決算発表シーズンがいよいよ佳境に

 10月下旬から始まった2022年4-9月期決算の発表がいよいよ佳境を迎えています。

 いつもの光景ですが、決算発表後に株価が大きく上昇するもの、大きく下落するもの、あまり反応しないものとまちまちな動きになっています。

 決算発表後に株価がどのように動くのかを事前に推測して行動することは結構難しく、失敗すると大きな損失を被る危険があるため、個人的には決算発表直前の新規買いは控えるようにしています。

 逆に、決算発表後は、株価の乱高下を招くイベントが当面来ないので、決算発表前より安心して買うことができます。

 ただ、決算発表後であれば、どんな銘柄も買ってよいかといえば、そんなことはありません。

 そこで今回のコラムでは、パターン別に株を買ってよいかどうか、あるいはどのような状態になったら買ってよいか、筆者なりの考え方をご紹介したいと思います。

パターン1:決算発表後に株価が急落した場合

 まず決算発表後に株価が急落した場合です。このパターンはさらに、「業績が悪かったので株価が急落した場合」と「業績が良いのに株価が急落した場合」に分類できます。

 業績が悪かったので株価が急落した場合は、株価がそこから上昇する可能性は低いので、基本は見送りでよいと思います。

 一方、業績が良いのに株価が急落した場合は、一時的に株価が下がっただけで、その後上昇に転じることもよくあります。そのため、継続的に株価をウオッチし、買い時を見極めるようにします。

 筆者であれば、買い時は主に次の三つのいずれかです。

(1)25日移動平均線を超えた直後(損切りは25日移動平均線割れ)
(2)5日移動平均線を超えた直後(損切りは5日移動平均線割れか直近安値割れ)
(3)直近安値と思われる安値から少し反発したところ(損切りは直近安値割れ)

 25日移動平均線からのマイナス乖離(かいり)がそれほど大きくなければ(1)が到来するのを待ちますが、マイナス乖離が大きい場合、(1)を待っているとかなり底値から株価が上がった後に買うことになるので、(2)や(3)での買いを意識します。

パターン2:決算発表後に株価が急騰した場合

 決算発表後に株価が急騰した場合は、「25日移動平均線からのプラス乖離」の大きさによって新規買いを実行するかどうか判断します。

 筆者であれば、プラス乖離が3%以内なら買いを検討、もし思い入れの強い銘柄などどうしても欲しいと思う銘柄であれば5%以内までなら買うこともあります。

 ただ、株価が急騰した場合は、その多くで25日移動平均線からのプラス乖離が大きくなっているため、往々にして25日移動平均線基準では買えないことになります。

 その場合は次の三つの行動のいずれかをとることになります。

(1)当面は買いを諦め、株価が25日移動平均線に近づくのを待つ
(2)5日移動平均線からのプラス乖離が大きくなければ買ってしまう
(3)とりあえず飛びついて買ってしまう

 筆者は(1)の行動が多く、たまに(2)を行います。(3)はめったに行いません。

(2)の行動をとるのは、どうしても欲しい銘柄だけれども、25日移動平均線基準では到底買えないほど株価が大きく上昇した場合です。25日移動平均線からの乖離が大きくても、5日移動平均線からの乖離でみたらそれほど大きくないケースは結構あります。

 そこで、5日移動平均線からの乖離率が3%以内であれば買い、5日移動平均線割れで損切りとします。

 筆者は(3)はほぼ選択肢にないですが、もし実行するのであれば、損切り価格をしっかり設定し、それを順守するようにしてください。さもなければ高値づかみで塩漬け株となってしまう恐れがあります。

パターン3:決算発表によって株価があまり大きく動かなかった場合

 最後に、決算発表によって株価がそれほど大きく動かなかった場合です。このケースもかなり多いです。

 決算発表前後で株価に大きな動きがない場合は、いつも通り株価のトレンドに応じて行動すればよいでしょう。

 筆者であれば株価が25日移動平均線を割り込んでいる銘柄は新規買いをしませんし、25日移動平均線を超えていて、株価と25日移動平均線の乖離率が3%以内であれば新規買いを検討します。

 このルーティンを、決算発表後においても変わらず行っていきます。

 決算発表をきっかけに、トレンドが転換したり、トレンドの流れが加速することも多いです。しっかりとルールを決め、大きな損失を出さないようにしつつ、上昇のトレンドに乗れるようにしたいものですね。

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