今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは143.35

下値メドは135.15

中国:新規住宅販売は前年比40%減。一方、中古物件販売は50%増
中国:ゼロコロナ政策、2023年春の全人代まで継続か
米雇用:メタ、アルファベットの決算、広告ビジネスの苦境示す
米雇用:アルファベット、採用縮小へ。ヘッドカウント追加を半減
米雇用:メタ:1.1万人削減、全従業員の13%  
イタリア:メローニ首相:最大96億ユーロ(約1兆4100億円)規模の新たな経済対策を検討
イタリア:インフレ急上昇、年率48% 28-10-2022
BOE:量的引き締めスタート 
豪ドル:RBA利上げはそろそろ終了へ

 ドル/円は先週の「CPI(消費者物価指数)ショック」で、1日で7円も円高に動いたが、今週はあっという間に140円台に戻した。この日は米インフレ指標の鈍化を理由に再びドル安(円高)、FRB(米連邦準備制度理事会)メンバーのタカ派発言でドル高(円安)と目まぐるしい。FRBの利上げペースを巡る思惑が相場を動かしているが、マーケット(そしてFRB)はドル高かドル安なのかまだ確信を持てていない。

 11月15日(火曜)のドル/円は「円高」。
 1日のレンジは137.67円から140.62円。値幅は2.96円。

 2022年227営業日目は139.87円からスタート。東京時間昼過ぎに高値140.62円まで円安に動くが、夕方には139円に押し戻される。この日発表された米10月PPI(卸売物価指数)は予想より弱く、FRBの利上げ減速テーマでドルが再び売られ、138円を下に抜けて137.67円まで円高。ほぼ3カ月ぶりの安値をつけた。一方でドル買い意欲もまた強く、すぐに買い戻されて終値は139.35円(前日比▲0.56円)。

レジスタンスは、
140.62円(11/15)
140.80円(11/14)
142.48円(11/11)

サポートは、
137.67円(11/15)
137.58円(08/29)
136.19円(08/26)
136.17円(08/24)

 黒田日銀は、急速な円安がいったん落ち着いている状況を評価した。岸田内閣にとっては、総合経済対策の大きな柱として、円安環境をレバレッジしようと計画しているだけに、これが円安の終わりの始まりだとすれば大ショックだろう。

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の為替ウォーキング

今日の一言

どの世代にも、自分たちが愛する映画こそ最高の映画と信じる権利がある

Two Of Hearts

 岸田首相は先月10月28日、「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」を発表した。物価高・円安への対応、構造的な賃上げなどを柱とした、財政支出39兆円、民間支出を含めると71.6兆円という空前の事業規模だ。(もっとも財源の大半は国債に頼ることになるので、近い将来の消費税大増税もセットでついてくるだろう。)

 岸田首相は、総合経済対策の大きな柱として「円安対応」を掲げる。「対策」ではない、「対応」である。円安を止めるのではなく円安を生かした稼ぐ力を強化することで、「インバウンド消費年間5兆円超の達成」を目指すのだ。

 自民党が勝利した参院選(7月10日)の時点で1ドル=136円だったドル/円は、10月には151.95円まで11%も円安になってくれたが、先週CPIショックで138円まで円高に戻してしまった。この日はPPIショックで一時137円台をつけた。円安を生かすには円安が続くことが必須条件だというのに、困ったことだ。

 円安は、観光業など一部のセクターを除くと、多くの日本企業にとって、かつてのような利益をもたらしていない。製造業のほぼ4分の1はすでに海外に移転し、かつて密接だった為替レートとの関係も今や破綻している。それを国内に戻すのが「サステナブルな円安」だ。急激な円安は逆に良くない。なぜなら反動の円高を招きやすいからだ。為替介入の目的は円安というよりも急激な変動を抑えることが目的だったのだろう。

 今年の大幅な円安は、FRBの金融引き締め政策が背景にあったことは明らかだ。FRBが利上げサイクルを終了(休止)することになれば、当然ドル/円は円高に転換する可能性が高い。そうなれば、岸田政権が満を持して発表した「円安対応」総合経済対策は、始まる前からオワコンになるおそれがある。その時は、日銀が円高にならないように「円売り介入」をするかもしれない。

今週の 注目経済指標

出所:楽天証券作成

今日の注目通貨:ポンド/円

予想レンジ ↑173.51円 ↓157.71円

 今週のブルベアの分かれ目は165.61円。
165.61円より上ならば買いが優勢、165.61円より下ならば売りが優勢。

2022年現時点の高値は172.13円、安値は148.40円。平均値は160.26円。
1日の最大値幅は8.81円、平均値幅は1.93円。
2022年の値幅は23.73円。
2021年の終値(155.64円)に比べて8.57円のポンド高。

176.52円    : 第4レジスタンス(HBO)    
173.51円    : 第3レジスタンス    
172.13円    : 2022年 高値
170.95円    : 11月 高値

170.49円    : 第2レジスタンス    
169.56円    : 第1レジスタンス    
167.00円    : 11月 平均値

165.61円    :ピボット

163.05円     : 11月 安値
161.66円    : 第1サポート        
160.73円    : 第2サポート        
159.89円    : 2022年 平均値
159.73円     : 10月 安値

157.71円    : 第3サポート        
154.69円    : 第4サポート(LBO)    

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

2022年 ポンド/円 データ