今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは144.60

下値メドは138.70

米雇用:Uberなど単発請け負いの「ギグワーカー」、従業員に分類する方針へ
FRB:バランスシートはピークから3兆ドル縮小、新型コロナ量的緩和開始直後の水準に戻る
人民元:ゼロコロナ政策:完全解除は2023年第2四半期
英国:スナク新首相「国民全員に対する増税は避けられない」
英国:今年の冬は「寒冬」予想。英気象庁が警告 
英国:スナク首相:ウィンドフォール税の適応範囲を石油ガス会社へ拡大 
中央銀行:タカ派的政策がピークを迎える。インフレより経済成長を懸念
豪ドル:RBAはインフレより成長リスクに軸足移す。大幅利上げは終了
米雇用:アマゾンが広告ビジネス部門の採用凍結へ
エジプト:エジプトポンド、変動相場制へ移行

 明日の勤労感謝の日で東京市場が休場、明後日は感謝祭で米国市場は休場。ブラックフライデーと呼ばれる翌金曜日は正式の休暇日ではないが、週末とつなげて4連休にする人が多い。さらに今回は、史上初の冬開催のワールドカップの開催で、欧米市場は人気(ひとけ)がかなり少なくなりそうだ。今週のドル/円相場は、実質今日でおしまいといっていいかもしれない。

 11月21日(月曜)のドル/円は「円安」。
 1日のレンジは140.12円から142.25円。値幅は2.13円。 

 2022年231営業日目は140.19円からスタート。安値は東京時間朝につけた140.12円。安値が140円より円安だったのは11営業日ぶりのことで、週明けはドル買い/円売りが優勢。夕方までに141円台まで円安が進み、未明には142.25円まで上値を伸ばした。円安を保ったまま、終値は142.11円(前日比+1.73円)。

 中国のコロナ感染拡大による行動規制強化を嫌気したリスクオフ、そしてドイツの10月PPI(卸売物価指数)が前月比マイナスに低下したことによるECB(欧州中央銀行)の利上げ早期終了の憶測が、週明けのドル買いにつながった。

レジスタンスは、
142.25円(11/21)
142.48円(11/11)
146.60円(11/10)

サポートは、
140.85円(200時間移動平均)
140.12円(11/21)
139.63円(11/18)

 今週のハイライトは、明日(日本時間24日明け方)に公表されるFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録。FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ方針を巡って相場が上下するなかで、議事録がはっきりした方向を示してくれることをマーケットは期待している。

 とはいえ、FRBが利上げ幅0.75%を維持するか、あるいは0.50%に緩めるかは今後のデータ次第。つまり振り返り(FOMC議事録)よりも、先読み(今後の経済データ)の方が重要だ。雇用統計やCPI(消費者物価指数)の結果でFOMCの方針は変わるだろう。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の為替ウォーキング

今日の一言

自分のシステムがポジション保有を指示したら、自分の衝動が何を言おうとも、小さな利益を実現する誘惑に負けてはいけない

Private Eyes

 米アマゾンは例年秋になると、年末商戦に向けて大型採用を行っている。1年前の2021年10月は、物流網強化のために、日本の小売大手イオングループの総従業員数に匹敵する12.5万人の新規採用計画を発表した。それでも足りなくて、一時は出所間近の受刑者をリクルートしたともいわれる。

 昨年((2021年))は、新型コロナ禍を乗り越えた米企業が本格的に活動を再開するなかで、消費増大を見込んで求人が1,000万件以上に膨れ上がった。ところがたった1年で、労働市場の環境は様変わりした。

 求人数の多さは今も続いているのだが、業種によって大きく状況が違ってきている。レストランやホテルなどの採用は相変わらず活発で、飲食店や宿泊施設の客室清掃や配膳係など、比較的低賃金の雇用は伸び続けている。その一方で、高賃金のハイテク企業では採用凍結やリストラが増えているのだ。

 米アマゾンは10,000人の人削減に着手、来年も追加で実施すると発表した。Facebookを運営するメタも従業員の13%にあたる11,000人をカットする。米グーグルの持株会社である米アルファベットは、株主からリストラと、自動運転車部門ウェイモの損失縮小を求められている。ツイッターを買収したイーロン・マスク氏は瞬く間に従業員の50%を解雇してしまった。

「米国のインフレ率を目標値の2%まで引き下げるためには、雇用市場を冷やす必要がある。」と、パウエルFRB議長は述べている。

 パウエルFRB議長が考えるのは、労働力人口の増加による失業率上昇という「良い失業」だった。しかし、米国の労働市場で起きようとしているのは、景気後退のリストラによる人員カットという「悪い失業」だ

 いったん仕事を辞めた労働者や失業給付金を使い果たした人たちが再び雇用市場に戻ってきて、人手不足が解消に向かい、賃金上昇率も低下する状況をFRBは期待していた。しかし、インフレ打倒を最優先にした、大幅利上げという劇薬のせいで、不況とリストラによる真の雇用喪失が発生している。米国のハイテク企業に起きているリストラ・ラッシュがそれを示している。

今週の 注目経済指標

出所:楽天証券作成

今日の注目通貨:ドル/円

予想レンジ ↑152.97円 ↓130.66円  

 今週のドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は141.82円。
141.82円より上ならばドル買い優勢、141.82円より下ならばドル売り優勢。

2022年現時点の高値は151.95円、安値は113.47円。平均値は132.71円。
1日の最大値幅は6.40円、平均値幅は1.34円。
2022年の値幅は38.48円。
2021年の終値(115.09円)に比べて25.30円の円安。

157.23円    : 第4レジスタンス(HBO)        
152.97円    : 第3レジスタンス        
151.95円    :     10月 高値 
148.82円    :     11月 高値 

148.71円    : 第2レジスタンス        
147.39円    : 第1レジスタンス        
143.53円    :     10月 安値 
143.25円    :     11月 平均値

141.82円 : ピボット

137.67円    :     11月 安値
136.24円    : 第1サポート    
134.92円    : 第2サポート    
130.66円    : 第3サポート    
126.40円    : 第4サポート(LBO)    

2022年 ドル/円データ