

 しかし、週末は前日の米国市場でFOMCの利上げ長期化による景気悪化懸念の見通しや11月小売売上高が予想以上の悪化となったことで、景気後退懸念が一段と強まり、NYダウは一時▲950ドル下げて、終値は▲764ドルの3万3,202ドルの大幅続落となりました。

 これを受けて、世界的に景気が後退するとの懸念が強まり、半導体・電子部品関連株を中心に売りが広がり、▲524円の2万7,527円となりました。

 先週は、2万7,500~2万8,400円をレンジとしていましたが、14日(水)に2万8,195円まで上昇し、週末の16日(金)は一時2万7,488円と一時2万7,500円を割り込みましたが、終値では2万7,527円でした。

 週末16日(金)のNYダウは、▲281ドルの3万2,920ドルと3日続落で、11月9日以来の3万3,000ドル割れとなりました。

 14日のFOMCの結果を受け、利上げの長期化見通しや景気後退懸念が強まり、一時▲547ドルまで下げ▲281ドルで終わりました。

 シカゴの日経先物は▲190円の2万7,280円となっていました。