今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは148.45

下値メドは143.95

為替介入:協調介入に効果があったのは、グローバル化が進んでいなかった1980年代まで
中央銀行:需要サイドの不況をやわらげようとしながら、供給サイドのインフレに対して利上げしていることが中央銀行のジレンマ
中央銀行:金融政策の役割は、需要が供給を上回ることによる中期的なインフレの進行を防ぐこと
FRB:アトランタ連銀総裁「供給が追いつかないのなら、需要を減らすしかない」
雇用市場:FRB「インフレを下げるために、失業率を上げることが必要」
米金利:FF金利の最終到達レートは5%まで上昇も
FRB:積極的に利上げすればするほど;将来の偶発的利下げの確率が高まる
金先物:自国の金利が高い米投資家にとって、ヘッジとしての有用性がなくなる 
減税:減税には中期的経済効果ない。高所得者は将来の利上げに備えて貯蓄を増やすから
フォルクスワーゲン:エネルギー配給制ならば、ドイツから工場移転か  

 米中間選挙の下馬評では、バイデン民主党の米企業増税に批判的な共和党の大勝利になるはずだった。11月8日(火曜)株式市場は共和党勝利を期待して上昇、リスクオンがドル売りにつながった。

 11月9日(水曜)のドル/円は4営業日ぶりに「円安」。
 1日のレンジは145.17円から146.80円。値幅は1.63円。 

 2022年223営業日目は145.59円からスタート。安値は東京時間正午につけた145.17円で、前日の安値(145.30円)を一時下回ったが、米中間選挙でバイデン民主党の健闘が伝わるなかでドル買いが優勢になった。夜遅くに146円台に乗せると明け方には146.80円まで円安に動いた。強さを保ったまま、終値は146.40円(前日比+0.71円)。NY市場のダウ平均は4日ぶりの大幅下落。

 今夜は米国の9月CPI(消費者物価指数)が発表される。
CPIは米国の利上げ政策と密接に関係している。そして米国の利上げは世界の金融資産と密接に関係している。われわれは、鈴木財務相のように緊張感をもって注視していかなければならない。

 10月のCPIの市場予想は前月比+0.6%(前回+0.4%)。前年同月比は+8.0%(前回+8.2%)で伸びが僅かに縮小の予想。

 前回の米CPIで最も重要だったことは、フェド・ピボット(利上げペースの緩和)の期待が完全に潰えたことだった。FRB(米連邦準備制度理事会)は11月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で、4会合連続となる0.75%利上げを実施した。

 前回のCPIでは中古車価格と衣料品が下がったこと以外には「良いニュース」はなく、住居費は高止まりし、交通サービスも上昇した。インフレがインフレを招く「セカンド・ラウンド・エフェクト(二次的効果)」が米国経済に広がっていることが確認された。エネルギー価格がインフレの主役となっている欧州経済や円安が引き起こす輸入インフレの日本とは全く異なる状況であり、米国経済がいかに過熱しているかを示している。この、FRB(米連邦準備制度理事会)にとっての「最悪のニュース」が今回も繰り返されるのなら、12月の利上げ幅縮小の期待は大きく後退することになる。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の為替ウォーキング

今日の一言

真に恐れるべきは有能な敵ではなく無能な味方である – ナポレオン

Addicted To Love

 世界中でインフレが止まらない。日本でも去年に比べてインフレ率が大幅に上昇している。新型コロナの時代の方が、今よりまだ暮らしやすかったかもしれない。

 前年比インフレ率というのは、1年前と比較して今日の物価がどれだけ上がったか(あるいは下がったか)という意味だ。今の物価と比較しているのは世界の多くの地域が新型コロナによる移動制限が課されていた時期である。つまり、1年前のロックダウン経済と、現在のアフターコロナ経済を比較している。ロックダウン経済の物価は異常に低かったり、全く売れない商品は推測の値段だったりした。去年と比べるとインフレ率が急上昇しているように見えるのは、当然といえば当然なのだ。

 主要先進国の統計機関では、CPI(消費者物価指数)のバスケット(消費者が購入する代表的な財・サービスの組み合わせ)を固定し、このバスケットに含まれる財・サービスの購入に必要な価格の変化を計測することで指数を作成している(ラスパイレス指数型物価指数)。

 消費者物価指数のバスケットは、過去の消費習慣を元に作成される。通常、消費習慣というのはそれほど変化しないので、不都合が起きることはなかった。しかし、新型コロナ感染流行とエネルギー価格ショックによって、人々の消費パターンは劇的に変化した。

 食料品や日用品が大幅に値上がりすると、消費者はディスカウント・スーパーで買ったり、PB(プライベートブランド)に切り替えたりする。ガソリン代が高騰するなかでは、休日の車の運転を減らす、あるいは公共交通機関の利用で家計の影響を少なくする。

 しかしCPIは、このような消費者の行動パターンの変化を把握することはできない。CPIが示す数字と実体経済の差は意外と大きい。見た目のインフレ率よりも実際の消費力はそれほど低下してない可能性がある。

今週の 注目経済指標

出所:楽天証券作成

今日の注目通貨:豪ドル/円

今週の予想レンジ ↑99.00円 ↓89.21円

 今週の豪ドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は、94.10円。
94.10円より上ならば豪ドル買いが優勢、94.10円より下ならば豪ドル売りが優勢。

2022年の高値は98.67円、安値は80.37円。平均値は89.52円。
1日の最大値幅は3.01円、平均値幅は1.20円。
2022年の値幅は18.30円。
2021年の終値(83.70円)に比べて8.59円の豪ドル高。

100.87円    : 第4レジスタンス(HBO)    
99.00円    : 第3レジスタンス    
98.67円    : 2022年 高値
97.13円    : 第2レジスタンス    
95.74円    : 10月 高値

95.56円    : 11月 高値
96.55円    : 第1レジスタンス        

94.10円    : ピボット

93.29円     : 10月 平均値

92.96円    : 11月 安値
91.66円    : 第1サポート    
91.08円    : 第2サポート    
90.84円    : 10月 安値
89.52円    : 2022年 平均値

89.21円    : 第3サポート    
87.34円    : 第4サポート(LBO)

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

2022年 豪ドル/円データ