今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは149.90

下値メドは146.15

中央銀行:金融引締め競争が歴史的な世界不況を引き起こすおそれ  
利上げ:深刻な景気後退は必ずしも利上げの必要性をなくすものではない
政治:経済構造の変革期には多くの「アンチ」政党が誕生する
英国:英国の標準的世帯の電気ガス料金は年間1970ポンド(約34万円)
英国:エネルギー対策の政府支出は今後1年半で1,300億ポンド(約21兆円) 
FRB:FRBモデルの最大の問題、それは労働市場の調整に対してあまりにも楽観的であること
FRB:利上げは劇薬。病気を治すかもしれないが、不釣り合いなほど高いコストがかかる
ロシア:ガスプロム:中国との決済をユーロ建からルーブルと元建に変更へ 
原油:ロシアの原油運搬は欧州船主のタンカーに依存。輸出規制は可能。
原油:ロシアの原油生産縮小、中期的には自滅か

 11月3日(木曜)のドル/円は「円安」。
 1日のレンジは147.11円から148.45円。値幅は1.34円。 

 2022年219営業日目は147.81円からスタート。安値は東京時間昼前につけた147.11円。夜遅くには148.45円まで上値を伸ばしてFOMC後の高値を超えた。 終値は148.27円(前日比+0.34円)。

 FOMC(米連邦公開市場委員会)で、今後の利上げのペースダウンが示唆されたことでドルが売られ、2日(水)のドル/円は一時145円台後半まで下落した。しかしパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が、「緩和が早すぎたという間違いをおかしたくない。」と記者会見で述べたことで、2時間で148円台まで戻している。147円台よりドル安水準では短期的な押し目買いゾーンになっているようだ。

レジスタンスは、
147.70円(200時間移動平均)
148.45円(11/03)
148.82円(11/01)

サポートは、
147.11円(11/03)
145.66円(11/02)
145.10円(10/27)

 FOMC(米連邦公開市場委員会)の利上げは0.50%か0.25%か、それとも0.75%か。FRBはこれから12月会合までの1カ月半の経済データを見て判断することになる。その第1弾、今夜は10月米雇用統計が発表される。

 企業向け給与計算サービス会社ADPが発表する「民間版」雇用統計は、BLS(米労働省労働統計局)による「公式」雇用統計より2日早くリリースされることもあって毎月注目を集めている。 

 ADPによる10月の就業者は、予想の19.5万人増を超える23.9万人増だった(前回20.8万人増)。雇用市場が強いことは米経済にとっては「良い知らせ」だが、インフレ高止まりが続くという意味で、株式市場にとっては「悪い知らせ」だ。

 ADPは、BLS雇用統計との数値のかい離が大きくなったことを理由に、今年の8月から統計方法を修正した。ADPの分析によると、米国企業の採用は、これまでの「超アグレッシブ」モードから「通常」モードへ転換したという。

 米雇用市場は相変わらず強い。しかし詳細を見るとじわじわと二極化が進んでいる。飲食店や宿泊施設の客室清掃や配膳係など、比較的低賃金の雇用は大きく伸びている一方で、高賃金のハイテク企業では採用凍結や人員削減を進めている。ツイッターを買収したイーロン・マスク氏は総従業員の50%をリストラする計画と報じられている。アマゾンは広告ビジネス部門の新規採用の凍結を決定した。

 10月雇用統計の詳細については「「雇用が減る」と、なぜFRBは喜ぶのか?インフレ時代の雇用統計の読み方」をお読みください。

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の為替ウォーキング

今日の一言

インフレはロケットのように急上昇して、羽毛のように下がる

The Hustle

 新型コロナは2020年3月と4月のたった2カ月間で、 2,156万人もの米国人の職を奪った。米雇用市場は、それを2年3カ月の月日をかけてのべ2,174万人増やし、今年の7月についに新型コロナ前の状態に戻すことに成功した。

 失業率は、新型コロナの感染が拡大した2020年4月には14.7%まで悪化したが、今は2019年9月に記録した過去最低水準の3.5%まで低下している。米雇用市場に関して言えば、新型コロナの影響は完全に消えた。

 米雇用市場が完全雇用状態まで復活したのだから、中央銀行が「コロナ戦時下モード」である超低金利政策を続ける理由もなくなった。FRBは今年3月から利上げサイクルに入り、6月からは4期(6月、7月、9月、11月)連続で0.75%の大幅利上げを実施、政策金利のFF金利を0.00-0.25%から3.75-4.00%まで引き上げた。

 パウエルFRB議長は11月FOMCの記者会見で、今後は「どれだけ早く利上げするか」よりも「どれだけ高く利上げするか」へ方針変更することを示唆した。大幅利上げの代わりに小幅な利上げを長期間続け、より高い終着(ターミナル)レートを目指すということである。

 タカ派(強気)のピークは越えたかもしれないが、「政策金利の終着レートはまだ高くなるべきである」とパウエルFRB議長が述べていることからも、利上げ休止のハードルは依然高く、FRBがハト派に転向したと考えるのはまだ早いようだ。

 12月に行われる2022年最後のFOMCでは、利上げ幅を0.75%より低くなる可能性が高い。しかし、それも今夜の雇用統計の結果次第である。

 高インフレのもとでの雇用市場と金融政策の判断は難しい。インフレ制御のためには、過熱している雇用市場を冷まさなくてはいけないとパウエル議長は考える。就業者数が伸びないまま平均賃金上昇率の高止まりが続くなら、インフレ警戒を強め大幅利上げということもありえる。FRBは6月にフォワードガイダンス(政策見通し)を放棄している。次回FOMCの利上げ幅縮小は確約ではない。

 10月雇用統計の詳細については「「雇用が減る」と、なぜFRBは喜ぶのか?インフレ時代の雇用統計の読み方」をお読みください。

今週の 注目経済指標

出所:楽天証券作成

今日の注目通貨:ドル/円

予想レンジ ↑156.03円 ↓139.19円 

 今週のドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は147.61円。
147.61円より上ならばドル買い優勢、147.61円より下ならばドル売り優勢。

2022年現時点の高値は151.95円、安値は113.47円。平均値は131.17円。
1日の最大値幅は5.78円、平均値幅は1.22円。
2022年の値幅は38.48円。
2021年の終値(115.09円)に比べて32.60円の円安。

159.24円    : 第4レジスタンス(HBO)
156.03円    : 第3レジスタンス
152.81円    : 第2レジスタンス
151.95円    :     2022年 高値
151.82円    : 第1レジスタンス    
147.74円    :     10月 平均値

147.61円 : ピボット

145.90円    :     09月 高値 
143.53円    :     10月 安値 

143.40円    : 第1サポート    
142.41円    : 第2サポート    
138.89円    :     09月 安値
139.19円    : 第3サポート    
135.97円    : 第4サポート(LBO)    

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

2022年 ドル/円データ