2022年9月中間期はコロナ禍で7%減益、今後の小売市場回復が追い風に
現地コード | 銘柄名 |
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01929 |
周大福珠宝集団 (チョウ・タイフック・ジュエリー) |
株価 | 情報種類 |
15.46HKD |
株価 企業情報 チャート |
香港系の宝飾品販売最大手、周大福珠宝の2022年9月中間決算は、純利益が前年同期比7%減の33億HKドルと市場予想を下回った。主に直営小売業務の低調と一過性損失の計上によるもの。一過性要因を除く経常ベースの純利益は同8%増となり、BOCIはそう悪くない内容と受け止めている。短期的には、中国本土での新型コロナ感染の拡大が懸念材料。その影響で、同社はフランチャイズ店舗の出店をペースダウンさせる方針を明らかにしている。ただ、BOCIは長期的な質の高い利益成長につながるとして、この決定を前向きに評価。さらに本土小売市場の今後の回復局面においては、同社が主要な恩恵銘柄の一つになるとみて、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
9月中間期の売上高は前年同期比5%増の465億HKドル。卸売事業が堅調な半面、主に中国本土の小売事業(7%減収)が予想を下回った。また、為替差損2億6,900万HKドルなどの一過性損失も利益を圧迫したが、この分を除くと8%の増益だった。
中国本土での最近の新型コロナ感染の拡大は、年度下期(2022年10月-2023年3月)の業績に影響する見込み。実際、この影響で10月1日-11 月18日の既存店売上高は前年同期比21.3%の落ち込みを示した。全店舗の12-13%に当たる800-900店舗が一時営業停止を余儀なくされるという状況から、経営陣は年度下期の既存店売り上げについて1桁台後半の減少を見込むが、仮に2023年1-3月中にコロナ規制が緩和されれば、1桁台半ばのプラス成長を確保する可能性もあるとしている。一方、年度上期の出店数が933店舗に達したこともあり、経営陣は通期の新規出店目標を1,200-1,300店(純増数)に据え置いている。
経営陣はコロナ禍を理由に、より慎重な短期見通しを示しているが、それでも2024年3月通期の中国本土の既存店売上高については、1桁台前半から半ばのプラス成長を見込む。前年実績の低さが一因。一方、2024年度の店舗純増目標は600-800店と大方の予想を下回るとみられる。また、新規出店においてはフランチャイズ店より直営店の比率を高め、卸売業務の利益率の希薄化をできるだけ抑える方針。中国経済の安定化が前提ながらも、これにより営業利益率の0.5-1ポイントの改善を目指す。BOCIはこうした目標全般が達成可能との見方。粗利益率が25%に持ち直す可能性も高いとみる。
BOCIは2023年度、2024年度の新型コロナ感染の影響や出店ペースの減速を反映させる形で、予想EPS(1株当たり利益)を4-11%減額修正した。ただ、目標株価の算出ベースを2024年度予想PER(株価収益率)16.5倍から、2025年度予想PER16.5倍に移行させたのに伴い、目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。レーティング面の潜在リスク要因としては主に、中国本土での新型コロナ感染拡大に絡む想定以上のマイナス影響や、金相場の変動に伴うヘッジ損失の可能性などを挙げている。
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