今週の予想

先週末2万8,000円台回復、当面は9月13日の2万8,659円を目指す動き

 先週末の日経平均株価は、10月CPI(消費者物価指数)の結果を受けてインフレ鈍化に伴うFRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ幅縮小観測を背景に+817円の2万8,263円と一気に2万8,000円台に2カ月ぶりに回復しました。

 ただ、グロース株や半導体関連に資金が集中しつつも急激な円高を受けて輸出株が失速する動きがみられました。円安環境に変化の兆しが生じたことで、物色の変化が生じてくる可能性があります。

 基本的にFRBのインフレ対応の金融政策は変わらないものの、急激な円安が落ち着いてくるとみられ内需株も買われてくることになります。長期的には円安基調の中でインバウンド(訪日外国人観光客)株は期待がもてるといえます。

 今週は、先週末の流れを引き継ぎ堅調な展開が予想されます。目先は9月13日につけた高値2万8,659円が目標となり、ここをぬければ8月17日の2万9,222円が視野に入ります。

 ここをぬけると2021年9月14日の3万795円を高値とし、2022年3月9日の2万4,681円を安値とする中期の三角保ち合いを上放れすることになり、本格的な上昇が期待できることになります。当面の想定レンジは2万7,800~2万8,800円となります。

今週の指標:日経平均株価

 今週は、先週末の流れを引き継ぎ堅調な展開が予想されます。9月13日の高値2万8,659円が当面の目標となり、ここをぬけると8月17日の2万9,222円が視野に入ります。さらにここを突破すると昨年2021年9月14日の3万795円を高値とし、今年2022年3月9日の2万4,681円を安値とする三角保ち合いを上放れして本格上昇になることが期待できます。

先週の動き

 週前半は、ダウ工業株30種平均の3日連続の大幅上昇を受け、7日(月)は先週末の10月雇用統計を受け、NYダウの上昇に連動し、+327円の2万7,527円と反発し、8日(火)は、8日の米中間選挙で共和党有利の見方でNYダウが上昇したことで+344円の2万7,872円と大幅続伸しました。

 9日(水)は、米中間選挙で共和党が思ったほど良くなかったことでNYダウが反落し、日経平均も▲155円の2万7,716円と一服しました。

 NYダウは▲646ドルの3万2,513ドルの下落となり、10日(木)の日経平均も▲270円の2万7,446円と連動しました。

 注目の10日(木)の10月CPIは、前年比+7.7%(前月+8.2%、予想+8.0%)と予想を下回る伸びとなったことで、FRBの利上げペースが減速するとの期待で10年債利回りが低下し、ドルが5円以上売られ、NYダウは+1,201ドルの3万3,715ドルとなりました。

 これを受けて週末の日経平均は+817円の2万8,263円と2カ月ぶりに2万8,000円台を回復しました。

今週の指標:NYダウ(ダウ工業株30種平均)

 NYダウの日足チャートは、乱高下しながらも上昇トレンドとなっています。3万1,600ドル近辺にある75日線を完全に上放れし、8月16日の3万4,281ドルを目指す動きとなっています。ここを突破すれば4月21日の3万5,492ドルが視野に入ります。

先週の動き

 週前半は、中間選挙は共和党有利の見方で財政支出が抑えられるとの期待から、4日(金)+401ドル、7日(月)+423ドル、8日(火)+333ドルと3日続伸となりました。しかし9日(水)は、中間選挙の結果で共和党が予想ほど強くなかったことで、利食い優勢となり▲646ドルとなりました。

 10日(木)の10月CPIは前年比+7.7%(前月+8.2%、予想の+8.0%)と予想を下回る伸びとなったことでFRBの利上げペースの減速期待が強まり、ドル/円は5円以上の下落となり、10年債利回りは大きく下がり、NYダウは+1,201ドルの3万3,715ドルと急反発しました。

今週の指標:ドル/円

 先週は、10日の10月CPIを受けてFRBの大幅利上げへの期待は後退し、ドル買い・円売りがただちに拡大する可能性は低く、年末に向けた消費の低迷が予想され景気後退への懸念は残り、ドル買いを抑制することになりそうです。ただし10月の小売売上の結果が好調であればドル買いがやや強まる可能性があります。

先週の動き

 先週は、円高に向かって荒い動きとなりました。週始めは8日の中間選挙で共和党が大きく勝利する見方からねじれ議会となって景気刺激策などが抑制され、金利が低下するという期待からドル売り・円買いの動きとなり、148円台から146円台半ばへ。翌日は145円台前半まで売られました。

 9日(水)は共和党の勝利はそれほどでもなかったことでドルが買い戻され146円台半ばまで戻しました。10日(木)は、10月CPIが予想を下回ったことでFRBの利上げが減少するとの見方で再びドルが5円以上急落し140円台前半へ。週末は138円台後半まで下落しました。目先、落ち着きどころを探すところです。

先週の結果

先週の日経平均は、2万7,500円水準のもみあいのあと米10月CPIを受けフシ目の2万8,000円突破

 先週の予測では、米国で8日に中間選挙、10日に10月CPIの発表があり、その結果を見ながら米株式の動きをみて日経平均ももみあいとなることを想定しました。

 日経平均は、前々週末の4日(金)に▲463円の2万7,199円と急落するも、引け後のNYダウが5日ぶりの大幅反発となり、シカゴ日経先物が+315円の2万7,505円となっていたことで、先週は2万7,000~2万8,000円のレンジの中で2万7,500円水準を中心としたもみあいを想定しました。

 結果的に週前半は8日の中間選挙で共和党優勢の見方から、議会のねじれによる財政支出政策の抑制が起こって、バイデン政権の財政政策案が途切れ、国債発行が抑制されて金利低下につながることが期待され、株価は8日(火)の+333ドルまで3日連続の大幅続伸となりました。

 これを受けて日経平均も7日(月)は+327円の2万7,527円、8日(火)は+344円の2万7,872円と2万8,000円接近まで上昇しました。

 しかし、9日(水)は、朝方は2万7,926円まで上昇するものの、中間選挙の結果をみたいということで▲155円の2万7,716円と3日ぶりの反落となりました。

 この日の引け後の米国市場では、中間選挙の結果が共和党の勝利が期待されたほどでなかったことでねじれによる期待の逆回転の動きとなって、NYダウは▲646ドルの3万2,513ドルと4日ぶりの反落となりました。

 10日(木)の日経平均は、中間選挙の不透明感を受けて、一時▲345円の2万7,370円まで大幅続落し、終値は▲270円の2万7,446円となりました。この日の引け後の米国では、10月CPIへの警戒感から買いは手控えられました。

 しかし、10日の10月CPIは、予想外の前年比+7.7%と前月比+8.2%と予想の+8.0%を下回る伸びとなったことで、10年債利回りが前日の4.15%から3.18%台へ低下し、為替は1ドル=146円台から140円台前半まで5円以上の急落となりました。

 これを受けて利上げペースの減速期待が強まり、12月のFOMCでは0.75%の利上げ予想が0.5%へと高まりました。株式市場はNYダウが+1,201ドルの3万3,715ドルの+3.70%、ナスダック総合指数は+7.35%、S&P500種指数は+5.54%と大きく上昇しました。

 週末11日(金)の日経平均は、米利上げ減速期待から+817円の2万8,263円と2万8,000円台を一気に突破して引けました。心理的なフシ目の2万8,000円超えは9月13日以来、約2カ月ぶりとなります。FRBによる利上げペースの減速期待で米株式が急反発し、これを受けて先物買いを交えて上げ幅を拡大しました。

 週末の米国市場は、10日(木)の10月CPIが予想を下回る伸びとなったことで利上げ減速期待が続き、先行きの金利低下見通しを背景に、ドルは下落が継続し1ドル=138.82円で引けました。

 株価は、NYダウは+32ドルの3万3,747ドルと小幅続伸し、ナスダックは+209Pとハイテク株は大幅上昇となりました。シカゴ日経先物は円高進行となったことで輸出関連株は売られ▲150円の2万8,120円となっています。