今週の予想

今週は、NYダウに続き日経平均も上放れか

 先週のダウ工業株30種平均は、17日(月)に英国の大規模減税案の撤回を受けてポンドが上昇し、ドル高一服を受け同時にバンクオブアメリカの決算が予想を上回ったことで、+550ドルの3万185ドルと再度3万ドルを回復しました。

 18日(火)には3万837ドルまで上昇し、25日移動平均線と5日の高値3万454ドルを上回り、終値では+337ドルの3万523ドルとなり、柴田罫線では三角保ち合いの上放れとなりました。

 そして、水曜、木曜と▲99ドル、▲90ドルと2日続落したあと、週末の21日(金)は、FRB(米連邦準備制度理事会)が利上げペースを緩めるとの報道を好感し、+748ドルの3万1,082ドルと3日ぶりの大幅反発となりました。NYダウに連動する日経平均株価は、これで上放れとなりそうです。

 日経平均は、19日(水)に2万7,371円の高値をつけて25日移動平均線に続き、200日移動平均線を上にぬきましたが、目先のチャートの上値ポイントとした6日の2万7,399円を突破できませんでした。

 しかし、先週末のNYダウの動きをみる限り日経平均も2万7,399円を突破して上放れする可能性が高くなりました。2万7,399円を突破してもどこまで上昇できるかは為替と米国株次第となります。

 基本的に2万7,399円を上にぬけても上値は限定的で一進一退の動きとなりそうです。

「GAFAM(Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft)」と呼ばれる米IT大手企業の決算のほかに国内での7-9月期決算の発表が本格化するため、決算を受けた個別企業物色が主体となりそうです。米国の決算がそれほど悪くなければ、業績悪化に対する過度な警戒感は後退し、買い戻しが強まって戻りを試すことになる可能性もあります。

今週の指標:日経平均株価

 先週は、為替が1ドル=150円水準を試す動きとなり、政府・日本銀行が介入してもおかしくないところにきていました。週末の21日(金)の日本市場の引け後の米国市場で、12月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利上げ減速見通しの報道が出たタイミングに合わせて突然の為替介入があり、一時146.22円まで円高となりました。

 日本でも7-9月期の決算発表が本格化してきますが、この円安一服をきっかけに業績相場に移行できるかがポイントです。予想レンジは2万6,700~2万7,600円とします。

先週の動き

 週始めの10月17日(月)は、前週末のNYダウの大幅反落(▲403ドル)を受けて、日経平均は、一時2万6,649円まで下げ、終値は▲314円の2万6,775円のスタートとなりました。

 その後、NYダウの上昇につれて反発し、18日(火)に柴田罫線は2万7,156円で三角保ち合いの上放れとなり、翌日の19日(水)に2万7,371円まで上昇するものの、上値ポイントとした10月6日の2万7,399円に届かず、週の終値は▲116円の2万6,890円で引けました。

今週の指標:NYダウ(ダウ工業株30種平均)

 今週は、押し目買いも期待され、底堅い展開が予想されますが、引き続き金利動向やFRBの利上げペースに神経質な展開となりそうです。アップルやマイクロソフトなどの主要ハイテク企業が決算を発表する予定ですので注目となります。

 NYダウが多少戻してもチャートの形をみてわかるように今年の1月5日の3万6,952ドルの高値からの下降トレンドの中の動きであり、戻り売りが続くことに変わりありません。

先週の動き

 前々週末のNYダウは、▲403ドルの下げとなっていたものの、週始めの10月17日(月)は、英国で大規模減税案が全て撤回されたことで、ポンドが上昇してドル高が一服し、米大企業の収益が改善されるということで、NYダウは+550ドルの3万185ドルと大幅反発しました。18日(火)も+337ドルの3万523ドルと2日続伸しました。

 その後19日(水)は▲99ドル、20日(木)は▲90ドルと2日続落しましたが、週末の21日(金)は、12月のFOMCで利上げが減速されるとの見通しを受け、NYダウは+748ドルの3万1,082ドルと大幅反発して引けました。

 柴田罫線では、10月18日(火)に3万523ドルで三角保ち合いの上放れとなっています。

今週の指標:ドル/円

 先週末は、20日(木)に1ドル=150円をつけたあとも為替介入の兆候がみられなかったことから21日(金)の夜に海外市場で円安が加速し、一日の下げ幅(円の下落)が2円近くなりました。このタイミングを見計らって投機的円売りに対して、政府・日銀が「伝家の宝刀」大規模円買い介入を行い、ドルは146.22円まで売られました。終値は147.71円でした。

 今週は、146~150円のレンジで落ち着きどころを探し、そこから再び円安の動きとなりそうです。ドルは底堅い動きとなって、さらなる日米金利差拡大を待つことになります。

先週の動き

 先週は、FRBの積極的な金融引き締めへの警戒感から、週始めの1ドル=148円台からジリジリとドル買い・円売りが高まりました。10月19日(水)は10年債利回りが4.14%と2008年7月以来の水準まで上昇すると、1ドル=149円後半の円安となりました。

 翌々日は、10年債利回りが4.24%まで上昇し、為替は1ドル=151.93円まで円が急落したところで、突然、為替介入があり、ドルは146.22円まで急落し、引け値は1ドル=147.71円で引けました。

先週の結果

先週は、目先のピークとした2万7,399円に接近するも、週末は2万7,000円割れ

 先週の予測では、前週末に日経平均が2万7,000円台を回復して引けたことで、市場の見方は、2万7,000円台の値固めから上へという見方が見られました。

 しかし、現状の株価の上下動はテクニカル的な要因が大きく、NYダウがそのような流れをつくっており、日経平均も連動しているとしました。特に米国市場では、経済指標が予想を上回り、インフレ圧力が強いままなので、FRBの積極的利上げ見通しが強く、長期金利の上昇が続いています。

 ドルが買われて、NYダウの上昇も続き17日(月)は、英国の大規模減税策が撤回されたことでポンドが上昇し、ドル高一服を受けて+550ドルの3万185ドル、18日(火)には、決算も予想を上回ったことで、+652ドルの3万837ドルまで上昇し、終値は+337ドルの3万523ドルとなりました。

 日経平均は、17日(月)は、前週末の米株式の大幅反落を受け、▲314円の2万6,775円となりましたが、18日(火)は、すぐに反発となり、+380円の2万7,156円となりました。

 日経平均の上値に関しては、下値は10月3日の安値2万5,621円、上値は10月6日の高値2万7,399円とし、ここを上にぬけるともう一段上が期待できるところでしたが、19日(水)は2万7,371円までの上昇で止まりました。

 その後は上値が重くなり、20日(木)は、▲250円の2万7,006円と3日ぶりに大幅反落。週末は前日の米国市場が長期金利の上昇を背景に翌日も連続で下げたことで、日本市場も値ガサ半導体関連株が下支えするものの、売り圧力が強く▲116円の2万6,890円と2万7,000円を切って引けました。

 週末の米国市場は、ウォール・ストリート・ジャーナルが、11月のFOMCで12月のFOMCでの利上げ減速を議論する公算が大きいとの報道がなされたことで、これが好感されNYダウは+748ドルの3万1,082ドルと3日ぶりの反発となりました。

 主要3指標そろって大幅反発でした。そのタイミングで為替介入が行われたらしく、一時、1ドル=146.22円までの円高となり、引け値は1ドル=147.71円でした。シカゴの日経先物は+210円の2万7,110円となっています。