2022年7-9月は販売減も利幅が改善、補助金の年内終了などで当面苦戦か

現地コード 銘柄名
09868

小鵬汽車

(シャオペン)

株価 情報種類

29.00HKD
(12/1現在)

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 新興EV(電気自動車)メーカー、小鵬汽車の2022年7-9月期の売上高は前四半期比で8.2%減と販売台数の14.1%減より小幅の減収に踏みとどまった。平均販売価格の上昇が背景。ただ、BOCIは短期的な販売台数の減少見通しや年末での新エネルギー車補助金制度の終了を理由に、今後2四半期にわたって利幅の縮小圧力が続くとみている。販売台数は補助金終了直後の2023年1-3月期に鈍化した後、4-6月期以降は回復に向かうと予想。「G9」や「P7」のニューモデルの投入効果に加え、年半ばに見込まれる新規のBクラスSUVの発売が寄与する見通しを示した。同社のファンダメンタルズを左右するのは新型車種の売れ行きであり、改善にはある程度時間がかかるとしながらも、現在の株価バリュエーションにはすでに、投資家の悲観見通しを反映していると指摘。同社の香港上場株の目標株価を据え置き、株価の先行きに強気見通しを維持している。

 7-9月期の車両販売収入は前四半期比10.1%減と、販売台数の減少率より小幅の下げだったが、これは平均販売価格が約1万元上昇し、21万1,000元に達したことが一因。ほかに「P7」の貢献度の拡大(46%→57%)による製品構成の改善や、車載ソフト「XPilot」(運転支援システム)の価格改定などが寄与したとみられる。

 自動車部門の7-9月期の粗利益率は、製品構成の改善を背景に前四半期比2.5ポイント高の11.6%と、経営陣の事前予想を上回った。BOCIは2022年10-12月期に続き、補助金終了直後の2023年1-3月期も粗利益率が悪化するとの見方。ただ、新車種の投入効果で、その後は段階的に改善するとみる。経営陣によれば、バッテリー調達コストは2023年下期に反落するとみられ、この点も利幅改善に寄与する見通しという。

 7-9月期の営業損失は前四半期並みの22億元。モデルの移行期で短期的に販売縮小圧力が続くとみられる中、コスト管理の強化により、赤字抑制を目指す可能性が高い。

 経営陣が示した10-12月期の予想販売台数は前年同期比約50%減、前四半期比30%減の2万-2万1,000台。11月の納車数が「5,800台を下回らない」程度にとどまった後、12月には補助金終了前の駆け込み需要で約1万台を見込むことになる。

 BOCIはサプライチェーンの混乱による「G9」出荷への影響を反映させ、2022年の販売見通しを11万9,500台にやや下方修正。2023年、2024年に関しては18万台、25万5,000台との見通しを据え置いた。また、営業経費に関する想定値の引き下げを受け、両年の予想純損失(非GAAPベース)を63億元、53億元へ小幅に修正した。同社の香港上場株の株価は現在、2022年、2023年の予想PSR(株価売上高倍率)で1.7倍、1.0倍と、ヒストリカル平均を下回る水準。BOCIは2023年予想PSR1.5倍をあてはめて香港上場株の目標株価を据え置く半面、米上場株(XPEV)の目標株価を引き上げ、米株、香港株の双方に対し、強気見通しを継続している。