今週の予想

今週のNYダウが堅調なら2万7,800~2万8,600円のレンジの動きを想定

 先週の予測では、日米ともに休日をはさんでいることで相場の方向性が決まらず、2万8,000円を中心にもみあいを想定しました。日経平均株価は11日に2万8,329円まで上昇し、2カ月ぶりに2万8,000円台を回復したことで、2万8,000円を中心とするもみあいに入っているとしました。

 しかし先週は、米国市場で22日(火)は、一部の小売業の決算が予想外に好調で、さらに原油高からエネルギー株が買われ、長期金利の低下を受け、+397ドルの3万4,098ドルとダウ工業株30種平均が3万4,000ドルを回復しました。

 23日(水)には、FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録公開で要旨が利上げペースの減速見通しの可能性を示したことで+95ドルと続伸しました。

 日経平均の上昇は、NYダウの好調さを前提としていますが、結果的にNYダウの上昇により先週は2万8,000円を中心としたもみあいの想定を上回り、一時2カ月ぶりに2万8,500円を回復しました。

 ここから日経平均のさらなる上昇は、米株式の動きによります。30日にパウエル議長の講演があり、利上げ幅抑制の流れに沿った内容になるのかどうか注目となります。12月2日は11月雇用統計を控えていますので、手控えムードが広がる可能性もあります。

 今週は米国では重要な経済指標が目白押しのため日経平均は、それらを横目に神経質な展開が予想されます。これまで底堅い展開が続いており、下値は限定的で個別株物色は引き続き旺盛と思われます。

 日本の株高は、その背景にNYダウの上昇があります。NYダウは「米中間選挙後の株高」「ブラックフライデーに向けての上昇」など、これまでの経験則通りの展開となっています。ただし、この堅調な相場がいつまでも続くとは限りません。

 師走に向けて証券、金融なども「株高」の演出に努めてきますが、12月9日(金)はメジャーSQ(特別清算指数)となります。メジャーSQの週は戻り高値をつけるという経験則もありますので注意が必要です。

今週の指標:日経平均株価

 今週は、米国での経済指標の発表が目白押しのため、日経平均はそれらを横目に神経質な展開が想定されます。目先は9月13日の2万8,659円が上値ポイントとなります。レンジは2万7,800~2万8,600円とします。

先週の動き

 先週の予測では、2万8,000円を中心にもみあいになるとしました。しかし結果的にはNYダウが上昇したことで、日経平均も上昇に連動し、24日(木)には2万8,502円まで上昇しました。

 11月21日(月)は+45円、22日(火)は+170円、24日(木)は23日の休場の間にNYダウが3万4,000ドル台を回復したことで+386円の2万8,502円まで上昇し、終値は+267円の2万8,383円と3日連騰となりました。週末は、その反動で利益確定売りは▲100円の2万8,283円で引けました。

今週の指標:NYダウ(ダウ工業株30種平均)

 経験則からは、感謝祭の前後の相場は上昇する傾向があります。今週は、ブラックフライデーに続いて、月曜日から始まる大規模なオンラインショッピングセール、サイバーマンデーがあります。年を通して小売セクターが盛り上がりをみせる時期となるため相場の押し上げに期待したいです。30日のFRB(米連邦準備制度理事会)議長の講演も注目となります。

先週の動き

 一部の小売業の予想外の好決算や23日のFOMC議事録公開を受け、議事要旨で利上げ減速の可能性が示されたことが好感されNYダウは3日続伸となりました。

 21日(月)は▲45ドルの3万3,700ドルと小幅反落しましたが、22日(火)は一部の小売業の予想外の好決算や原油高からのエネルギー株の上昇、長期金利の低下を受け、+397ドルの3万4,098ドルと3万4,000ドル台を回復。

 23日(水)はFOMC議事録公開を受け利上げペースの減速見通しで+95ドルと続伸し、24日(木)は感謝祭で休場、25日(金)は、利上げ減速期待が続き+152ドルの3万4,347ドルと3日続伸で引けました。

今週の指標:ドル/円

 今週は、米国のインフレの高止まりを受け、FRBによる金融引き締めの継続が見込まれます。ただ、インフレ緩和の思惑も浮上しており、ドル高は一服していることから目先的に、ドル/円は、米長期金利の動向を意識した動きになりそうです。ドル/円は下げ渋りとなりそうです。

先週の動き

 週前半は、中国でコロナ感染拡大やFRBによる利上げ継続の見通しから金利が上昇し、22日(火)のドルは141.07円から142.24円まで買われました。

 23日(水)は、FOMC議事録で利上げペースの減速見通しが示されたことで、一転、ドルが売られ139.19円まで下げ引け値は139.60円となりました。その後は138~140円のレンジの中の動きとなり、週末は139.11円で引けました。

先週の結果

 先週の予測では、日経平均は2万8,000円水準をはさんだもみあいを想定しました。ただし、日本株の上昇はNYダウの堅調な動きが前提になるということでした。

 それを考えるとNYダウは買い疲れがあり、クリスマス商戦が期待はずれになると調整の可能性もあるとしました。

 しかし、先週のNYダウは小売業の決算が予想外に好調で、さらにFOMC議事録で利上げ減速の可能性が示されたことで、NYダウは3万4,000ドル台を回復しました。これを受けて日経平均は一時2万8,500円を突破する動きとなりました。週末は4日ぶりの反落となって▲100円の2万8,283円で引けました。

 週始めの21日(月)は、中国でコロナ感染が拡大し、上海株、ハンセン株の下落を受けて、一時▲53円の2万7,846円まで下げましたが、終値では先物買いで+45円の2万7,944円で引けました。

 22日(火)は、米株式は利上げの長期化見通しから3指標下げるものの、為替が円安・ドル高となったことで、+258円の2万8,203円まで上昇し、終値は+170円の2万8,115円と続伸しました。トピックスは3カ月ぶりの高水準となりました。

 23日(水)は、日本は勤労感謝の日で休場でした。前日の米国市場は一部の小売業が予想外の好決算となり、原油高からエネルギー株が買われ、NYダウは+397ドルの3万4,098ドルと3万4,000ドル台回復となりました。

 さらに、日本が休場の23日は、FOMC議事録で利上げペースの減速見通しが確認されたことで、NYダウは+95ドル、ナスダック総合指数、S&P500種指数も続伸となりました。

 24日(木)の日本市場は、休場の間に米株式が大きく上昇したことで、日経平均は朝方に+386円の2万8,502円まで上昇しましたが、買い一巡後は引け後の米国の感謝祭での休場を前に様子見となって、+267円の2万8,383円と3日続伸で引けました。

 週末の25日(金)は、前日の米国が休場だったことで、材料不足もあり、また、3日連騰で利益確定売りとなり▲100円の2万8,283円と4日ぶりの反落で引けました。

 日本市場の引け後の週末25日(金)の米国市場は、23日に公表されたFOMC議事録を受けて利上げ幅が縮小するとの見方が強まり、3日営業日続伸となり、NYダウは+152ドルの3万4,347ドルでした。ナスダックは▲58Pでしたが、この日は感謝祭シーズンで短縮取引のため3指標はマチマチでした。シカゴの日経先物は+10円の2万8,340円となっています。