今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは138.10

下値メドは135.30

英経済:英政府、緊縮財政で電気自動車の優遇税制廃止
英経済:英政府、財源確保で石油企業のウィンドフォール税を35%に増税
英経済:ハント財務大臣「公的債務をGDPの3%以下、2027年に達成する」
英中対立:英政府、中国による英半導体企業買収を阻止。安全保障理由 
FOMC:ボストン連銀総裁「12月会合で0.75%利上げの可能性ある」
米インフレ:CPIの鈍化傾向明らか、今後1年から1年半で急低下か。
ドイツ:IGメタル労使交渉、来年5.2%の賃上げと非課税一時金45万円で決着  
豪経済:失業率が過去最低水準まで低下  
豪経済:RBAは大幅利上げに消極的。来年初めに大幅な経済減速を予想
豪経済:RBAの金融引き締め「やりすぎ」よりも「やらなすぎ」に方針転換  

 今日もドル/円は方向感の出ない取引となった。来週の怒涛のイベント襲来に備えて体力温存中だ。

 2022年最後のFOMC(米連邦公開市場委員会)会合は来週12月14、15日に開催されるが、その日まではブラックアウト期間といって、関係者は金融政策に関する発言が一切禁止される。マーケットに新しい情報はまったく入ってこない。

 パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長はブラックアウト期間入り直前に「インフレを下げるために必要なことは、労働市場の熱を冷ますこと」だと述べていた。

 しかし、11月の米雇用統計は残念ながら「強かった」。失業率は50年ぶりに低水準で、NFP(非農業部門雇用者数)は、ヘルスケア部門やサービス業の堅調な雇用に支えられて26.3万人増加した(予想20.0万人増)。平均労働賃金は前年比5.1%上昇で、インフレ率に見合う水準を少なくとも1.5%上回って上昇している。

 FOMC(米連邦公開市場委員会)は12月会合で、利上げ幅を0.5%に減速するのか、それとも労働市場をクールダウンするために0.75%の利上げを行うのか。

 その判断材料として重要になってくるのが、最近では雇用統計よりもマーケットを動かすパワーがあるCPI(消費者物価指数)だ。11月の米CPIは、FOMC政策金利の前日に発表される。

 来週はFOMCをはじめとして、ECB(欧州中央銀行)、BOE(イングランド銀行)、SNB(スイス)、ノルウェー中銀、メキシコ中銀が今年最後の政策金利を発表する。日銀は10-12月の短観を発表する。

 しかしその前に、今夜(9日)は11月米PPI(卸売物価指数)と12月ミシガン大学消費者態度指数の発表がある。ミシガン大学調査によるインフレ期待値はFRBも注目していて、FOMCが6月会合で0.50%を上回る0.75%の大幅利上げを決定する要因になったといわれている。

 12月8日(木曜)のドル/円は横ばい
 1日のレンジは136.24円から137.25円。値幅は1.01円。 

 2022年244営業日目は136.53円からスタート。東京時間朝に136.24円まで下げたが、前日の安値(136.22円)手前で反転すると、昼過ぎに137円台を回復し137.25円まで上値を伸ばした。終値は136.68円(前日比+0.08円)。

レジスタンスは、
136.85円(200時間移動平均)
137.25円(12/08)
137.86円(12/07)
138.10円(12/01)

サポートは、
136.24円(12/08)
136.22円(12/07)
135.96円(12/06)
134.13円(12/05)

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の為替ウォーキング

今日の一言

膨大な負けを無駄にしない人が人より少し勝つことができる。– 武豊(競馬騎手)

Separate Ways

FRBは「どれだけ早く」から「どれだけ長く」へ

 米国のインフレ指標であるCPI(米消費者物価指数)の10月は前年比+7.7%で、予想よりも低い伸びとなった。今年3月からずっと円安街道を北上していたドル/円は、この結果を受けて1日の値動きとしては今年最大となる7円も急落。いわゆる「CPIショック パート2」が起きた。さらにその後に発表されたPPI(卸売物価指数)も低下して、ドル/円は10月21日につけた151.95円のピークから約1カ月で14円も円高に「戻った」。

 インフレ率の低下は、FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げがついに効き始めたということだ。これ以上の利上げは、リセッションという副作用の大きさを考えると、そろそろペースを落とす頃合いだという見方が広がった。

 FOMCは、これまで4会合連続で0.75%の利上げを実施してきたが、今年最後の12月会合では、利上げ幅を0.50%に緩め、さらに来年のいずれかの時点では「利下げ」もありえると考え始めている。しかし、FRBはマーケットのこのような「過剰な楽観論」を快く思っていない。

 ウォラーFRB理事は10月CPIについて「ある時点のデータに過ぎず、あまり深読みしてはいけない」と警告する。現在の8%近いインフレ率は、FRBの目標値2%と比較して「とんでもなく高い」と指摘し、利上げ休止期待を完全否定した。

 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁によると、そもそも12月FOMCの0.50%利上げを「ハト派的」と見なすのが間違いということだ。なぜなら「FOMCは1983年から合計88回利上げをしてきたが、そのうち75回はは0.5%より低かった。」

 FOMC(米連邦公開市場委員会)の11月会合の議事録には、「参加者の大部分は、引き上げペースの減速が近く適切となる可能性が高いと判断した」と記されている。FOMCは、12月0.50%、来年2月0.25%、3月0.25%と利上げした後、休止モードに入る。現在4.00%のFF金利は、5.00%前後が打ち止めになるというのがマーケットの予想だ。

 もっとも、投票権を持つ最右派のブラード・セントルイス連銀総裁は、「十分に引締め的な金利水準とは5%から7%である」として、マーケット予想を上回る水準になるまで利上げする考えを持っている。

 重要なことは、パウエルFRB議長をはじめFRBの多くのメンバーが、「政策金利の終着レートはまだ高くなるべきだ」という考えを共有していることだ。「利上げ減速」は累積効果を測定するためであって「利上げ停止」ではない。インフレの状況次第によっては加速することも十分ありえるのだ。

 パウエルFRB議長は、インフレ制御のためには、過熱している雇用市場を冷まさなくてはいけないと考える。就業者数が伸びないまま平均賃金上昇率の高止まりが続くなら、インフレ警戒を強め大幅利上げということもありえる。利上げ終了のハードルはかなり高い。FRBがハト派に転向したと考えるのは早いのだ。

今週の 注目経済指標

出所:楽天証券作成

今日の注目通貨:ドル/円

予想レンジ ↑139.58円 ↓130.60円 

 今週のドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は135.09円。
135.09円より上ならばドル買い優勢、135.09円より下ならばドル売り優勢。

2022年現時点の高値は151.95円、安値は113.47円。平均値は132.71円。
1日の最大値幅は6.40円、平均値幅は1.34円。
2022年の値幅は38.48円。
2021年の終値(115.09円)に比べて25.30円の円安。

148.82円    :     11月 高値 
141.29円    : 第4レジスタンス(HBO)    
139.58円    : 第3レジスタンス  
 
138.10円    : 12月 高値 
137.86円    : 第2レジスタンス    
137.49円    : 11月 安値

137.33円    : 第1レジスタンス        

135.09円 : ピボット

133.86円    : 12月 平均値
133.62円    : 12月 安値 

132.85円    : 第1サポート    
132.71円    :2022年 平均値
132.32円    : 第2サポート    
130.60円    : 第3サポート    
128.89円    : 第4サポート(LBO)
    

2022年 ドル/円データ