2022年7-9月期決算は予想上振れ、親会社のEV販売好調などが追い風に
現地コード | 銘柄名 |
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00285 |
比亜迪電子国際 (BYDエレクトロニック) |
株価 | 情報種類 |
22.80HKD |
株価 企業情報 チャート |
スマホ部品のEMS(受託製造)大手、BYDエレクトロニックの2022年7-9月期決算は売上高が前年同期比28%増、純利益が17%増と、市場コンセンサス予想を小幅に上回った。米アップル向けやEV(電気自動車)向けビジネスの成長が、アンドロイド・スマートフォン向け業務の低迷をカバーした。家庭用蓄電池がNIP(ニューインテリジェント製品)部門の最大の収入源となった点も高評価のポイント。BOCIはビジネスの多角化を進める同社の能力を前向きに評価。2022-24年の予想EPS(1株当たり利益)を3%、4%、6%増額した上で、目標株価を上方修正した。株価の先行きに強気見通しを継続している。
7-9月の売上高は、NIPおよびAIS(自動車用インテリジェントシステム)という非アンドロイド向け事業の伸びを受け、前年同期比28%増の270億元に達した。純利益は17%増の6億300万元。粗利益率は6.5%と、前年同期を0.7ポイント下回る半面、前四半期比で1.3ポイント改善した。経営陣によれば、22年通期の売上高は1,000億元の大台を超える見込み。10-12月期の粗利益率は市場予想をやや上回る見通しという。
組み立ておよび部品部門では、アンドロイド向けの部品需要が低迷する中、経営陣はこの先、米国のある主要取引先から、さらに多くの受注を獲得できるとみている。アンドロイド関連収入の比重は7-9月に33-35%と、2021年の42%から低下したが、2023年には20%以下へ一段と縮小する見通しという。
NIP部門で最大の収入源となった家庭用蓄電池について経営陣は2023年も需要の勢いが続くとみる。欧州のガス価格の低下が見込まれるが、構造的な需要や政策支援が追い風となる。NIP部門ではこのほか、工業団地3カ所向けに電子たばこの生産認証を取得した。規制リスクを踏まえ、電子たばこビジネスは海外向けに重点を移す方針。加熱式たばこ(HNB)の出荷は下期に大幅増となり、2023年も拡大が続く見通しという。
AIS部門では、親会社のBYD(01211)のEV(電気自動車)事業の好調が追い風。7-9月にはEV販売台数が前年同期比160%増を達成したことで、AIS部門の売上高は300%超の急増を記録した(前四半期比では約20%増)。BOCIは2022年、2023年と、BYDのEV販売の伸びに沿ったAIS事業の成長を予想。設備稼働率の上昇により、粗利益率もさらに改善するとみる。一方、同社は米エヌビディアの自動車ビジネスのODM(他社ブランド製品の設計・製造)パートナーでもある。
BOCIはAIS部門の拡大を反映させる形で、予想EPSを小幅に増額修正。2023年予想PER(株価収益率)16倍をあてはめて目標株価を引き上げた。目標算出基準は15倍から引き上げとなるが、これはEV向けビジネス構成の改善が理由。一方、レーティング面での潜在リスク要因としては、新型コロナの需給両面への影響や、主要顧客向けのNPI設計ビジネスの獲得状況、電子たばこ関連の規制リスク、地政学リスクを挙げている。
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