2022年7-9月期決算は予想通り、南シナ海での新ガス田発見などが成長けん引へ
現地コード | 銘柄名 |
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00883 |
中国海洋石油 (CNOOC) |
株価 | 情報種類 |
9.80HKD |
株価 企業情報 チャート |
中国の石油業界3位、CNOOCの2022年7-9月期決算は前年同期比89%の増益となり、BOCIの予想と合致した。2022年12月通期の石油・ガス生産量は経営陣が示した見通しの上限に達するか、あるいは上回る見込み。BOCIは厳格なコスト管理に加え、最近の南シナ海での大型ガス田の発見など、探査業務の好成績が引き続き好決算を支えるとみて、2022-24年の利益見通しを7-10%増額修正した。目標株価を小幅に引き下げながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
7-9月期の純利益は前年同期比89%増の369億元(中国会計基準)。原油実勢価格の36%の上昇が寄与した。前四半期比では2%の減益となったが、原油実勢価格が13%下落したことを考慮すれば、堅調な数字だった。
7-9月の石油・ガス生産量は前年同期比で9%、前四半期比では2%増加し、原油価格の低下による影響をカバーした。1-9月では前年同期比9%増の4億6,150万BOE(石油換算バレル)と、同社が示した通期見通しの75.7-76.9%相当。経営陣は通期生産量が自社見通しの上限(6億1,000万BOE)を上回る可能性があるとみている。
営業費用およびオールインコスト(費用総額)は1-9月に、前年同期比でわずか3%増、1%増。生産構成の変化や埋蔵資源のアップグレードで、減価償却・減耗償却費(DD&A)は11%縮小した。
年初から9月までに新たに発見した油田・ガス田は14カ所。中国オフショアの南シナ海では最近、巨大ガス田「宝島21-1」(確認埋蔵量500億立方メートル)を発見した。回収率を30%と想定した場合、同社のガス埋蔵量はこれで6%増加することになる。また、ガイアナ沖の巨大鉱区Stabroekでは、PCS(生産物分与契約)パートナーが1-9月に新たな資源7カ所を発見。同鉱区の可採埋蔵量が110億BOEに拡大した。CNOOCはStabroek 鉱区の25%を保有しており、埋蔵量をフルに足し合わせれば、石油・ガス埋蔵量が50%増加することを意味する。
BOCIによれば、同社の現在株価は2022年の予想PER(株価収益率)でわずか3.1倍にとどまる半面、予想配当利回りは12.7%の高水準にある。最近の自社株買い(9月に香港上場株4,500万株を買い入れて消却)も株価の支援材料となる見通しという。
BOCIは営業費用に関する想定値の引き下げや原油実勢価格、生産量に関する想定値の引き上げに伴い、2022-24年の予想純利益を7-10%増額修正した。半面、決算通貨の香港ドルに対する人民元安を理由に、1株当たりの予想NAV(純資産価値)を15.19HKドルから15.02HKへやや下方修正。SOTP(サムオブザパーツ)方式に基づく目標株価を小幅に引き下げた。株価の先行きに対しては強気見通しを継続。一方、レーティング面の潜在リスク要因として原油相場の急落と予想以上のコスト増の可能性を挙げた。
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